私の社会人1年目
私は今でこそ仕事を猛烈に頑張るタイプですが、30代前半までは、ワークライフバランス重視派でした。だから新卒で入った会社も特段やりたいことがないけどなんとなく入った会社でした。今思うと、会社に対して大変失礼な話ですね…。
一応言い訳すると、私は父が早くに亡くなっていて、自分の家族を持つことが人生の第一優先だったんです。だから、仕事に関する優先度は若い頃高くなかったというわけです。
そんな私の仕事に対する姿勢は、当然当時の会社側にもそこは見透かされていたと思います。同期の事務の子がいたのですが、同期の子は経理担当になり私は総務やその他諸々のお仕事という感じでした。同期の経理の子は、入社早々たくさん注意されていたけど、責任ある仕事をしている感じがしていて眩しかった。比べて私は、書類の整理や契約書の処理など、雑用ばかりな感じがした。
私も、もっと重要な仕事を任されたい。
同期の子に対して、嫉妬心と劣等感を抱いていたんだと思います。特にやりたいこともないくせに、たいして何もできないくせに…、と今の私なら思う。でもやっぱり、ないものねだりをするし、隣の芝生は青く見えてしまうのが人なんだとも思う。
当時の私はというと、その雑務ですら雑で、書類綴じる場所を間違えたり、ハンコ押し間違えたり、中身が入ってないまま郵便物を送ったり。いわゆる凡ミスを連発していた時期がありました。ある日、見かねて先輩から言われたことが今でも心に残っています。
「書類綴じるのも、ハンコ押すのもただ事務的にやるだけなのと、うちの会社はこんな契約をするんだって思いながらやるのとでは全然違う。〜さん(同期)は、現金精算してる時電話取れない分、あなたの方が電話とる機会が多い。だったら取引先、社員の名前を早く覚えるだけでも電話の対応上手になるチャンスがあるんじゃない?
あなたの名前をみんなに覚えてもらったら、何か仕事を頼まれるかもしれない。仕事はそういう人のところに来るよ。私から言われたことやり終わったって言うけど、まだまだできることは山ほどあるんじゃない?
事務って小さい仕事が多くて、その信頼が積み重なっていろいろ頼まれることが多いから、小さな仕事を楽しめないなら、この先何やっても面白くないと思うよ」
心にグサグサと矢がささりました。でも、その通りやなと思った。仕事に対する考え方を根本的に変えようと思った。
当時の私は100名にも満たない社員の名前すら覚えてなかった。「お世話になっております」って、間違えて社内の人に言ってしまっているときもあった。新人の間違いとはいえ、そのような対応をする人と、ちゃんと顔と名前を覚える努力をしてる人なら、どっちに仕事を頼みたいか? 答えは明らかですよね。
社員証のデータを見て全員の顔と名前、出向先を覚えるようにした。私が名前をちゃんと覚えて話しかけるようになったら、電話越しの向こうの対応も柔らかくなったし、話かけてもらえる回数が増えた。次第に小さな仕事を頼まれることが増えた。そしたら仕事が楽しくなってきた。
頼られたい、責任ある仕事をしたいと思うなら、まずはどんなに小さくても目の前の仕事を精一杯こなすこと。仕事の面白さは自分で見つけること。仕事を面白くするヒントは目の前にあるんだから見逃さないこと。あとは今自分に出来ることはないか?を常に問い続けて実行する。
そのきっかけを社会人1年目で教えてもらえました。とはいえ、当時はちゃんと落ち込んで凹みました。でも今になって思えば本当にありがたい。言う側だってしんどいですからね。私はいい先輩に若いうちにそれを教えてもらってラッキーだったと思います。
誰にでもあるけど、二度はない社会人1年目。
情けなく恥ずかしいけれど、失敗と反省の数だけ成長するのだと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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