「待って」を考える
みなさんは「できるようになったらなぁ」と、いちどは感じたことがあるのではないかと思う『待って』
室内で何か用事をしているときに、待っててくれたらな。
玄関や屋外で、サッと飛び出すのではなくて、待っててくれたらな。
お手入れや、ハーネス・リード・洋服などの脱着のとき、待っててほしいな。
散歩中に排泄物を取るとき、自転車やバイクで飛び出さないでほしいな。
そう考えるのは自然なことですよね。
「待って」はとても奥が深くて、いろんな考え方があるかと思います。
カリキュラムとしても豊富な内容になりますので、少しづつ書いていきます。
今回まずは、基本的な部分から書いていきます。
目の前にフードを見せるのは「おあずけ」
まず「待って」の目指す部分として、2つあると考えます。
①動きが止まっている状態
②いつでもどこでも出来るように
よく飼い主さんがやっているのを見かける
フードを目の前に置いて
「まてよ〜まてよ〜・・・よし!!」
と、フードを食べさせるのは「待って」ではなく
「おあずけ」と、私は言っています。
ちょっとしたゲームとしてするのは構いませんが
あまり我慢をさせ過ぎるのは、逆にいろんな弊害を生むこともあります。
モノを守る傾向がある犬には、しないほうがよいかなと感じます。
それとは別に、この「待って」は
●練習しているその場所や状況で、または近い状況でのみ効力を発揮する
●目の前に食べ物を床に置いて(手に持って)おかなければ待てない
こうしたことが起きがち。
本当に待って欲しいときには、同じことができない。
応用が効かないのです。
保育園やレッスンでも、もちろんうちの犬にも、この方法を教えたことはありません。
発散が不足している状態で、ジッとすることを求めるのは辛い
発散については、過去記事の中でもいろいろ書いてあるので、ご参照頂ければ幸いです。
犬としてのニーズが、ある程度は満たされていない状態で、ジッとすることを多く求めるのは、ちょっとつらい部分もあります。
残念ながら人が求める「ジッとしてほしい」は、犬にとって、あまり楽しくない練習になりがち。
若い犬であれば、なおさら。
留守が多い場合であれば、まずは遊びやコミュニケーションを取ることからアプローチをしましょう。
また日常的に、嗅覚を使うノーズワークや、頭を使った作業が豊富にあることも必要です。
知育トイやノーズワークなどを上手に使いましょう。
小型・中型犬にも使いやすい「コング・ジャイロ」
「ニーナオットソン」の回転する知育トイも使いやすいですね。
中・大型犬では「コング・ワブラー」は頑丈でオススメです。
こうしたアプローチをした上で
人との暮らしの中で、ある程度は状況に合わせてもらうことも、練習をしていきましょう。
オスワリやフセに必要な要素は
ご家庭でも「オスワリ」や「フセ」を教えていることが多く見られます。
ところがすごく惜しい部分が一つあります。
犬に対して
『いつまで、オスワリやフセをしておけばいい?」
という情報が足りていないこと。
その形のキープをどこまですればいいのか、伝えられていないと
勝手にどっか行っちゃったり、立ち上がったり飛びついたり。
オスワリやフセというのは、なんのために教えるのか?
その場に止まって動かないこと
これを犬にお願いする「待って」の意味として学んでもらう。
「終わり」まで情報を出しておかないと、本来の意味として機能しないのは当然となります。
きちんと「終わり」の意味まで完結できるようなると
むしろ言葉で(まって)と言わなくてもよくなる。
つまり
『待って = オスワリ・フセのキープ』
ということになります。
立った状態でその場から動かない「立って待って」も同じことです。
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