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人間の証明~或る男の歌〜 ③

見出し画像: 佑木瞬


頭の中 蠢動

なにやら行ったり来たりしていた。
出会い・再会・出会い・再会・出会い・再会…

いや別にこれだって特別なことでは無いんだけど。
酔いのようにまわってまわっているもんだからなんなら酔った。

僭越ながら私の頭の中で起こった蠢動の吐き捨てと、ささやかな感謝を。


ニワタイクミ

そもそも僕が41×46と初めて関わったのが、2019年の特別公演『俺の屍を越えていけ(畑澤聖悟 作)』でのお芝居デビュー。
その時の演出が、ニワタさん。
今回もとりあえず迷ったらニワタさんに「どう?変じゃない?」ってきいていました。決まって「大丈夫!かっこいいよ!」と返ってくる。
とても頼れる存在。安心する。

改めて思ったのは『女優を地で行く女優』
観ていてもやっぱ安心する。
緻密なのは知っていたけど、一挙手一投足一言一句全てに意味がある。
きっと生まれながらに表現者。
安心した。

撮影: 佑木瞬

西村カノン

本当に驚いた。今回の公演で一番のサプライズだったように思う。
「カノン、タモツんの曲の作品に出るから(笑)」
と館氏から告げられた瞬間、この公演への思いが一層厚く、重くなったのを感じた。
こりゃただじゃすまねえな、と。

だって高校の同級生だよ。同じクラスだったんだよ。
会うのは高校以来。これってやばくない?笑

公演を通して色んな話をした。殆どは身の上話だった気がするけどしゃーない。後述するがもう一人高校の同級生がいて、そりゃあもう同窓会ですよ。しゃーない。

あまり作品についてのくどい言及はしたくないのだけれど、『18時のニュースを聞きつつ』という曲をここまでアップデートさせてくれたのはカノンだと思っている。
館氏が書き下ろ…んー、産み落としてくださった一本の演劇。チームとしてもちろん作り上げた気ではいる。
ただ、曲にものすごく干渉してきたのがカノンとカノンの演じる"さら"だった。常に寄り添ってくれていて、だからこそ"藤田"の気持ちもとてもよくわかる気がするんだ。

こんな形でまた会えるなんて、本当に嬉しいことだと思った。

撮影: 佑木瞬

中川一恋

『めんこさ』と『かわいくなさ』がシームレスに共存していることって、なんだかヤバいことだと思った。
顔とかじゃなくてね。

某ライブハウスのタバゴリも言ってたけど見た目可愛い系なのに音ゴリゴリみたいな。
「くっそこいつ…!!」ってなりつつ「やーかわいいとこあんじゃん〜憎めねぇ!愛おしい!!」ってのが中途半端じゃなくて絶妙に振り切っていてすげえと思った。
底知れぬ爆発力。
今回初めましてだったけど、もっと色んな役を観てみたい!かっこよかった。

余談だけど、自分はまだ若い気でいた。
高校生とならまだ普通に話も合うと思っていた。

しかし一恋ちゃんや凜ちゃんと話している自分は、
なんとかJKと仲良くなろうと必死だった。
話している時、客観的に自分を見てしまって、

……あれ、なんか、俺クソリプおじさんみたいになってる……?

いやーひとつ大人になったよ。
20代後半に差し掛かった。
とうとう俺も、高校生になんとか好かれようなんぞ思ってしまうようになったのか。

一恋チャン💕😘❗
沢山、鼻👃で笑って😆😆くれて、おじさん、嬉しかったよ😱💦
今、思い返しても🐸、笑いが止まらないヨ‼️
また、一恋チャンに、👃で笑って🤣欲しいナー😘😍💓ナンチャッテ
おじさん、大人の、階段👨✨登っちゃった、ネ🤔😜⁉️
一恋チャンは、シンデレラさ👸👑👠✨

はあ…。大人に〜………なっちゃったぁ〜………

撮影: 佑木瞬

竹内凜

凜ちゃんは逆にとても微妙な所にいた。
人間らしさってどこにあるんだろう。
自分らしさってどこにあるんだろう。

外↔中
表舞台↔暮らし

ずっと思い続けてきたのは
『一度ステージ上がっちゃったらもう終わり』
二度とステージに上がらない無い人生には戻れなくなる気がする。
それこそステージからは少し離れたところで暮らしていたけれど、どうせまたステージに立つだろうとは思っていたし、あの景色は忘れなかった。忘れられなかった。

生きていても自分が輝ける瞬間はそんなに多くない。
でも、照明は物理的に自分を照らしてくれていて…なんて。

きっとどちらも自分だし、ソッチの方はなくても生きて行けるのかもしれない。もっと大事なことがあるんじゃないのと言われるとなんとも返答には困る。

そんな困り事みたいなものをあの少女は全てステージ上に持っていってくれた。
僕らはとても複雑で微妙な所で生きている。
『或る男の歌』の一番センシティブかつ重要な部分を、彼女は狂おしいほどの存在をもって証明してくれた。

多分正解はない。だけど、これでいいんだ。
と、そう思える。

撮影: 佑木瞬

田中エリ

楽屋でかなり深いお話をたくさん…
正直ここに書くべきでは無いような、人生のお話もたくさん聞かせてくださって、たくさん聞いてくださった。

話すことで自分を見つめ直すってのはよく言うけど、
多分それは相手にもよるわ。

俺みたいな浅くて薄っぺれぇ人間はさ、たぶん聞き手になってもなんか結局それっぽい事しか言えないと思うの。話し手からしたらまあ、うん、聞いてはくれたけど的な。

人によっては、って言っちゃうとすげえ失礼かもしれないけど、話しているうちに話し手の心が纏まってくみたいな聞き手がいるんだなあと。

なんだろうな
すごく言葉にするのは難しいから長くなるんだけど。
言葉一つ一つの重みとか説得力とかも違うしね。
心にいっぱい富みたいなものがある感じ。
色んなものを見てきた経験だったり感受性からくるものだったりなんだか俺ごときにはわかんない色々がきっとあるんだろうけど、なんかハートがとても豊かな感じ。

あのお母さんの一言一言がグサグサくるのはそういうことなんだろうと思う。
見せびらかさない。あえて見せびらかすことはしないんだけど、そこにちゃんとある根拠。
なんでもない言葉が一瞬で空気を変えて、
(うわ、この光景をスクショしたい)と、
ちゃんと受け止めて、ちゃんと覚えておきたいと、思った。

撮影: 佑木瞬

柳木斎希

柳木さんと居ると自然と胸騒ぎが落ち着く。

感情がとても忙しかったこの公演は、時に牙を剥いてきて、抜け出せなさそうな沼が目の前まで来ている瞬間がたくさんあった。

そんなときは柳木さんのとこに行く。
とりあえず近くに寄る。

大抵あっさりした顔をしていらっしゃる。

すごく熱苦しい。

なんだか嬉しい。

落ち着く。

柳木さんの上皮はいつもチリチリと焚けていて
ぐるりの気体が痺れるほど熱い。

いらいらして寝た次の日
朦朧がなにかも怪しいまま朝刊を引っこ抜き
細切れに息を吐きながらぽち、と点けたストフで
物足りない臀を焦がしている。

の時と全く同じ体感だ。

撮影: 佑木瞬

金谷藍子

たった一言。
何の変哲もない一言。
耳に入ってきた瞬間に
ぐっと目を奪われた。

その後どんな話をしていても
あのシーンだけがパラレルワールドみたいに映っていて
思い出しては震えた。

全てが終わったあと一緒に食べたコロッケとメンチカツとキャベツ
恐ろしく美味かった。

記憶だって消え物か?
後々美化してしまうのだってある意味消耗なのか?
では実際に残っているこれはなんだ。
恒久的ではない。ものもある。
そうではないものもある。のか?

異世界転生か?
俺じゃない俺か?

石は丸くなっても石だな。
隣の石とどう違うのかはさっぱりわからないが
どっちも独特な石だな。

ここまで捏ねくり回してしまうそんな一言とは。

味の確認か
はたまた人違いの挨拶か。

撮影: 佑木瞬

佐藤昭洋

生まれた時期が違うだけの同一人物です。

写真とか見ても、笑いが止まりません。
佐藤さんだけ歳を取らないで欲しい。
追いつきたい。
いっそ双子になりたい。

とはいえ、佐藤さんという存在は
『自分はこのまま歳をとっていい!』
と思ってしまう危険な存在だ。
これに関しては佐藤さんも俺も悪くない。
「そっくり」だ「親子」だと騒ぐ周りが全部悪いんだ!!!(責任転嫁)
悪いんだからな!!!!!!(現実逃避)
なーーーー!!!!!!!!(自己防衛)

いつか自分がくたばる時に
俺が俺の成れの果てだ
と思えたら最高の人生だろうな。
うし、ひとつ将来の夢ができたど。

俺が俺の道を外れないように
多分これから佐藤さんがたくさん道案内してくれるから、大丈夫だと思う。てへ。
佐藤さん、よろしくお願いします♥️♥️♥️

次お会いするときは、ぜひ僕の指を引っ張ってください…………デカいの溜めときます。

撮影: 金谷藍子

髙橋舞

もともと『キャベツ』という曲が好きだ。
だから楽しみで楽しみで仕方なかった。

今回初めて会ってから、場当たりまで観た感じは
めちゃくちゃ律儀で、真面目で、一生懸命で。

キャベツ越しで髙橋舞という人間にとても惹かれた。
きっといいキャベツになるなと思った。

話すと意外にも普通の若者だった。安心した。
もっといいキャベツになるのが確定した。

今回、僕は彼を眺めていることしか出来なかった。
なんでもっとガツガツ話しかけなかったんだろうと後悔している。
ききたいことがたくさんある。知りたいことがたくさんある。
こう、公演中ではない感じで、油断して会話したい。
しかしながら
Twitterの投稿を見ると彼は今LINEの塩梅があんまりよろしくないみたいだから………

あと僕はあんまり誘うのが苦手だから………

お誘いお待ちしてます…………………………

撮影: 佑木瞬

櫻井綾香

私が舞台上で着る衣装はいつでもほとんど同じ。

・黒いスーツジャケット
・白いオックスフォードボタンダウンシャツ
・黒いネクタイ
・黒いスキニー

よく、喪服スタイルと言われる。
気づいたらこのスタイルになっていたんだけど…
まあこれに着替えると、スイッチ入るーじゃないけど、なんかこう、モードが切り替わる感じがまあなんとなくあるようなないようななんかそんな気がするようなしないような…わけです。

んで、楽屋でね、なんかちょっとスイッチ入ったような気がまたしたんですよ。
その直前に目の前を通った綾香さんが穿いていた衣装が、黒スキニーだったのね。

そう、人が穿いている黒スキニーでもスイッチ入るようになったらしいの。笑
なんかね、やる気出たのさ。不思議だけど。

お話きいたら
ユニクロのレディースのスキニー。
私が穿いているのは
ユニクロのレディースのスキニー。

おんなじだっけや!!!
そら気合い入るわな。

やばい、衣装の話しかしてねぇ。
ユニクロのスキニーの話はまた今度。

でね、今回初めて「虎」の皆さんとご一緒させてもらって思ったんだけども
舞台上以外の部分にも全力だったんだ。
なんか岡田斗司夫さんみたいな口調だけど気にしないで。あと「虎」の人以外サボってたとかではない。サボってたのはハラタm(ry
それ見て、なんだろうな、恥ずかしくなったんだ。
仕込みバラシもそうだし、パンフ折りこんだりさ。
俺なんてなにやったらいいかあたふたしているのにだ、衣装のままキビキビテキパキ率先して動いている。その姿がものすごくかっこよかった。
もちろん舞台上でもバチクソかっこいいんだけど。

衣装着たらスイッチどうのって言ってるんだけど、それと同時にきっと切れちゃうスイッチもあって。
周り見えなくなっちゃいがちなんだけど、でも表現者である前に1人の人間としてやるべき事しっかりやらなきゃって背筋が伸びた。

撮影: 佑木瞬

素敵なお写真がたくさんなので、貼っつけてみました。
舞台上のお姿でない方も、お顔が全然写っていない方もいらっしゃいます。その方のお写真で一番私が好きなというかぶっ刺さるものを選んでおりますのでどうかご容赦ください。

つづく。

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