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アメリカの中小企業①。

アメリカの中小企業をなんとなくイメージするのは難しい。アメリカの企業の話は、アマゾンやテスラなど成功物語に独占されている。結構、それらの話は一種の自慢話の類にとどまり、飽き飽きもしている。このような観点から、リアルなアメリカの中小企業の話をしたい。本エッセイは、日々世界の中小企業の与信管理に従事するサラリーマンの目線から見た、アメリカの中小企業に関する描写である。

アメリカの小売業は、基本1店舗1法人である。日本のように法人がたくさんの店舗を運営する方式ではない。例えば、A株式会社は dba,,,,,として屋号を与えられて経営を実行する。また不動産の所有は法人格を別途与えて分離する形で経営する。

つまり、例えばアリゾナ州で車を販売するディーラーを新たに設立する場合、AAA株式会社 dba Arizona Fox などの屋号を与え、不動産を所有する場合はBBB会社を設立する。このような方法をとるため、企業経営において企業数は日本よりも(特に小売り業)多くなるだろう。さらに、株主にはペーパーカンパニーを設立した上で運営する形態が多い。

最後に、中小企業だからといって甘くみてはいけない。アメリカの中小企業の経営陣のサラリーは日本の上場企業のサラリーよりも多い場合が結構ある。例えば、与信管理上、個人保証をとる場合もあるのだが、個人資産は数十億円を有する場合もざらにあるという印象だ。

日本はもっともっと稼げるようになる必要がある。それは従業員だけでなく経営陣も含めての話である。もし、日本の中小企業の現実をアメリカの中小企業の社長が見たら、きっとこう言うだろう。「Are you serious ?」。


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