承認とモチベーション
「私、褒められて伸びるタイプなんです」という若手社員に
「なにを甘えたことを言っているんだ!」という上司がいるかもしれませんが、その上司にこそ「何言ってるの?」と伝えたい。
褒めずに厳しく接することを是とする上司に対し
「それでは、今後あなたに厳しく接しますので、今までより高い成果を挙げてください」
と言ったら多くの場合、反発をするのではと思います。
人のやる気(モチベーション)を引き出すには、承認することが大切です。
モチベーションは、半世紀以上前から研究されています。
中でも古いものは「ホーソン実験」。
詳しくはカオナビさんの記事 ↑ に書かれています。
有名なのは「作業場の証明を明るくすると生産性が上がるか、
暗くすると生産性が下がるか」の実験です。
結果、明るさと生産性は関係なかったのですが、暗い作業場(ちょっと環境が悪い)中でも生産性が下がらなかったことに、疑問が起こります。
この実験は、工場で選抜された社員にて行われ当時関係各所の注目が高かったと言われています。
注目されていることでやる気になり、作業がはかどったと考えられています。
これは100年前の実験です。1世紀も前に注目される、期待されることがモチベーションUP、生産性向上につながるとわかっているわけです。
リーダーシップ・スタイルの研究でも、ミシガン大学、九州大学、オハイオ州立大学マネジリアル・グリッド集団力学研究所の複数の調査でも同じように人間関係志向が高い方が業績が高いことが分かっています。
ここでいう人間関係志向が高いというのは、達成できたことを評価し、自己有能感の向上、達成欲求の充足、自己効力感に良い影響を与えることです。
このように承認すること(注目されたり、達成を評価すること)が良い影響を与えるとわかっているのに部下をうまく褒められない上司がどうして多いのか。
それは日本の文化にあると考えられます。
承認とモチベーションを研究している同志社大学教授の太田肇先生の著書「承認とモチベーション」(同文館出版,2011)には下記のような内容がある。
承認がモチベーションを上げ生産性を上げることに有効であるにもかかわらず、日本特有の「文化」や「雰囲気」がそれを邪魔していることが分かります。
ただし承認には5つの効果があることも太田先生は述べられています。
1.組織のパフォーマンス向上
2.モチベーションアップ
3.離職の抑制
4.メンタルヘルスの向上
5.不祥事の抑制
1~4はイメージが付くと思いますが「不祥事の抑制」はピンとこないかもしれません。
心理学者の岡本浩一先生・今野裕之先生の「組織健全化のための社会心理学―違反・事故・不祥事を防ぐ社会技術 (組織の社会技術1)」(新曜社,2006)では、職務的自尊心が組織的な違反や個人的な違反と逆相関をもち、職務的自尊心が高い人ほど違反しにくいことを明らかにしています。
つまり、この先行研究より、承認に深く関係する「つまり自分の仕事が人の役に立っている」「自分の仕事が人に喜んでもらえる」「自分の仕事が社会的に役立っているなど強く感じている」人ほど、下劣な行動をしないことが分かっています。
世の管理職の皆さん、先輩の皆さん。
文化といえど良くないところはマネしなくて良いと思います。部下や後輩を褒めてやる気を出させましょう。そして生産性高く活躍してもらいましょう。
巡って自分自身の生産性も向上します。
はたらくは「傍(はた)を楽にする」とも言います。
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