音楽夜話。トラップミュージック虎の巻その2: ハイハット編
最新のヒップホップの勉強をしようと思い、ベタなところで言えばDrakeとかケンドリック・ラマーとかを聞いていたのですが、
もともと80'sポップスをこよなく愛する原宿マエストロとしては、少しメロディに物足りなさを感じていた頃に出会ったのが中華系ヒップホップ。
これは本場アメリカのヒップホップよりメロディアスだぞ!と感じ、かなりハマりました。今でもハマっています。なかなかSpotifyでも自動でレコメンドされてくるジャンルじゃないと思うので、一度聞いてみると面白いと思います。
アメリカの流れを汲んで独自の進化を遂げている中華系ヒップホップ、違いはあれどやはり踏襲しているいくつかのお作法がありました。
それが、
細かいシンバルによるアクセント
一般的な4/4拍子の場合、一部のアクセントを除き、楽譜上の最小単位は16分音符です。例えば、かなり古い例になりますがN.W.Aの『Straight Outta Compton』なんかはハイハット(チキチキなっているシンバルの音です)が16分音符で刻まれていますので、文字に起こすと以下のようになります。
チキチキパンチキ チキチキパンチキ
しかし、トラップは違いますよ!
せっかくなのでN.W.Aと同じコンプトン出身のケンドリック・ラマーの『King's Dead』を紹介すると、無茶苦茶チキチキしています。32分音符、64分音符でハイハットを刻んでいます。音楽ジャンルの定義付けは実際かなり難しいのですが、この超高速ハイハットと、前回投稿した超低音ベースこそが、トラップの唯一無二の個性と言えるでしょう。
では、原宿マエストロの制作環境、Logic Pro Xでこれを早速再現してみましょう!
使用するのは『Note Repeater』という入力補助ツールで、
簡単に言うと連射コントーラーみたいなものです。ここに画像のようにリピート回数やリピート速度(ここが1/64であれば64連符)を設定することで、リアルタイムでは打ち込めない音符の入力が可能になります。
以下の画像ですと、ひとつの音符(ハイハットシンバルをアサインしています)に対して、64連符で3回発音されます。
この機能を上手く使えば、本来であればハイハットのオープン・クローズで表現していたリズムアクセントを、32連符で表現したりすることも可能で、表現の幅が一気に広がります。
Note Repeaterを用いたハイハット作りの参考文献は以下のYouTube解説動画となります。
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