【超短小説】年雄は不器用

年雄はよく思われたい。

頭がよく思われたい。

かっこよく思われたい。

器用に思われたい。

他にもたくさん、色々、よく思われたい。

ずっとそう思っていた。

でも、よく思われた実感はほとんどない。
逆にバカでダサくて、不器用だと言われた事はある。

振り返ってみると、"よく思われなくてもいい"と思った人と、長く友人をやっている気がする。

不器用な話だ。

結局は、自分の行動に見返りを求めてしまう。
よく思われたくてやってるのに・・・。
自己満足。
見返りなくて当然。

思い通りにならない、不器用な男。

「そんな事を最近考えるんだ」と友人に相談したら、「暇なのか?」と一言。

よく思われたい事と逆の評価を受ける不器用な男。

さて、今週も働きますか。

浜本年雄40歳。

なぜか"頭がよく思われたい"だけは譲れない。

バカだから。

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