見出し画像

内水面漁業関係メモ (FB過去記事)

漁業法に定められた増殖義務って何だろう?と思い少し調べものしていたところ,ネットでは表面的な記載が多く,きちんと増殖義務のよって立つ理念を明文化しているものはなかなか見つけられない.

ChatGPT4.0は,内水面漁業における増殖義務についてこう言っている.(信憑性はチェックしていない)

『日本の漁業法に基づく「増殖義務」とは、漁業権を持つ者が魚介類の資源を保護・増やすために義務づけられている措置を指します。この義務は、持続可能な漁業と生態系の健全な維持を目指しています。
具体的には、漁業権者は、その漁業権が及ぶ水域内の魚介類の資源を増加させるために必要な施設を設置したり、環境を整備したりすることが求められます。例えば、稚魚を放流することや、産卵場の保護、海草床の復元などが含まれます。
このような増殖義務は、資源の枯渇を防ぎ、漁業が長期にわたって持続可能であることを確保するための重要な法的措置となっています。これにより、漁業権を有する者は、単に漁獲を行うだけでなく、資源管理にも積極的に関与することが求められるわけです。』

実質的に再生産に寄与しないような放流も行われているが,これは増殖義務といえるのだろうか.理念と実態がかけはなれているような気がして,結局なんだかわからなかった(皮肉です).

一方,平成26年につくられた「内水面漁業の振興に関する法律」は,当時,シラスウナギ密漁対策の法律なのかと思っていたが,読み直すと第三節になかなかいいことが書いてある.メモ代わりにそのままコピペします.「国及び地方公共団体は…」から始まる努力義務が5つ並んでいる.

流域の水循環を整え,河川整備も含めた言及があるという点で,河川区域でしか戦えない河川法の「河川環境の整備と保全」よりも幅広い議論が可能なようだ.この法ができた経緯を知りたくなった.さらに10年たったことだし,拡大して複数省庁連携して流域環境保全法とか作ってくれないだろうか? (以下,関係条文をメモ)

内水面漁業の振興に関する法律


第三節 内水面における漁場環境の再生に関する施策
(内水面に係る水質の確保)
第十五条 国及び地方公共団体は、内水面水産資源の生育に資する水質の確保を図るため、下水道、浄化槽その他の排水処理施設の整備その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(内水面に係る水量の確保)
第十六条 国及び地方公共団体は、内水面における豊かな水量が内水面水産資源の保全及び栄養塩類の海への円滑な流入による海洋水産資源の保全に資することに鑑み、内水面における水量の確保を図るため、雨水を地下に浸透させる機能を有する施設の普及その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(森林の整備及び保全)
第十七条 国及び地方公共団体は、森林の有する水源の涵かん養の機能の発揮により良質な水の安定供給を確保する観点から、内水面水産資源の生育環境の保全及び改善に資するよう、森林の整備及び保全に努めるものとする。
(内水面水産資源の生育に資する施設の整備)
第十八条 国及び地方公共団体は、内水面水産資源の生育に資するため、魚道の整備及びその適切な維持管理、産卵場の造成その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(自然との共生及び環境との調和に配慮した河川整備の推進)
第十九条 国及び地方公共団体は、内水面水産資源の生育環境の改善その他内水面に係る生態系の保全に資するよう、自然との共生及び環境との調和に配慮した河川の整備を推進するよう努めるものとする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?