秋を愛している話と、秋の写真
秋の朝の空気をめちゃくちゃ深く吸い込むのが好きだ。
森で育ち、今は街に住む私は、山の匂いのないことを少しさみしく感じつつも、やっぱり秋を愛している。
幼い頃は、ほとんどの時間を森の中で過ごす保育園にいた。
地面に寝転がったり、高い秋の青空を見上げては深呼吸をするのが好きだった。
こうすれば、自分たちも青空になれる。
けどいつしか、吸い込んでいる空気が透明だと気付いてしまい、人は青空と溶け合えないことを知った。
その当時は悲しかった。
森に秋が来るとどんぐり拾いが止まらず、帽子つきのものを見つけた子はいつも先生や皆に報告していた。
たくさん取れると嬉しいのだけど、むやみにたくさん持って帰るとどんぐりむしが出ることがある。
私のような慎重派は必ず振って、存在のないことが確かめられたものだけを園に持ち帰った。
燃えるもみじたちに加え、いちょうの木も、燃えるような迫るような黄色だった。
高くそびえ立つ、鮮やかな火柱。
上の写真の500倍くらいある落ち葉の上で、「落ち葉を踏む音を楽しむ」という時間が、指示されずともあった。
毎回当たり前のようにみんなで楽しんでいた。
今思えば、あれはとても"豊かな"時間だったな。
なんの目的もなく、ただ色と音を楽しむだけの時間。
あれってもしかして、本来の音楽?本来のダンスとも言えるかもしれない。
というようなことをふと思い出したものの、幼少期の記憶って大体仕舞われているから、忘れないように書き留めた。
先週と今週では部屋の温度が10℃も違って、一気にパジャマとふとんが冬仕様に。
平日も一応コートのようなものを着たりはするが、迷走中。
休日は、YouTubeチャンネル「EMTV」で大好きな女優の宮澤エマさんが「デニムジャケットが唯一着られる1週間って感じじゃない…?」と仰っていて、確かに…とデニムジャケットを引っ張り出した。
今年は本当に急に寒くなったなあ。
日本の秋は、あまりに短い。
冬も大好きだけど、つめたいその季節に片足を突っ込んだまま、待ってあともう少しだけ秋でいさせて、とここに留まってる。