病院であった『着信あり』
皆さんは『着信アリ』という映画を見たことがありますか?
当時はガラパゴス携帯の時代で、着メロという今のiPhoneでいう、着信アラームが有料DLで配信されており、できごころで有名な着信アリに出てくる着信音を設定してしまったことから起きた恐怖体験です。
僕は幼い頃から体が弱く、
この日も検査入院をしていました。
着信アリのメロディは、入院する前にDLしていたもので、特に気にしていませんでした。
病院は、生まれた頃からずっと住まいのような場所で。
周りから聞くホラーな話も、科学的な証明ができるし、人間の脳の錯覚が起こした現象だと、当時の僕は信じていませんでした。
~♪
なんの前触れもなく携帯からあのメロディが鳴りました。
最初は、なにかのアラームに設定したのかなと思っていましたが
そして、携帯には
「着信あり」
ちなみに携帯の機種はauのニシキゴイです。
決定ボタンを押すと、着信履歴には『着信あり』
電話番号などは記載されませんでしたし
誰かと繋がるわけでもなく、声が聞こえるわけでもありません。
幸い、看護婦もいますし、もちろん僕の命には別状ありません。
びっくりしたものの、僕は電源を切りました。
ところがです。
また鳴り出しました。
なんと起動して鳴りだしたのです。
そして、「着信あり」
当時、まだ勝手に起動するなんてモードはなかったはずですし、鳴った後にその画面が表示されるとかありえないはずです。
僕はさすがに怖くなってきました。
再びまた電源を切りました。
この時バッテリーを抜いたかは覚えていません。
ただ、また起動して鳴りだしたのです。
僕はさすがに怯えました。
映画のように、自分の自殺する声などは聞こえて来ませんでしたが、現象に科学的な説明が付かないのです。
僕は泣きながら、当時病棟で友達になった病室へと逃げていきました。
友達がものすごく驚いていたのを覚えています。
そのくらい僕は、泣きじゃくって恐怖に慄いていたのです。
死ぬのは構わないけど、首がへし折れて死ぬのは嫌だと震えていました。
その後のことは覚えていません。
そして、あのメロディですが…
消すと呪われそうで不安だったため、当時僕がハマっていた家庭教師ヒットマンのキャラの名前を借りてそのタイトルを『骸のテーマ』に変更しました。
それからというものあのメロディが鳴ることはありません。
時は移い、機種変に機種変を重ねiPhoneになった僕ですが、あのメロディがある携帯は今も実家に残っているのです。
『骸のテーマ』
と改名されて。