『artless』なWONKは、ありのままのわたしを肯定してくれた。
8月5日、予定がまだ決まっていない音楽が好きなあなたに、おすすめしたいライブがある。
Billboard Live TOKYOで開催されるWONKのライブ。
チケットは完売のようだが、この公演は配信されることが決まった。
1週間のアーカイブ付きだ。イープラスでチケット購入ができる。今すぐチケットを購入してほしい。
エクスペリメンタル・ソウルバンド「WONK」は日本の4人組バンド。4人ともにジャズがベースにあり、名前の由来はジャズピアニストのセロニアス・モンク(Monk)のMをひっくり返してWにしたそう。
エレキベースを習っている息子がジャズのリズムを練習するようになってから、ジャズを聴くようになった。セロニアス・モンクにたどり着き、そこからWONKのことも知って家で聴くようになった。
WONKって聞いたことあるなと思い調べると、キーボードが江崎文武さんだ!
King Gnu、millennium paradeでわたしの中では繋がり、息子には「関ジャムに出ていたピアノの人だよ」で繋がった。
最新アルバム、ありのままを意味する『artless』を何度か聴いていると、今の自分にとても心地よかった。生で聴いてみたい、聴かせてあげたい。調べると名古屋公演があったので、息子の分と2枚チケットを買った。
来てよかった、息子もわたしも大満足だった。わたしは夜勤明けで身体は疲れていたけれど、彼らが奏でる音、歌声は細胞を再生させるような、まさにソウルだった。
この記事はライブレポートにはしない。きっとファンの方々が愛情こめて書いていらっしゃるだろう。
ライブ感想文であり、自分への備忘録かもしれない。
言わずもがな、演奏は最高だ。
ドラム、荒田氏のソロのビートは、マスクの中の口が開きっぱなしになるくらい、もう訳が分からない凄さ。身体そのものが打楽器のよう。
ベース、井上氏も、唖然という言葉がぴたりとはまるような、凄すぎて笑ってしまう瞬間が多々あった。兎に角楽しそうに演奏する姿が印象的だった。
ピアノ、江崎氏の音は物語を感じる。目を閉じて聴き入ると、水の中に沈んでいくような、苦しさではなく、美しい青く透明な水の中に浮かんでくる泡(あぶく)のよう。
ボーカル、長塚氏は口から音源、それ以上。口笛までも楽器の完璧な音に風がのったような美しさ。歌詞の中の物語を生きているような歌声。
全体的に映画の中に入ることができたような空間だった。
時折壁にうつる長塚氏の影が大きく動く。
江崎氏が飲むペットボトルの水に照明があたり、宝石のように輝く。
一番楽しみにしていた曲は、初の日本語歌詞の曲『Umbrella』。
最近の事件やウクライナ侵攻で感じる大きな悲しみや怒りだけではなく、わたしという小さな世界の小さな悲しみ、不安にも寄り添ってくれるよう。
江崎氏のピアノの音とともに、讃美歌のような祈りを感じ、涙があふれた。
これほど琴線に触れ、わたしを肯定してくれる曲に出合えることはそうあることではない。
この曲を生で聴けたことが運命のようで、感謝があふれて手を合わせたほど。
わたしのお守り曲となった。優しく背中に手をおいてくれる、そんな曲だ。
ぜひ、オンラインだが、ライブで聴いてみてほしい。
至福の夜でした。
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