Volo.14 成功のための三大理論 ②「おかず理論」(2009/2/24)
3回連続で、「成功に直結する思考・態度・行動」のパターンについてお話し
ています。
2回目は、私が「おかず理論」と呼んでいるものです。
みなさんは、食事をされるとき、好きなものを、先に食べますか。
それとも、あとで(最後に)食べますか。
今日のお弁当は何だろう、パカッ(お弁当箱のフタがあく音です)
あ、卵焼き、ほうれん草のおひたし、おでん、海老フライ、うめぼし、納豆、白いご飯。よーし、いただきまーす。
私は中学校教師だったころ、昼休みに「昼食指導」で教室や食堂に行くのが好きでした。弁当の生徒、菓子パンを食べている生徒、食堂でうどんとカレーを食べる生徒。いろいろです。
なかよしグループや班で食べているところに、私も座って、一緒に食べたり
普段はしないような、ちょっとふざけた話をしたりもしました。
毎日そうやって観察していると、多くの生徒が、ある特徴的な食べ方をしていることに気付きました。
そこで私は生徒たちに聞いてみました。
「なんや、海老フライ嫌いなんか。残したらアカンで。」
「違います先生。大好きだから、最後のお楽しみでとってあるんです。」
「え、最後のお楽しみ・・・!?」
「なんや、メロンパン嫌いなんか。お腹いっぱいになったんか。」
「違います先生。焼きそばパンより、メロンパンの方が好きなんです。最後に一番好きなものを食べるんです。」
「え、最後に一番好きなもの・・!?」
実は私も、ある時期までは一番好きなものを最後まで残しておくタイプでし
た。しかし、陸上競技で本気で日本一を目指すようになってから、一番好きなものを、意識的に最初に食べるようにしました。
日本一を目指していた私は、練習メニューをもう一度見直してみました。
冷静な目で客観的に見てみると、ある事実に気づき愕然としました。なんと、自分でその当時「これが一番大切や」と確信していた練習内容が、2時間の練習の、「最後」にきていたのです。
なぜ、大切な練習を最後にまわすのか。自問自答してみても答えはありませんでした。「ただ、なんとなく、今までの経験から」、それが唯一の答えでした。
終盤に、一番大切な練習をもってきても、質も回数も思ったようには
伸びません。これは、当り前のことだったのです。
そのことに気づき、私は練習メニューを大幅に組み替えました。
大切なものを最初に。好きなものを最初に。大事なものを一番に。
物事に対する考え方・指導法も変えました。
選手を伸ばそうと思うとき、どうしても「できていないところ」を直そうと
してしまいがちです。それももちろん必要ですが、その前に、「好きなもの」
つまり、その選手の「長所」を伸ばそうと考えたのです。
日本一になったある女子選手は、膝の持病があり、50mすら走れませんでした。しかし彼女は、「筋力が高い」という長所を持っていました。
私は彼女には、走る練習(スプリント)は、一切させませんでした。そのかわり「おかず理論で長所発揮」、筋力練習を他の女子の倍、男子選手とペアを組んでさせました。
そして彼女は見事、全国大会で日本一になったのです。
これが「おかず理論」です。ご飯の食べ方から指導の仕方まで、「おかず
理論」の原理原則にのっとり、ガラッと変えました。
大切なことから実行する。長所発揮で、短所を補う。好きなことを繰り返せば心の満足感が得られ、苦手なことにチャレンジしようとする気力と自信もわいてきます。
私のクラスの生徒は、一番好きなおかずを最初に食べるようになりました。
私が、「最後に残すんやったら、先生が食べるぞ」といって、食べてしまうからです。
「先生、好きなものから、大事なものから、でしょう!もうわかったので僕の海老フライ食べないでください!」
「よっしゃ。好きなもの、大事なものを大切にしいや。長所発揮で勝負せえよ!」
「おかず理論、大切なことから行う。大切なことを後回しにしない。長所発揮で勝負する」
次回は、「くじ引き理論」です。これも、面白いですよ。
(感謝・原田隆史)2009年2月24日発行
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