【超短小説】年雄とセルフレジ
最近セルフレジが増えた。
最初は戸惑ったが、今では楽しく使っている。
楽しく。
年雄は小銭を、小銭に入れにパンパンに貯めるのが好きだ。
お札で支払いをして、お釣りを小銭入れに入れる。
そして、パンパンに貯まった時、セルフレジで使う。
これが楽しい。
いくら入っているか分からない小銭入れから、ジャラジャラとセルフレジに一気に入れる。
ゴリゴリと音を立てて計算する。
買った金額より、上回れば快感を感じる。
ちょっとしたルールもある。
500円玉は入れない。
パッと見て計算出来るから。
いくらか分からないのがいい。
足りるか足りないか、この緊張感。
ギャンブルのような感覚。
セルフレジ、いいね。
浜本年雄40歳。
時々思う。
何が楽しいの?