NHK 文芸選評 2020「月」落選作/榮猿丸選
薄絹を脱ぐべし月は上るべし ハードエッジ
月こよひ行き交ふ舟の灯さず ハードエッジ
海底に月の光の届かざる ハードエッジ
※ 選の中に「昼の月」があって少々違和感
【参考】
一応、俳句業界の有季定型エリアでは、
「昼の月」は秋の季語ではなく、
公認の季語と併用される一般名詞扱いが基本
春:
長閑さや浅間のけぶり昼の月 小林一茶
きさらぎや若草山に昼の月 藤野古白
屋根替の埃の上の昼の月 高濱虚子
花人は知るやかゝれる昼の月 井上哲王
白梅をはなれてありぬ昼の月 飴山實
はくれんの一弁とんで昼の月 片山由美子
桜よりうすうすとあり昼の月 阿部みどり女
夏:
よぢれつつ水着の干され昼の月 西原天気
昼の月あはれいろなき祭かな 安住敦
若竹や淡々として昼の月 松根東洋城
秋:
新涼や雨の上りし昼の月 ハードエッジ
秋天の松より低き昼の月 高木晴子
昼の月はたはた草に沈みけり 内藤吐天
昼の月花舗に芒の溢れをり 林原耒井
冬:
山一つ氷つてゐたる昼の月 ハードエッジ
いつの間に昼の月出て冬の空 内藤鳴雪
凩や西にかかりし昼の月 今井杏太郎
山腹の冬田の上や昼の月 寺田寅彦
昼の月でてゐて水の涸れにけり 久保田万太郎
落る葉は残らず落ちて昼の月 永井荷風
追記:
閲覧数が全然伸びてないこっちの「月」もヨロシク
全然堂歳時記 秋 【月】葉書俳句
以上です
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