耳硬化症術後 3週目
右耳の耳硬化症のあぶみ骨再建手術を受けてから3週間たった。
診察があり中に詰まっているガーゼを全部抜いてもらって聴力検査をした。
写真の濃い赤線が術後、薄い赤線が術前結果
術後の耳の中はきちんと乾いて綺麗になっているとのこと。
聴力の方は低音部分を中心に20dbくらいの改善がありよくなっていた。
特に1000hzあたりは左耳と同じくらいの聴力になっていた。2000hz以上の帯域はもう少し時間がかかるのか少し下がっている。
とりあえず、聴力の改善は見られたので全く意味のない手術ではないということで心が保てた。医学的には正しい診断である。
ガーゼが耳に詰まっていてあまり聞こえが良くなったようには感じられなかったので一安心だ。
ただ術後の後遺症であくびをしたときや息を大きく吸い込んだ時に起こる内耳を叩くような感覚は続いていてこれが非常にしんどい。
筋肉の微妙な動きで耳の中が干渉しあっているような感覚があり寝ていても起きるので覚醒してしまう。左耳につまり感があるのでつい耳を押したりしてしまうのだが、その圧力が右耳にも伝わって頭が振られてしまう。
あとは音がダイレクトに入っている感じが逆にしんどい。子供が元気にはしゃいでいる声が耳に響いてしまい悲しくなる。
駅のホームの放送や車内案内もスピーカーの位置によってはかなり響くし電車自体の轟音も音圧がそのまま入ってくる。
先週バンドのスタジオに入った時も、音のエネルギーが直に伝わってきてビリビリと耳の中が震えているのがわかった。自分の声も少し大きな声を出そうとするとビリビリと響く。あぶみ骨は大きな音から内耳を守ろうとする役割もあるようなのでそのリミッターが外れてしまったのか、大きな音に対してのしんどさがある。
正直この1週間は手術をしてしまったことに対して後悔をしていた。聞こえには困っていなかったので、なんてことをたんだろう自分の大切な体の一部をを自分の判断で無くしてしまったことに対する罪の意識のようなものも生まれた。
耳硬化症になったのも大きな音から自分の耳を守るためだったんじゃないか、意味のある体の反応だったんじゃないか、それを無理矢理こじ開けてしまったんじゃないかと思ってしまう。
もちろん聞こえに困っている人にはすごく有効な手術だろうし聞こえる喜びを感じ取れる方法だったのかもしれない。
ただこれが自分にとって本当に必要だったのか、そう思うと死ぬほど後悔してしまう。
ただもう元には戻らない、時間は巻き戻せない。今の耳とこの先ずっと付き合っていかなくてはいけない。少なくとも音が入ってきたことが救いだ。あとは何年もかけて慣れていくしかないのだろう。
耳鳴りも高い音がづっっと続いている。正直これには慣れてきたのかもしれない。
後は頭が揺さぶられる症状が緩和していくのを願うのみ
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