性善説がデフォルト〜 Humankind 希望の歴史 上下
人間は性善説に基づいて動いている、行動しているという趣旨の本です。
何かと人を疑ったり敵を作ったり、仮想の敵に対して戦う姿勢を見せたり、騙されてないかとかいろんな疑心暗鬼になったり、知らない人への不安感を抱いたりといった、複雑な感情を他人に対して抱かれるかもしれません。
しかし実際の世の中では人の多くが非常に優しく他人に対して接し、思いやりをもって過ごしているというようなことを各地の事例や実験データなどをもとに証明しようとしています。
いろんなエピソードがあるのですが、わかりやすい事例ですと、ヨーロッパの冬の寒い時期に車が川に落ちた時に善意の人たちが川に飛び込んで車の中の子供と母親を助け出した、命の危険を顧みずといったストーリーです。
別にヒーローになりたくてやったわけではなくて、自分でそうしなければならないと自然に体が動いた、というように、人として行動したといった、そんな人の良さ、性善説に基づいた話というのが次々と紹介されています。
渡る世間は鬼ばかりといったような中でこの性善説に基づいた話がどこまで通用するのか分かりませんが、ただ他人に優しくなりたい、強くなりたいと思うような人にはきっと心の拠り所になるのかなと思います。下巻もあります。
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