ドラマ・アンメットのOP曲「縫い目」になぜこんなにも心揺さぶられるのか
一瞬にして掴まれた。
ドラマの1話、曲が流れた出だしから、胸にざらりとした感覚が残る。
アンメットのオープニング曲、上野大樹さんが歌う「縫い目」に感情を揺さぶられ続けている日々。
もちろんドラマの内容が影響するところは大きいのだけど、兎にも角にもフィットしすぎている。
つぎはぎの杉咲花さんが縫い糸でつなぎ合わされる映像も、藁半紙のような質感色味も含めてやはり、ざらり、と。
アンメットは、数あるドラマの中でも特に、心の機微を繊細に描いていると思う。
記憶障害がありながら一日一日を懸命に生きるミヤビ、彼女を特別大切に思いながらも自分の気持ちは押し殺して支える三瓶先生
みんなそれぞれに思いやりを持って歩み寄ろうとするひとたちの、それぞれの中で蠢く感情が、思わず息を呑んで見守ってしまうほどこちらに伝わるのだ。
そして、記憶障害に関わらず、大切な相手のことをわかっているようで、わかりたくて、でもわからない、というどこか悲しみのような諦めのような気持ちも湧く。
視聴者もどこかで同じような痛みを体感している。
だからきっと、オープニングの短いその一瞬に、人の中にある言葉にならない葛藤や僅かな希望を見るのだと思う。
上野さんのやや空気を含み掠れた声質、歌詞、(詳しいことはわからないけれど)メロディラインなど、全てがその世界を作っている。
ドラマの一部でありドラマを象徴する顔でもある音楽。
こんなにも自分の中に残り続ける音楽はなかなかない。
ドラマと主題歌の世界観のリンクがあって、何倍にも互いの魅力が引き立っているのだろうと思った。
素敵な音楽を生み出してくれてありがとうございます。
ちなみに日常の中のさわやかな喜び、苦しい中でもふっと緩む瞬間、そんな部分はエンディングのあいみょんで感じています。
最高のドラマ、最高の音楽に出逢わせてくれて感謝です。