個人の革新行動の多次元的な構造:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は、個人の革新行動を多次元的に測定する論文です。
革新的行動についてはこちらもご笑覧ください~
今日の論文
Toward a Multi-Dimensional Measure of Individual Innovative Behavior
個人の革新行動を多次元的に測定する試み
Journal of Intellectual Capital, 2001年9月
Chris Street, Ronald Kleysen
サマリ
この研究は、個人の革新行動を測定するための多次元的な尺度を提案し、既存の概念の統合と行動ベースの視点を提供することを目的としている
革新行動の評価のための信頼性が高く有効なツールを開発することに焦点を当てている
方法
多次元的な視点を採用し、文献レビュー、概念フレームワークの構築、および信頼性と妥当性の検証を含む研究アプローチ
わかったこと:
個人の革新行動を構成する主要な概念の構造
5つの次元は相互に連携しており、革新行動の流れを構成する。各次元は独立して存在するのではなく、機会の探索から適用・実施まで、一連のプロセスとして進行し、組織の革新成果に寄与する。
Opportunity Exploration(機会探索)
新しいアイデアや可能性を発見する行動である。問題や課題を特定し、改善が可能な領域を探求することを目的としている
例: 市場の未開拓分野を探ることや、業務プロセスの非効率な部分を分析することが含まれるGenerativity(創造性)
機会を基に具体的なアイデアを生成する行動である。創造的な発想や革新的な解決策の提案が求められる
例: 新製品のアイデアを考えることや、新しい技術の応用法を提案することが挙げられるFormative Investigation(形成的調査)
アイデアを検証し、可能性を高めるために情報を収集する行動である。調査やプロトタイピングを通じて、アイデアの実現可能性を確認する
例: 顧客のニーズを調査することや、試作モデルをテストすることが含まれるChampioning(チャンピオン活動)
アイデアを組織内で推進し、支持を集める行動である。説得力を持ってアイデアの重要性を伝え、協力を得ることが重要である
例: 経営層に新しいプロジェクトを提案することや、同僚の協力を得ることが例として挙げられるApplication(適用・実施)
アイデアを実際に導入し、成果を上げる行動である。計画を実行可能な形にまとめ、実施後の効果を測定する
例: 新製品を市場に投入することや、業務改善策を導入することが含まれる
論文から得た学び
過去の研究が個別的な行動や成果のみに焦点を当てていたのに対し、本研究は行動全体を包括的に測定する多次元的なフレームワークを提供しています。異なる文化的背景における一般化可能性には限界がある一方で、一連のプロセスとして進行するという考え方は、介入当で応用できそうです。