老後資金の確保のために山賊になる算段についての記事
老後資金が4,000万円必要だという記事を見た。
まず、このままだと間違いなく、足りない。というか正直4,000万円という天文学的な数字はギャグのようにも感じる。小学生の頃の文集で将来の夢は「うめぼし」と書いたガキの頃の自分でも失笑するような、バカの数字である。
今のまま、普通に勤め人をしていても確実に貯まらないと思う。なんせ私には貯蓄の才能がなく、その代わりに散財の才能を遺憾なく発揮しており、これは自分では”ギフテッド”だと思っているが、いや言っている場合ではないが、とにかくお金なんてものは全く無いのである。
そこで考えたのだが、山賊になるというのはどうだろうか?
偶然にも、今我が国ニッポンでは”頂き女子”なるものが流行っている。これは若い女性がおぢ(カモとなる中年男性の意)の恋愛感情をそそのかす事で金銭を巻き上げる手法を用いる女性の呼称である。(ややこしい)
また、1990年代後半にはナイキのエアマックスというスニーカーが爆発的に流行り、生産が追い付かず、エアマックスを履いている人間を襲撃し、スニーカーを奪う”エアマックス狩り”なるものも流行っていたらしい。
つまり、手元になければ奪い取るという手法は昨今、その方法や対象は変わりながらもずっとそこにあるのだ。
ちなみに海賊も一瞬考えたが、私はカナヅチのため早々に候補から外した。
とりあえず山賊になることは決まったが、まずは拠点を決めなければならない。山で襲撃をするということなので、ある程度は人気がある山がいいが、あまりにガチすぎる山だと襲撃の前に自分が昇天してしまう可能性もある。
私は高尾山しか登ったことがない初心者さんなので、優しめの山を選びたいところだ。
「山 関東 初心者」でGoogle先生に聞いてみたらまずヒットするのが御岳山という山だった。東京都青梅市にあり、標高929m。ちなみに高尾山の標高は599mなので、初心者向けといえど私にとっては手強い高い山である。
早速グーグルマップで検索してみた。仲良さげに連れ立つ登山客イキの良いカモがたくさんいるではないか。
休日に友人と談笑しながら楽しく山に登る。あるいは、すでに仕事は辞めて、人生の余暇を満喫しているのかもしれない。ひとりの時間を贅沢に味わう人もいるかもしれない。
傾斜を登り山頂に辿り着く頃には程よい疲労感に包まれていて、美しい景色を眺めながら昼食をとる。
ずいぶんと遠くまで来たのだとふと感慨深くなる。ひとつひとつの家がまるでミニチュアのようだ。あのひとつひとつに人が住んでいて、営みがあると思うと不思議な気持ちになる。
そのような、余暇を楽しむ善良な人々を襲い、金品を強奪することについて考えてみた。
結果、山賊になるのはやめ、
いろり山賊でアルバイトをすることにした。