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通信制高校に転校したいと思っている方へ


はじめに

私は高校2年生の2月から高校卒業までの時期を通信制高校で過ごしました。

在籍したのは1年間だけでしたが、卒業後もちょくちょく高校へ顔を出しに行っており、GW明けは夏休み明けに次いで転校してくる子が多いという風に聞いています。

今回の記事では、現時点で通信制高校への転校を検討している高校生及び保護者の方に向けて、転校する前に最低限覚えていてほしいことをまとめてみました。
参考になれば幸いです。

※この記事は、私が通信制高校に転校した当時のメモをもとに作成しました。
質問や不明点に関しては、実際に通信制高校の説明会や学校見学へ行って相談・確認することを推奨します。

通信制高校に転校する前に知っておきたいこと

高校を卒業する(高卒資格を得る)ための要件

・3年以上在籍すること
・74単位以上(必修科目を含む)修得すること
・特別活動30時間以上取得すること

全日、通信、定時制いずれの場合も、基本的にはこの条件は変わりません。

学年制と単位制の違い

通信制高校と全日制高校では単位修得に向けた学習のスタイルが異なります。

学年制:カリキュラムに沿って予め時間割が組まれている
▶ほとんどの全日制高校で導入されている単位修得方法

単位制:カリキュラムに沿って自分で時間割を組むことができる
▶通信制高校や定時制高校で導入されている単位修得方法

学年制は、各学校が定めた進級要件に沿って単位を履修していく学習スタイルのことです。
授業を規定回数以上欠席したり、定期試験の点数が悪かったりすると留年することがあります。

一方、単位制は各学校が定めた卒業要件に沿って単位を履修していく学習スタイルのことを指します。
仮に単位を修得できなかった教科があっても、次の学年に進級したときに改めて履修することができるので、留年にはなりません。

転入学と編入学の違い

転入学と編入学の違いは、通信制高校へ入学する前に在籍していた高校(以下、前籍校)を中退したかどうかです。

転入学:前籍校を辞めずに通信制高校へ籍を移す
▶いわゆる「転校」はこれに当てはまる。
履歴書に高校中退の記述をする必要がない。(A高校入学→B高校転入学→B高校卒業)

編入学:前籍校を退学してから通信制高校へ籍を移す
▶「再入学」という言葉が相応しい。
履歴書に高校を中途退学した旨を記述する必要がある。(A高校入学→A高校中途退学→B高校編入学→B高校卒業)

私は転入学の制度を利用して通信制高校に入学しました。
いずれの場合でも前籍校での在籍期間や単位数を引き継ぐことができます。

卒業時期が延びてしまうケースについて

先述したように多くの全日制高校は学年制を導入しているため、原則として前籍校で在籍していた期間分(1年なら1年分)の単位数しか引き継ぐことができません。

そのため、前籍校の在籍期間が1年に満たない場合(1年生の途中で退学をした場合)は、修得単位数が0単位となるため、編転入の時期によっては卒業時期が半年~1年延びることがあります。
また、休学期間は在籍期間には含まれないため、休学歴がある場合はその期間分だけ卒業時期が延びてしまうという点にも注意が必要です。

通信制高校を卒業した私がいま思うこと

別室登校、五月雨登校を経て不登校になった私が1番伝えたいことは、

気持ちの揺らぎが安定するまでは無理に学校へ行かなくてもいい

ということです。

私の経験上、

「学校へ行きたくない」「通信制に転校したい」
「この学校で卒業まで頑張りたい」「もう学校辞めちゃいたい」

と言った複雑な気持ちがゴチャゴチャと混在しているときは、冷静になって判断を下すことが難しいです。
そのため、そういった時期を乗り越えるためには、決断を急ぐのではなく決断できるタイミングを待つ、或いは強制的に作ってしまうことが重要だと感じました。

簡単に言うならば「学校を辞める」「学校を続ける」の2つの選択肢を選ぶにあたって、片方しか選べない、逃げ場のない状態を作ること。

私はいつまでたっても踏ん切りがつかない日々が続いたので、あえて単位が取れなくなるギリギリまで学校を休み、背水の陣の状態を作り上げた上でようやく通信制へ行く決断をすることができました。

通信制高校への転校は人生の分岐点にもあたるため、最終的な決断は人任せにせずに自分で行うことをお勧めします。

保護者の方におかれましても、くれぐれもお子様の決断を急かさず、ゆっくりと待っていてあげてください。

この記事を読んでくれた全ての方が、後悔の残らない納得のいく選択ができることを、いち通信制高校の卒業生として切に願っています。

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