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変革型リーダーシップとチームパフォーマンス:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回は変革型リーダーシップとチームパフォーマンスに関する研究です。

この論文では変革型リーダーシップがいかにチームメンバーの結束性や効力感を高め、それがチームパフォーマンスに寄与するかを調査されています。

今日の論文

Three Sets of Mediators between Transformational Leadership and Team Performance
変革型リーダーシップとチームパフォーマンスの間の媒介要因の三つのセット
University of Twente, 2018年4月
Haider Muhammad Abdul Sahib

サマリ

  • 本研究は変革型リーダーシップとチームパフォーマンスの関係を探求

  • 特に、チーム結束性、効力感、エンパワーメント、目標の明確性、信頼、知識共有という6つの媒介要因を明らかにする

  • イラク教育部門で2つの大規模データセットを用いて、16の仮説を検証

  • 変革型リーダーシップが直接的および間接的に高いチームパフォーマンスを促進することを示す

方法

  • イラクの大学および学校から収集したデータを用いた調査研究

  • サンプルは、177の大学部門と138の学校チームを含む2つのデータセットで構成される

  • アンケート調査を通じてリーダーシップ、チーム特性、およびパフォーマンスを測定

わかったこと:
変革型リーダーシップがチームパフォーマンスを高めるプロセスを6つのメカニズム

  • 変革型リーダーシップの直接効果

    • 変革型リーダーシップは、チームパフォーマンスに直接的かつ有意な正の影響を与えることが確認された

  • チームメカニズムの媒介効果

    • チーム結束性、チーム効力感、エンパワーメント、目標の明確性、信頼、知識共有という6つのチーム特性が、変革型リーダーシップとチームパフォーマンスの間の媒介要因として機能することが示された

  • 三重媒介モデルの検証(Figure 2, 3)

    • 研究1では、エンパワーメント → 目標の明確性 → パフォーマンスという三重媒介が確認された

    • 研究2では、結束性 → 効力感 → パフォーマンスという三重媒介モデルが支持された

  • チーム特性の詳細な関連性

    • チーム結束性は、変革型リーダーシップにより強化され、それがさらに効力感やパフォーマンスの向上に寄与した

    • チーム効力感は、チームメンバー間の協力と課題達成の信念を高め、最終的にパフォーマンスを向上させた

    • エンパワーメントは、リーダーの支援を通じてメンバーの目標の明確化を促進し、チーム全体の効率性を高めた

  • データの一貫性

    • 2つの独立したデータセット(大学の学術・非学術部門および学校チーム)で同様の結果が得られたことから、結果の一貫性と汎用性が示唆された

  • モデルの適合度

    • 両研究ともモデル適合度が良好であり(CFI ≈ 0.92, RMSEA ≈ 0.06)、仮説モデルの妥当性が支持された

  • 実践的示唆

    • リーダーシップ開発プログラムにおいて、変革型リーダーシップスキルの強化が、チーム特性を介してパフォーマンスを向上させる重要な要因となることが示された

  • 限界と将来の方向性

    • 横断的研究であるため、因果関係を検証するにはさらなる縦断的研究が必要である

    • 他の文化や産業における検証が求められる

論文から得た学びと活用場面

変革型リーダーシップは、チームの結束性と効力感を通じて間接的に高いパフォーマンスを促進することがわかりました。変革型リーダーシップを活用してチームパフォーマンスを向上させるための戦略的洞察を提供しています。

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