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Vol.17 「別に」が口癖 「ゆとり世代」の若者を育てる ②(2009/3/17)

前回の「カリスマの目線」では、ゆとり教育の果てに誕生した、生き方の態度や姿勢を教育されていない世代、「未学習」な状態の「ゆとり世代」の若者たちの特徴と、その背景について詳しくご説明しました。
今回は、この「未学習なゆとり世代」に若者たちへの「教育方法」について、お話したいと思います。
   
彼らは「知らない」だけで、悪気はありません。
「別に」と、公然の場でのインタビューで答えてしまったある女優さんも、正しい教育を受けていたら、あのような態度はとらなかったでしょう。
知らない人を頭ごなしに叱ったとしても、なぜ叱られたのか、その理由すら、理解できません。
    
原田メソッドでは、「価値観教育」で対応することができます。
まず、なぜ挨拶が大切なのか、挨拶の意味は何なのか、を相手が理解するまで丁寧に説明します。そして、指導にあたる上司が率先して挨拶のお手本を見せます。これを「率先垂範」と言います。
次に、部下、生徒に理想のあいさつに挑戦させます。
それに評価(いいところを褒める、間違いを指摘する)を行い挨拶の精度を高めます。
最後に仲間、職場の前で、再度理想の挨拶を実演させ、みんなで素晴らしい挨拶を「よく出来た」とほめます。
この挨拶は社内の見本となります。

このように時間がかかりますが、毎回毎回、丁寧に根気良く指導にあたります。1回できても、2回目にできていなければ、価値観教育、意味付け教育を再度行います。そして、やりきらせます。できたら、ほめます。
この作業を根気よく続けるのです。
これを「やり切り、やらせ切り」の指導といいます。
「なぜできないんだ」と、上司がさじを投げてはいけません。知らないからできないのです。だから、あなたが教えるのです。

教育の弊害が「未学習な状態の高学年化」を生んでいます。
小学校で身につけておくべき「あいさつ、礼儀」が、中学校でもできない。
中学生になれば、当然知っておくべき「集団での常識」が、高校生にならないと学べない。
大学では、アイポッドを聞き、携帯メールを平気で授業中に打つ。
そして、そのまま社会に出てしまう。
そして「ゆとり世代の若者たち」の、最終的な「教育責任者」は、企業ということになるのです。

前回もお話させていただきましたが、これからの企業の採用は、優秀な人材を待ち、選び、採用する、という考え方だけでは成り立ちません。
企業の社会的責任(CSR)の一環として、入社してきた若者を、たとえゆとり世代の新人類であれ、「優秀な人材に育て、社会に送り出し、活躍させる」という貢献の方法に真剣に取り組むべき時代が来ています。

ゆとり世代の若者、とひとくくりにしてしまうのではなく、「いかにもゆとり世代の若者らしい行動・発言・態度」が見られた時には、(たとえゆとり世代の若者でなかったとしても)、「あいつはダメだ」と切り捨てるのではなく、自分の子供、家族のつもりで丁寧に対応してください。「こんな当たり前のことができないのか」と自分の物差しで測らないことが重要です。
「なぜこんなことができないんだ」と考えてしまうと、そこでコミュニケーションは断絶してしまうからです。
できない原因を探すのではなく、あるべき姿(目標とする人物像)を示し、その目的を教育し、率先して実行し、自らが生き方モデルとなってください。

教育の力は偉大です。未学習の若者たちを救い、本来持っている個人の長所を生かせる可能性を大きくするもの、それが「教育」です。
今こそ、教育の力を正しく機能させましょう。
家庭で、学校で、地域で、企業で。それぞれの分野での正しい教育こそが、これからの日本の未来を切り拓いていくのです。
                                                                            (感謝・原田隆史)2009年3月17日発行

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