ライブペインティングについてのあれこれ。
ギャラリーや外部のイベントでライブペイントの機会をいただくことが増えました。特にギャラリー以外の外部イベントでは、そのイベントに合わせてそうした要素をプラスして組み立てることが多いです。
僕自身20代の頃はいろんなところでライブペイントをすることが多くて何故か大学の学園祭に呼ばれてステージの上で行ったこともあります(客が百人以上いてテンパって描いてる時の記憶が全くない・・)
ライブペイントってつまりはお客さんの目の前で絵を描くって、ただそれだけのことっちゃそれだけなんですが細かく考えていくといろんな側面がある。
基本的にパフォーマンス型と公開制作型があります。
そのイベントに応じて求められているのはどっちなのかというのは最低限考えたほうがいいですね。
パフォーマンス型は長くて30分程度、その作家の身振りや手振り、大きな画面であれば体全体を使ってダイナミックに移り変わってく様を見せるようなライブペイント。作家さんによってはエンタメ性を求められることもあります。エンタメ要素がアートや美術にとって必要かどうかは置いといて、鑑賞者に足を止めさせて食いつかせるようにして作品を仕上げます。
公開制作型はその字の通り、鑑賞者のことは特に考える必要はなくエンタメ性も特に必要もなく、淡々と作品を描いていく、その様を見せるような感じです。こうして書くとなんだかつまんない様に見えるけどそれはそれで需要があります。エンタメ性とか関係なく「こうやって描いてるんだ!」みたいな発見があったりします。
ステージで行う短時間で時間が限られている場合は前者、逆にイベント内でお客さんが流動的に行き交う様な場合は後者ってイメージです。
現在ギャラリーの方で展示をしてもらってる井口さんは、昔からライブペイントとの相性が良さそうだなぁと思ってて、最近そういった依頼も多いので彼女にやってもらうことが多くなりました。
作家さんは皆んな普段から大作を描く機会ってそんなになくて、描いたところで置き場所がないとかの事情もあります。
ではそもそも大作なんて描かなくていんじゃない?と思うけど大きな作品を描くことって本当に大事で、描いてみればわかるんだけど小さな作品を沢山描くよりも圧倒的に絵が上手くなります。
具体的になぜ?と言われると難しいのですが実際自分自身描いていても構図の取り方や画面の構成の仕方がとても良くなります。
特に大きな画面のライブペイントになると自分自身の身体を目一杯使わないといけません。
普段手先だけで描いていることとスケールが変わってきます(でも向き不向き、個人差は確かにあるので一概にとは言えませんが)。
井口さんの場合はとてもいい例で、ライブペイントでやってることがちゃんと作品の方にも影響を与えていて、作品は小ぶりでも以前に比べてよりダイナミックになり、作品の強度が上がっています。
別にライブペイントを進めている訳でもないんだけど、自分を曝け出して他人の目に晒される訳なので根性がつくのがいいですね(いきなり昭和