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死因に表れる社会問題

今日は簡単に。

インドに来て1ヶ月が経つが、毎日感じる問題の一つに、大気汚染がある。

私は通勤にオートリキシャーと呼ばれるトゥクトゥクのようなタクシーを利用している。

ご覧の通り、窓やドアがないので、外気が直接体に当たる。暑い日は気持ちが良い一方で、排気ガスの煙たさを感じることも多い。特に、通勤ラッシュの時間は道中に車やバイク、リキシャの排気ガスが立ち込める。息をするのが苦しいことさえある。

インドでは原付バイクやオートバイの利用者も男女問わずかなり多い。そうなると、これらの通勤者やリキシャの運転手は、毎日この汚染された空気を吸っていることになる。当然、健康面が心配になる。

そしてちょうど3日前、衝撃的なデータが公表された。インドにおける死因の7.2%が大気汚染に関連しているのだという。特に、大気汚染が深刻なデリーではその割合は11.5%に上る。

大気汚染という社会問題が、死因に表れているのである。


そしてこの現象はインドに限ったことではないことに気づく。

アメリカでは、死因の6位にオピオイド系の薬物の過剰摂取がランクインする。7年以上前から交通事故による死者数を抜いている。

※日本では、時折フィラデルフィアの薬物依存者が集まる通りが「ゾンビ化した街」などという極めて偏見を助長するかたちで報道・拡散されたりするが、状況は極めて複雑である。(詳細は上記のポストへ)

この他にも、アメリカの社会問題が死因に表れる例は、銃による死亡者である。20歳未満の死因の8%以上を占める。

アフリカのリベリアベナンでは、死因の1位がマラリアである。防虫作用のある蚊帳はずっと前から開発されているが、依然としてその普及率や、正しく使用される割合は高くない。

南米のベネズエラでは、政情不安が続く。悲しいことに、死因の5位に暴力がランクインする。

日本も例外ではない。

15歳から30代までの死因1位をご存知だろうか。自殺である。

そしてこの裏には多くの社会問題が存在する。国が指摘するだけでも、「過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立」と多岐にわたる。

社会問題の多くは、死に結びついている。感染症や暴力のように直接関連していないとしても、大気汚染のように長期的に人間の身体を蝕んだり、社会的孤立のように精神的にダメージを与えるものは多い。

死因という最も重い指標にランクインすることは極めて残念なことであり、決してそうならないように尽力することには、投資を惜しんではいけない。

社会問題に取り組む際に心に留めておきたいことである。

ではまた。

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