
Vol.87 どの子の夢も愛おしい~親子塾&ドリームマップ~(2010/7/29)
名古屋での【親子塾&ドリームマップ】、100名以上の皆さんにご参加いただき大盛況となりました。ありがとうございました。
2010年6月に東京で【親子塾】を開催したときには、私は大人の皆さんの積極的な「教育力」に大変感動しました。同じテーブルになった、その日初めて出会った子どもたちに対し、分け隔てのない大きな愛情を持って関わってくださっていた大人たち。目の前に子どもがいれば、誰の子どもであっても、積極的に関わり、その子どもの最も良い部分を引き出そうと最善を尽くす、という教育者の真摯な態度を、大人の皆さんはお持ちだったのです。
今回の【親子塾&ドリームマップ】では、私はまた新しい感動を体験しました。会は大人と子どもは別メニューで進みました。
大人の皆さんは、理想の家族を描くワークに取組んだり、子どものやる気を
引き出す関わりの極意について学んだり、また自分の家族の状態を知り改善のための行動を考えるアセスメント方法(客観的な判断方法)について知識を深めたりと、盛りだくさんの内容となりました。
一方子どもたちは、共催の株式会社エ・ム・ズさんの「ドリームマップ」に
取組みました。このドリームマップは、将来の夢を写真や絵をつかって具体的に画用紙の上に描いていくものです。私も取組んだことがあるのですが、
ドリームマップを意義深いと感じるところは「その夢が社会や他者とどの
ようにつながっているのか」という、他者貢献・社会貢献の観点について深く考えさせる仕組みになっている点です。
子どもたちは、自分の将来の夢、例えば「野球選手」が、他者や社会にプラスの影響を与えることができるということを知り、より一層「野球選手」に魅力を感じることができるようになります。
会の最後には、参加した約40名の子どもたち全員のプレゼンテーションがありました。描いたドリームマップを使って、夢の説明、その夢をかなえたい理由、かなえるためにするべきこと、などについて短いスピーチを行いました。その様子を、参加した約65名の大人たちが見学しました。
小学校2年生ぐらいの女の子も、一生懸命話しました。夢を語るうちに、泣いてしまった男の子もいました。高校生の女の子は、前を向いてしっかりとした口調で夢を伝えることができました。
どの子も、真剣です。一生懸命です。その様子を、大人がうなずき、拍手をし、頑張れと声をかけて見守りました。
自分の子どもの出番になると、親御さんは思わずぎゅっと手を握りしめます。子どもたちは練習通り、上手に話しますが、親御さんはといえば、明らかにハラハラしてハンカチを握りしめて、そのあとは涙・涙。
熱いものがこみ上げてきました。
40名いれば、40個の夢がありました。自分の夢を一生懸命に語る姿を見る
と、心の底から、その夢を応援してあげたくなりました。
どの夢も、一つ一つが、大切で愛おしい。
【親子塾&ドリームマップ】で、子どもたちの真剣な発表を聞いているとき、子どもたちの夢を大切に育んでいくために、大人が何をしなければならないのかが、はっきりとわかりました。
大人は、子どもの夢を見守り、声をかけ、応援し、支え、なによりもまず、夢を共有しなければならないのです。私たち大人が子どもの夢の発表を聞いていた、まさにその場の状況こそが、大人が子どもの夢を支える姿勢そのものだったのです。
子どもの真剣な姿は感動的でした。自分の子どもの姿なら、なおさらのことでしょう。難しい理屈はありません。ただ、純粋な感動体験でした。
ご参加くださった皆さんの多くが、子どもの姿に感動したとおっしゃっていました。
このような感動の場を設けることができた【親子塾&ドリームマップ】、開催して良かったと、再度感じています。
親子で参加してくださったご家庭では、出来上がったドリームマップを囲んで、色々なお話をされるそうです。マップを壁にはってくださるご家庭もあると聞きました。子どもの夢が育つのか、枯れるのか。大人の責任は重大であるということです。
夢といえば、共著の出版を進めているアメリカ人の大学教授に、こんな質問を受けたことがあります。
「あなたは、どうやって子どもたちに『夢』を持たせることができるのですか?アメリカの子どもたちに『君の夢は何かな?』と質問すると、多くの子どもが『夢なんてない』と答えるのです」
「夢を持て」と子どもたちに伝えるのはたやすいことです。
では、もし子どもたちに「将来の夢なんてないよ。どうやって見つけるの」と質問されたら、読者の皆さんなら、どうやってお答えになりますか。
「こうやって夢を持たせる」というアイデア・実践をお持ちの方は、是非、ご意見をお寄せください。
様々なご意見やご実践をお寄せいただき、
「カリスマの目線 アイデアバンク」として蓄積していき、それをまた読者の皆さんとシェアしようと考えています。
*募集はすでに終了しています
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(感謝・原田 隆史)2010年7月29日発行
*発行当時の文章から一部を変更している場合があります。