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高島野十郎画集

いままでは画集と距離のある人生でしたが、戸嶋記念館や日本画家の友人の影響で手に取るようになりました。

人生の醍醐味のひとつにあるのは、新たな出会いです。しかも、いままでの趣味趣向とは180°異なる道に連れていかれる出会いです。

いま「高島野十郎画集」のページをめくっています。絵心のない自分でも「月/太陽」のなかにある「月」の奥深さは、しずかな夜の中に浮かぶ月に心臓の音が聞こえてしまいそうで痛いほどの静寂さを感じます。と思ったら次の瞬間に柔らかさとやさしい明かりに包み込まれる感覚になります。

高島野十郎は無名だったようですが、いや無名だからこそ、奥に潜む力強さと悲哀をかんじるのでしょうか。ページをめくる手を止めて見入ってしまいます。

生まれた時から散々に 染み込まれた思想や習慣を 洗い落とせば落とす程 実写は深くなる
高島野十郎