Vol.37 原田隆史の人生クレド⑬「今やらねばいつできる、自分がやらねば誰がやる」(2009/8/4)
「原田隆史の人生クレド」と題して、私の「理念・ミッション」を短い言葉で端的に表している「クレド」をご紹介しています。
今回は、「やらねばならない」、そんな燃える気持ちについてお話します。
【今やらねばいつできる、自分がやらねば誰がやる】
「○○がやらねば、誰がやる」
一昔前のアニメのセリフとして覚えておられる方も多いと思います。
小さい頃には、深い意味を考えずにアニメのドラマチックな言い方のままよく真似をして遊びました。
大人になり、教師の仕事に燃えていた私は、生徒指導で最初の大きな困難にぶつかっていました。学校中の教師が頭を悩ませていました。学校がひっくり返ってしまうかもしれない、それぐらいの出来事でした。一致団結して、誰かが声をあげて、皆を引っ張って行かねばならない、そんな時期であったにも関わらず、誰も声をあげようとはしませんでした。私を含め、誰も立ち上がろうとはしませんでした。
その時、ふとこのセリフが頭によみがえったのです。
「俺がやらねば、誰がやる。」
この一言が、困難から逃げ出したくなる気持にブレーキをかけてくれました。誰か他の人がやってくれるだろうという人任せな気持ち、誰かやってくれよ、という依存の気持ちが吹き飛び、目の前がサッと晴れ渡ったような気がしました。
「そうや、俺がやらねば誰がやる。誰かが何かをしてくれるのを待つのではなく、とにかく俺が動いてみよう。」
そう気づいてすぐ、私は動きました。膠着していた状況が一変しました。協力者が現れました。そしてその時に仲間の教師から言われたこの一言が、私の胸に刺さりました。
「原田くんやったら、必ず動いてくれると思っていた。」
私は、「最初に動くのは、自分の役割だ」と、実ははっきりとわかっていたのです。しかし、さまざまな状況や起こりうる困難のことを考えて二の足を踏んでいました。状況に対して、腰が引けていたのです。「どうして俺が。」という受け身の気持ちもありました。私は、猛反省しました。
それ以来、これは自分の役割だ、と思ったことに関しては、私は自ら手を挙げてその責任を果たせるように努めています。
自分の仕事だとわかっているのに、誰かに頼まれてからしよう、と考えるのは間違いです。そこには主体的で前向きな姿勢がないからです。
私はよく、「責任」と「使命」ということについて考えます。
辞書にはそれぞれの正しい意味が載っていますが、私はこの2つの言葉を次のように区別しています。
「責任」とは、自分以外の社会や他者との約束のこと。
「使命」とは、自分との約束のこと。
責任感とは、他者から与えられた役割を果たす強い気持ちです。
使命感とは、自分で決めた役割を果たす強い気持ちです。
責任を果たさなければ、他者や社会に迷惑をかけることになります。迷惑をかけたくない、という気持ちは、責任に対する追い風となり、私たちを力づけてくれます。
使命は自分との約束ですから、その約束を守らなかったとしても、迷惑を被るのは自分だけです。
しかし、使命を持たない人には「思い」がありません。
私たちは、社会の一員としての「責任感」を強く持って生きることが重要です。社会に対する責任感は、道徳心や倫理観だけでなく、社会貢献という広い視野を与えてくれるからです。
同時に、その責任を果たすことが自分の使命である、と感じることができるような、身が引き締まるような「思い」を強く持つことが重要なのです。
使命とは、熱いものがこみ上げてくるような、燃えるような思いを持っているのです。
「今やらねばいつできる、自分がやらねば誰がやる」
このクレドは、私が私自身と交わした固い約束です。誰かに頼まれてからするのではない、私がそうしようと決めたから、決して被害者意識を持たずに今すぐ取り組む。
皆さんの責任はどのようなものですか。
皆さんの使命は、何ですか。
今日も、責任を果たし、使命に取り組み、全力投球していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(感謝・原田 隆史)2009年8月4日発行