【コミュニケーションとリハビリ】失語について
お世話になっております。介護福祉士のハレくんです。このnote終了まであと2本の投稿となりましたが、それまでお付き合い頂ければと思います。
今日は失語についてです。
認知症の進行によって失語が起こる事がありますが、『失語とはなんなのか』、『失語のある方とのコミュニケーションのポイント』、『失語に効果的なリハビリ手法』について今日はお伝えしていきたいと思います。
ではいきます。
失語とは
失語とは、言語機能に支障をきたしている障害の事です。
「聞く」「話す」「読む」「書く」などの言語操作が困難になる症状があり、認知症の中核症状の一つとなっています。認知症の進行による神経細胞の破壊が「言語中枢」に及ぶことで失語が起こります。
「誰?」「何時?」「さっぱりした」など、単発的に言葉を発せられる事はありますが、その後会話に繋げるのは難しいというような方も多いです。
コミュニケーションをとる際ののポイント
失語のある方に対するコミュニケーションで意識すべき事は下記5つです。
①ゆっくり語りかける
②簡潔な表現で話す
③視覚的なアプローチ
④確認と繰り返し
⑤リラックスしてもらう
順番に簡単に説明していきます。
①ゆっくり語りかける
ゆっくり語りかけることで、コチラの話が理解しやすくなります。早口で急いで話すと理解が難しくなり、話す事の内容が伝わりにくくなります。
②簡潔な表現で話す
複雑な言葉や抽象的な表現を避け、シンプルに伝える事を意識するほど伝わりやすくなります。
③視覚的なアプローチ
ジェスチャーや絵を使って言葉の補強をする事で伝わりやすくなり、ジェスチャーによってその言葉の意味を思い出してくれる事もあります。
④確認と繰り返し
一度では理解できなくても、二度・三度と根気よく同じ言葉を繰り返していると『ハッ』とした感じで伝わる事があります。
⑤リラックスしてもらう
ストレスやプレッシャーの無いリラックスした状態の方が、話の内容は伝わりやすくなります。
これら5つのアプローチが、失語のある方との円滑なコミュニケーションを促進するのに役立つので意識してもらえたらと思います。
失語に効果的なリハビリ手法
認知症による失語のリハビリにおいて、誰でも簡単にサポートできる一般的な方法があるので、紹介しておきます。
聴覚回復に効果のあるリハビリ
・読み聞かせや言葉の復唱を行う
・物を示しながら、名称や単語を繰り返し唱える(例:リンゴを指差しながら「リンゴ」と繰り返し唱える)
・ジェスチャーを用いながら動作名を復唱する
・歌を聞く(歌詞があり本人の好きな曲)
読解力回復のリハビリ
・カルタのようなカードゲームを行う
・絵と文字(言葉)を照らし合わせる
・文章の後半に適切な文末を選んでもらう
話す能力回復のリハビリ
・イラスト等を示して、名称を繰り返す
・挨拶を交わしあう
書く能力回復のリハビリ
・なぞり書きや模写
・自分の名前や身内の名前、住所などを書いてもらう
・イラストを見せて、その名称を書いてもらう
・シンプルな日記を継続的に書いてもらう(一言だけでもOK)
こういったリハビリが、介護士やご家族にも共有される一般的なリハビリです。専門家の指導が無い場面でも、できる事は沢山あります。
という事で、失語について基本的な事を共有させてもらいました。
それではまた次の記事で。あと一本、よろしくお願いいたします。