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野球どアホウ未亡人

ポスターを一目見ただけで、こんなにも映画館に行きたくなった映画はない。アマプラやU-NEXTでレンタル配信をしているようであるが、配信で観たらきっと早送りしてくだらなさを堪能することは難しいだろう。自分にそう言い聞かせて、東京出張中をいいことに、仕事終わりに渋谷まで行ってきた。

タイトルといい、胸に「METS」のユニフォームといい、まさに「玉砕カミソリボール」の如く攻めすぎてギリギリのラインを超えてるタイトル。故水島新司先生サイドからはなにも言われていないのか心配になってしまう。

この映画は、タイトル成立させるようにストーリーを無理やり考え出したと思われるような内容でまさに出オチの勢いだけである。しかし、もう一度映画館で観たくなってしまうのは何故だろう。

公式サイトの紹介文に、「昭和のスポ根・野球漫画とポルノ映画のエッセンスをかけあわせて描いた、異色でカオスな野球映画。」という一文がまさに的を得ている。金子修介監督のデビュー作であり日活ロマンポルノのフォーマットで「テニスをねらえ」をインスパイアした迷作「濡れて打つ」に近いものを感じる。

子供の頃に、映画化された「野球狂の詩」を父に連れて行ってもらった事を思い出した。映画そのものではなく、私が布団に入った後に父が「あれは教育に悪かった。」と母に伝えていたことだ。併映が『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』だから無理もない。「どこに行ったの、ミミズちゃん」などと言いながら女性のスカートの中に顔を突っ込むようなシーンを小学生の息子と一緒に観れる勇気が私にはない。父の懐の広さを感じた。


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