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Happy Women's Map 山口県下関市 ファーストレデイ第1号 伊藤 梅子 女史 / Japan's First Lady No.1, Ms. Umeko Ito
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「たちかへるとしの初日のあさかぜに 匂ひそめたる梅の初花」
"As the year turns with the first dawn breeze, The plum blossoms begin to scent the air."
「人みなの心もそらにあくがれて 花になりぬる昨日けふかな」
"The hearts of all rise, Becoming flowers in these days of new beginnings."
伊藤 梅子 女史
Ms. Umeko Ito
1848 - 1924
山口県下関市西南部町 生誕
Born in Shimonoseki-city, Yamaguchi-ken
伊藤 梅子 女史は、日本のファーストレディー第1号。伊藤博文の継妻、女流歌人。婦人慈善会を創設。
Ms. Umeko Ito is the first First Lady of Japan. She was the step-wife of Hirohumi Ito and a female poet. Fonder of Lady's Charity Society.
「お茶子」
西国随一の商港と問屋街の繁栄する赤間関(今の下関)に、浜仲人(船の荷揚げ職人)の父・木田久兵衛の長女として梅子は生まれます。兄・亀太郎は本職の博打打。弟は叔母・お菊が営む問屋・中津屋の婿養子。梅子は亀山八幡宮のぜんざい屋のお茶子に働きに出ます。あるとき、腕のホヤケ(あざ)をみた八卦見が「あんたは偉く出世をする相を持っている」しばらくしてある晩、サムライに追われる(一説には、夜這いを見つかって父親に箒で追いかけられる)伊藤博文を、梅子は料理屋紅屋の土蔵にかくまいます。それからまもなく、叔母お菊によって、賑わいを極める稲荷町の芸者置屋・いろは楼に身売りされます。梅子は芸者の見習い・小梅として、芸ごと行儀の修行につとめます。
「舞妓」
高杉晋作、桂小五郎、井上肇などの維新志士を相手として座敷の興を添える梅子は、やがて英国留学から帰国した伊藤博文から贔屓にされ妊娠。16歳の舞妓あがりで24歳の伊藤博文に身受けされることとなります。梅子はいろは楼主人の養女になると、伊藤博文の本妻・お寿美を離縁させます。お寿美は松下村塾出身の気鋭の長州藩士・入江九一と野村靖ら兄弟の妹で、萩の留守宅で夫の帰国を1年半待たされていました。こうして伊藤博文の後妻として嫁いだ梅子は、叔母が営む中津屋の離れに移ると従妹のおたみから、今度は武士の妻女となるべく裁縫・家事・礼儀作法などの手ほどきを受けながら長女・お貞を出産します。
「ファーストレディ」
兵庫県知事、貴族院議員、大臣と出世する夫・博文に伴って神戸そして東京に赴きます。勝ち気で向学心の強い梅子は、下田歌子から和歌を、津田梅子から英語と西洋マナーを学び、常々身だしなみに気を配り、父母・義父母によく奉養して婦徳の鑑と称されます。鹿鳴館で舞踏会が流行すると、梅子は婦人慈善会を創設して幹事に就任、寄付金を集めて孤児貧民救済事業の世話をします。服装は質素ながら指輪・首飾りを好んで身に付ける梅子は、裁縫の大家・大島万吉を招いて宮中女官の服装を刷新。「酔うては美人の膝、冷めては握る天下の権」と謳いながら総理大臣となった夫・博文、梅子は夫の女性関係を全て把握して世話しながら実子4人さらに養子2人を育て上げます。61歳のときに夫・博文が狙撃されて急逝すると、明治天皇から下賜された10万円(今の20億円)で、夫・博文が女に貢いだ莫大な借金を返済。さらに万端遺漏なく夫の遺品分けをして77歳で逝去。「国のため光をそへてゆきましし 君とし思へどかなしかりけり」
-『落梅集』(伊藤梅子 著 / 末松生子 1925年)
-『山口県地方史研究 (40)』(山口県地方史学会 編 / 山口県地方史学会1978年)
-榎本武揚等名刺版写真 写真(伊藤梅子)(K.u.K.Hofphotograph1891年)
-『だれでも来ひ : 現代女百面観』(三盟舎書店1917年)
-『幕末・明治女の事件簿 : 近代日本を駆け抜けた女たち (ライトブックス・おもしろ情報百科)』(田井友季子 著 / 東京法経学院出版1987年)
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