Vol.7 未来を切り拓く自立型人間とは③(2009/1/5)
「自立型人間」についてのお話も、いよいよ第3回、最終回です。
前回までは、自立型人間の特徴①・②と、その育成方法について、
「原田メソッド」を用いてご説明しました。
今回は、自立型人間の持つ5つの特徴の③~⑤について述べていきます。
自立型人間には、「5つの特徴」がありました。
①夢を描き、それを目標に変え、達成のための方法を考え最後までやりきる人。結果に対して被害者意識を持たない人。
②真面目・素直・本気・真剣・積極的・一生懸命で、心のコップが上向きの人。
③「心・技・体・生活」のバランスが取れている。健康・命・安全・家族を
自分で守る人。
④「意志の力」を持ち、仕事や目標に対して真剣に取り組み、結果を出す人。
⑤「愛の力」を持ち、人を助け、成果を分かち合い、人と仲良くできる人。
では、さっそく、③から見ていきましょう。
③「心・技・体・生活」のバランスを取り、健康・命・安全・家族を自分で
守るためには?
→「原田メソッド」では「日誌」と「ルーティンチェック表」を使います。「日誌」は「日記」ではありません。徒然にその日の気分や出来事を書いて
残すことも、もちろん価値があり大切なことですが「自立型人間」になるた
めには、毎日、自分自身を振り返り、自分自身への気付きを文字にして書き
残すことが大切です。
また今日の×を明日の○に変えるためにも、心を整理するための「日誌」を継続することが重要です。
「日誌」の様式はご自分に合ったものを選ばれると良いと思いますが、自立型人間を目指し、バランスのとれた生活を送るためには、次の項目が入っていることが大切です。
・時間軸に沿った一日の行動予定と実際の行動結果
・その日にやるべきこと(to doリスト)の箇条書き
・その日の自分の「○」の行動(成功のコツを集めていく)
・その日の「やり直したいこと」のリスト(×を○に変換するための意識付け)
・その日、自分に元気を与えたこと(元気のツボを満たすコレクション)
・その日の前向きな目標を一言で書く(イメージ作りとサイキングアップ)
その他、読んだ本の感想や感慨を受けたテレビ番組の感想、新聞の切り抜き
などを貼るのも良いと思います。
「日誌」を書く習慣をつけることで、生活の質が向上し、一日をバランスよく過ごそうとする意識が高まります。明日やるべき大切な活動・行動を前日から決めておくことで、より成功に近付きます。
「仕事で成果を出すためには、私生活の充実が大切である」。頭ではわかっていてもなかなか行動にうつせないこの大切なことを、実践する仕組みができます。
「ルーティンチェック表」は、前述したように、自分が達成したい目標とリンクさせ、「心・技・体・生活」の4つの観点から毎日継続させていく行動を決め、○と×でチェックする表のことです。
この表を実践していくと、生活に無駄がなくなり、成果に直結する自分自身の強みが見つかります。ムダで効率の悪い仕事や活動に気付き、意図的に省くことができるので、むしろ時間的な余裕が生まれてきます。
特に、お子さんにとって、このルーティン表に保護者の方が○をつけてあげ、毎日ほめてあげることは、とても大切な「成功の体験」の確認になります。○が続く、ということは 小さな成功を毎日積み重ねている、そして生活のバランスがとれ質が向上している、という証になります。自分の生活や、家族との関係を自分でコントロールできるようになっている
のです。
④「意志の力」を持ち、仕事や目標に対して真剣に取り組み、結果を出すためには?
⑤「愛の力」を持ち、人を助け、成果を分かち合い、人と仲良くするためには?
→「意志の力」には、目標を最後まであきらめない忍耐力が必要です。また、結果を出すという責任感も求められます。忍耐力と責任感は、前述した「できることの継続」により、育てることができます。これを「心を強くする」といいます。
「愛の力」には、自分が出した成果を独り占めしない広い心、困っている人
を助ける(見て見ぬふりはしない)気づきの力、最後には必ず許すという
覚悟(惻隠の情)が求められます。これらの力は、奉仕活動や清掃活動を通して「心を広くする」ことで育ちます。
目の前のゴミを拾う、クツを揃える、服装を整える、こういった行動は「気付き力」を高めてくれます。気づいたら行動する、困っている人がいたら助ける、人間の良心に素直に従う行動を取れるようになることが「自立型人間」にとって大切なことです。
以上、3回にわたって、「自立型人間の特徴とその育成方法」について、お話させていただきました。
「原田メソッド」の実践に必要なものは、何か特別な能力ではありません。毎日コツコツ継続すること、あきらめないこと、自分だけでなく、家族や社会など、「自分を含む世界全体」の幸福を考えること、が大切です。
前号でお勧めしました「奉仕活動」、新年明けて5日目の今日も、継続でき
ていますでしょうか?
継続できていない方、ご心配は、いりません。
また今日から新たに決意し、新しいスタートを切ってください。そして今日から始めてください。人と比べる必要はありません。ただし自分に負け続けてはいけません。
○○×○○○×・・・○の間にある×は、だんだんと数が減ってきます。
そして、×だったことが○に変わり、「できて当たり前」になります。それが「行動を変えて、習慣(生活)をプラスに変えて、心を変える」つまり「ちょっと変えたら大きく変わった」ということなのです。
継続できている方、本当に素晴らしいですね!
この調子で、目の前のことをコツコツと、ひとつずつ積み重ねていって
ください。「当たり前に出来ることの数を増やすこと」、それが成功への、自立型人間への道となっていくのです。
(感謝・原田隆史)2009年1月5日発行