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展示と装飾。

ギャラリーで個展をするって、普通は自分の作品を展示して、あればグッズとか物販を配置してって感じですよね。

僕個人としても大体は作品と名刺くらいしか置かないシンプルなもので、それはそのシンプルさがより自分の作品をストレートに他者に伝えることができると僕が思っているからです。


とは言え僕が20代の頃から展示に対して作品+α何か自分の世界観をより反映できるものを展示会場に配置して見せる、みたいなことも多いんだなーと思うようになりました。


多分その当時奈良美智とgrafが一緒に行った展覧会で(実際見てないから間違ってたら言って)、grafという建築家やプロダクトデザイナーが共同で行った展覧会で奈良さんのアトリエをモチーフにした(?)展示があり、それに影響を受けた方が多かったからかな?と思っています。

(僕がみたのはどこかの美術館にコレクションされている小屋か何かだった気がする)




なので20年前当時、個展会場の一部を自分のアトリエコーナーみたいにして実際に描く過程を見せるようなことをする若者が多かった印象です。


今ではすっかり定着し、よく見る光景になりました。多分そこから派生して、自分の作品と展覧会の雰囲気をより具体的に示すために作品としてではなく装飾として展示会場に何かしらのモチーフを配置するようなことが目立つようになりました。


そもそもギャラリーがホワイトキューブである意味は、20世紀初頭のモダニズム運動の登場により、今までの西欧の美術館などの装飾を排し、より作品を作品として完結させるための見方として美術館等にホワイトキューブという形が導入された経緯があると思います。

とは言え、一時は定着したホワイトキューブという形式も批判に晒されることも多くなり、今では多様な展示空間があるようになりました。


それはそもそも野外であったり、歴史的建造物のコンテクストが必要だったり、その時々でその作品の見方や捉え方が変わるということも存分にあると思います。


今回アトリエ三月で展示してくださっている10rc0は搬入時に自分が普段からコレクションしているアンティークのガラス瓶などを沢山持ち込んでくれました。

展示のテーマの一部に「花」というテーマがあるため、花を飾りたいとのこと。


これらの作家の個人のコレクションってゆー作品とは一見関係ないものも配置することによってよりその作家の世界観や背景を展示空間に反映することができているんじゃないかなーと思います。実際、展示もめちゃめちゃ良くなりました。


でもこれ、めちゃめちゃセンスが良くないとできないので(僕には作品の為の文献くらいしか思いつかいないので・・)誰でもできるわけではなく、逆効果になることも然り・・・


良い展示になってます。是非。




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原 康浩/画家・アトリエ三月主宰
大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。