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【悲報】忖度しすぎでハラスメント対策が進まない

ハラスメント対策の研修をしている私が言うのも何なのですが、ハラスメント対策研修って、そんなに難しいことを言ってないのですよね。

今はハラスメントの中でも【パワハラ】対策研修のご依頼を多くいただきます。
巷にあふれる動画研修や、無料セミナーをご覧になった方はお分かりかもしれませんが、ほとんどが「パワハラの定義」や「6類型」を説明し、パワハラにならない言葉遣いなどのテクニックを教えるものです。

このような基本のパワハラ研修であれば、人前で話すことが苦手でなければ、人事や労務の方がお話することができます。このボリューム感であれば1時間もあれば十分ではないでしょうか。

でもほとんどの企業は自前でやりません。できないからです。

パワハラの6類型を見てみましょう。
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①身体的な攻撃(例:殴る、蹴る)
②精神的な攻撃(例:人格否定、つるし上げ)
③人間関係からの切り離し(例:仲間外れ、隔離)
④過大な要求(例:実力に比して難しすぎる・多すぎる仕事を振る)
⑤過小な要求(例:実力に比して簡単すぎる・少なすぎる仕事を振る)
⑥個の侵害(例:プライベートにむやみに踏み込む・個人的な秘密をばらす)
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パワハラ研修は管理職向けに行うことが多いものです。
これまでは法律がなかったので、上記のようなパワハラは(悪気がないものも含めて)多かれ少なかれ職場でありました。

管理職へ社内の人間が「今後このようなことをしないように!」など言いにくいものです。

仮に営業部長や役員が
②の精神的な攻撃に対して「強く言わないと分からないだろ!」
⑥の個の侵害に対して「そうはいってもコミュニケーション上必要だ」
と言ったときに
担当者が強い口調で返せるとは思えません…。

だからこそ、基礎的な内容であっても、冷静にパワハラがいけない理由を説明ができる第三者が言う必要があります。

※当協会やプロで活躍しているハラスメント対策講師の皆さんの名誉のために補足しますが、お金を頂いて行っている研修で上記のような基礎だけ伝えて終わることはございません。
当方では経営へのインパクトを数字で示したり、裁判例を用いて説明をしたり、懲罰規定と合わせた説明をしたり様々な角度でお伝えしています。

話は少し大きくなりますが、日本は世界でもパワハラが多い国です。
上司や同僚からハラスメントを受けた人の割合(国際比較調査2015より)
において、日本は、ワースト3位です。
アメリカやスペイン、イギリス、フランスなど先進国内でも悪い状況です。

また、2021年6月に、職場でのセクハラやパワハラなどハラスメント行為を禁じる初めての国際労働機関(ILO)条約が発効しました。
ハラスメント根絶に向けて国際社会が動きだしたということです。
なんと、この条項を日本は批准していません

東京新聞2021年6月28日
ハラスメント禁止条約発効も、日本は批准への動き鈍く…経済界への配慮か
https://www.tokyo-np.co.jp/article/113162

画像2

※上記図は東京新聞記事より筆者作成

世界がハラスメントの根絶に向けて動いている中、日本が消極的な理由として経済界への忖度があると言われています。
法律で罰則を設けてしまえば、訴訟が増えたり、従業員が上長の指示に従わなくなるなど問題も出てくるでしょう。

私の個人的な意見ですが、明確な罰則を設けたほうが問題は大きくならないのではないかと思います。
明確な罰則があれば、そもそもやらないでしょう。
また、罰則がないため被害者がSNSで実態を拡散し、加害者が特定され、加害者家族の学校や勤務先まで特定され過剰な社会的制裁に発展することも考えられます。

忖度して良いことはないと思うのです。

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