英語が公用語の地域でも全ての人が英語を理解できるとは限りません
英語公用語地域でも全ての人が英語を理解できるとは限りません。
筆者が住んでいた香港の一例を紹介します。
香港島にある家具店でソファーを購入した時、自宅への配達のために英語で住所を書きました。しかし、販売担当の店員が英語を漢字に直していました。なぜ、わざわざ漢字にするのかと聞いたところ、その店員曰く、配達をする人によっては英語を理解できない人もいるため、念のため漢字で書いているとのことでした。
英語が公用語である香港でも、生活言語は依然圧倒的に広東語です。そのため、全ての香港人が漢字の住所をローマ字表記にして瞬時に分かるとは限りません。英語を道具として使い目的を達成するには漢字で伝えた方が安全確実な場合があります。
この場合の目的とは注文したソファーが問題なく自宅へ運ばれるかどうかです。そのためには公用語である英語よりは漢字で表記した方が目的を達成させる確率が高いはずです。配送の手配をしている担当の販売員を横目で見つつ、英語をあえて使わないことも大切だと認識を新たにしました。
ちなみに、香港でタクシーに乗車する場合、英語が苦手な運転手も多くいます。そのため、行き先の住所を漢字で書いて見せると確実に目的地へ到着できます。高齢のドライバーも多いため、大きな字で印刷した紙で見せるとより確実です。
尚、香港で使われている漢字は繁体字であり、中国大陸で使われている漢字(簡体字)とは大きく違います。しかし、日本の漢字とは類似する箇所が多く、かつては日本も繁体字を使用していました。但し、読み方(発音)が違うので、注意が必要です。香港をホンコンと発音するのは広東語です。北京語(普通話)ではシャンガンとなり、発音が全く別になります。