介護士の独り言
私の職場には40代、50代のおばさま達がたくさんいる。みんな介護士である。とても真面目で一生懸命に仕事を毎日している。
この間、私が一日事務仕事の日でいそいそと書き物をしていると、はたと気づいたことがあった。
近くで、私に話しかけていると思って、「ふんふん」と相槌をうっていたのに顔を上げると彼女はすでに居なかった。え~っ。独り言??かなり大きな声で話していたが。
それから数日ちょっと、みんなを観察してみた。
かなり普通に会話してるかのような独り言、遠慮気味に話してる人、同意を得たくてでも、自分からは聞けなくて独り言のように言ってる人等々。
パターンはあるが、うちの職場のおばさま達は皆多かれ少なかれ独り言が多いように感じた。みんな自覚してるのかな?
かく言う私もその1人だった。
息子にテレビを見ているとき、夕飯の支度をしているとき、「なんて?」「何?」と聞き返されることがあった。
えっ。私なんか言ってたかい?うあー、独り言大きかったんだ。職場のみんなと一緒だな。こりゃこりゃ。と一人苦笑い。
自分は言ってない、違うと思っていたのにそうでなかった。あるあるです。
そもそも、独り言ってなんで増えるのかなー。歳をとると出やすくなる?老化現象?行動確認?口に出すと安心するとかもあるかもねー。あと仕事柄ってのも。
介護の仕事は忙しい。相手の気持ちや行動に合わせないといけない場面がたくさんある。相手は待ってくれないから。意思疎通が図れる方であれば、説明すれば、理解もでき慌てず対応もできる。しかし、各人の行動や生活ペースがありそれを長年の習慣で暮らしてきたものだから。なかなか難しい。
そんな職場環境でなるべくミスをしないように自分に課された仕事をこなすためには確認作業が必要。それが、独り言につながるのかなー。
もう一つは、相談したいけど面と向かって聞くほどのことではないけど、自信ないな。って時。この言葉拾ってもらえればラッキー、でも忙しそうだから聞くの悪いかなって気持ちからの独り言ってことも考えられる。
ちょっと調べてみた。
1.ストレスを解消しようとしている。
2.思考と精神統一している。
3.自分の仕事や状況をさり気なくアピールしている。
4精神疾患を抱えている場合もある。
1と2と3は職場のみんなの独り言の理由になりえると思う。意外と私の推測も当たっていたようだ。
中でも3は「承認欲求」とも言えるのではないだろうか。老人介護の現場は忙しく介護士は影の存在。ともすれば、国家資格者あるのに家政婦さんとも呼ばれたりする。皆優しく、はいはいと笑顔でトイレのお手伝いや移乗介助を行うのだ。仕事であれば当たり前ではあるけれど、介護士の存在を地位をもう少しだけでいいから社会的に経済的に認めてほしいと思う。
私の周りの働き者の愛すべき介護士達が日々笑顔でいられるよう、大きな、または小さな独り言をすくい取れるような場所であれるよう何かできればいいなと考ている。
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