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混合診療とは?

医療機関で働いていると、「混合診療」という単語を耳にしたことがあると思います。

また、「混合診療は禁止」「混合診療をすると全額自費になる」等も言われているのではないで しょうか。なんとなく理解しているが、漠然としている。そんな方もいらっしゃると思います。今回 は、そんな混合診療についてお話させていただきます。

まず混合診療とは何か。

◇混合診療 = 保険診療 + 保険外診療
※併用は原則禁止!

保険診療は文字どおり、健康保険等の公的医療保険が適応される診療行為です。 レセプト請求ができるものとお考え下さい。 保険外診療(自由診療)は公的医療保険が適用されず自費請求となるものです。 健康診断や美容外科等になります。併用した場合は全体が自由診療の扱いとなります。

厚生省の考えでは、混合診療を制限しないことで
「保険診療により一定の自己負担額において必要な医療が提供されるにもかかわらず、患者に対して保険外負担を求めることが一般化する」
「安全性、有効性等が確認されていない医療が併用実施される」
とし、患者の負担が不当に拡大し、科学的根拠のない特殊な医療の実施が助長するおそれがあるとしています。

本来であれば国民皆保険制度により、自己負担金額を支払うことで平等に必要な医療が受けられるはずが、混合診療が横行することで個人の所得により提供される医療が不平等になる。また、 海外では承認されている医療行為でも、安全性、有効性等が未確認の医療を保険診療と併せて行うことで効き目のない医療が広まり、重大な健康被害等が拡大するおそれがある。とされます。

ですが、例外として評価療養と選定療養は併用が認められています。

◇保険診療 + 評価療養または選定療養 = 併用OK!

◆評価療養・・・保険導入の為の評価を行うもの
・先進医療
・医薬品、医療機器、再生医療等製品の治験に係る診療
・薬事法承認後保険収載前の医薬品、医療機器、再生医療等製品の使用
・薬価基準収載医薬品の適応外使用(変更承認申請がされたもの)
・保険適用医療機器、再生医療等製品の適応外使用(変更承認申請がされたもの)

◆選定療養・・・保険導入を前提としないもの
・特別の療養環境(差額ベッド)
・予約診療
・時間外診療
・大病院の初再診
・制限回数を超える医療行為
・180日以上の入院 他

これらは保険診療と併用することが可能です。実施する場合は保険外併用療養費の届出が必要になります。

では健康診断や予防接種の扱いはどうなるのか。結論から言うと同日に行うことは可能です。これは「療養の給付と直接関係ないサービス等」に該当するためです。

このあたりのお話は、また次回させていただきます。

何か、日常業務で疑問に思ったことなどありましたら、是非ご相談ください!


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