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「由流里シェアハウスは寒くても暖かい」ー由流里ハウスのほっこりストーリー

由流里ハウスの庭はすっかり冬景色。木の枝には薄い霜が降り、冷たい風が空気をキリッと引き締めていました。そんな寒さの中、コアラのココはキッチンであれこれと思案中。住人たちが寒さを乗り越えるために何か楽しいアイディアを、とお世話好きの性分が燃えていました。

一方、朝から仕事に出かけたうさぎのリリィは、毛布にくるまって出勤準備をしていたときからすでに文句が止まりませんでした。
「ココ、寒い!寒すぎるよ!こんな日は出勤なんて嫌だ~!」
「でも行かないわけにはいかないでしょ?」とココが笑いながら言うと、リリィは耳を垂らしながら玄関を出て行きました。小さな声で「帰ってきたら温かいご褒美があるといいのに…」とつぶやいたのを、ココはしっかり聞いていました。

夕方、仕事を終えて帰宅した鹿のシカリンは玄関を開けると同時に、「あぁ、寒い!」とため息をつきました。
「最近、暖房の心地よさに慣れてきたせいか、寒いのが前より堪えるなぁ。でも家に帰るとホッとするね」と言いながら、玄関先で凍った体をぴょんと一振り。

そんな二人を迎えるココはニコニコ顔。「皆さん、お帰りなさーい!今日は庭で特別な準備をしておいたよ!」と一言。

庭に出ると、そこにはなんと小さなテントが張られていました!テントの中には大きな石が熱されていて、湯気がぽかぽか立ち上っています。
ココがバケツからヒシャクで熱い石の上に静かに水をかけていきます。水蒸気がモワモワーっと上がって辺りが曇りあたたかい空気が身体をまといます。
「え、これ…サウナ?!」とシカリンが驚くと、ココが満足そうにうなずきます。「そう、ネイティブインディアンがやるようなサウナを再現してみたの!寒い外から帰ってきて温まれる特別な場所だよ。」

リリィはすぐにその場でコートを脱ぎ捨てて、ココの用意してくれた大きなバスタオルに包まってテントの中へ。
「わぁ…これ、最高!」と耳をぴんと立てて歓声を上げました。シカリンもすぐに続き、三人で湯気の中、リラックスするひととき。

テントから出たあとは、さらにお楽しみが待っていました。ココが用意していたのは、こたつで食べるほっかほかの焼き芋。
「こたつに焼き芋って最強だよね!」とリリィは頬張りながら言い、シカリンもうなずきます。「これ、エジプトのピンクソルトちょっとだけかけるとさつまいもの甘さが引き立ってて美味しい!」

寒い夜、コタツでほっかほかの焼き芋を楽しんだあとは、由流里ハウス恒例(?)の自家製アイスクリームタイム!ココが朝から作ったアイスクリームは、クリームを手動でシャカシャカ振り続けた力作。仕上がりはなめらかで、ほんのり甘い優しい味。三人はそれぞれ好きなトッピングを準備して、ワクワクしながらアイスを飾りつけていきます。

まず、コアラのココ。お気に入りのトッピングは、なんと「ユーカリパウダー」!これはココ専用の特別な一品で、コアラ仲間から送られてきた乾燥ユーカリの葉を細かく砕いて粉末状にしたものです。アイスの上にサラリとふりかけると、独特の清涼感のある香りがふわりと漂います。
「ユーカリパウダーをかけると、口の中がスッキリしてアイスの甘さが引き立つんだよ!」と、ココが自慢げに言うと、リリィとシカリンは「さすがコアラ専用の味覚だね」と苦笑い。

続いて、うさぎのリリィは悩みに悩んで「ハチミツとドライフルーツ」のトッピングを選びました。お仕事で疲れた体には甘さが大事!ハチミツをたっぷりかけて、森のフルーツ屋さんで買った干しイチゴやブルーベリーを散らしていきます。
「見て見て、これってまるでお花畑みたいじゃない?」と、リリィは自分の作品に大満足。甘さと酸味のバランスもバッチリで、「これ、毎日でも食べたい!」と耳をピコピコさせながらニコニコ笑顔。

最後に、鹿のシカリンは「ナッツとメープルシロップ」を選びました。ピスタチオやアーモンドを軽くローストして砕いたものをたっぷり乗せ、仕上げにメープルシロップをぐるりと回しかけます。「この香ばしさとコクがたまらないんだよね」と語るシカリンは、じっくり味わいながら食べ進めます。アイスの冷たさとナッツのカリカリ感、そしてメープルの濃厚な甘さが絶妙なハーモニーを生み出していました。

三人それぞれの個性が光るトッピングを楽しみながら、「これも美味しそう!」「ちょっと交換しようよ!」と、お互いのアイスを一口ずつ試してみることに。リリィはユーカリパウダーに驚き、「これ、意外とクセになるかも!」と感心し、ココはナッツのトッピングに目を輝かせ、「この香ばしさ、次は僕も試してみたいな」と言います。

「寒い夜に、みんなでアイスクリームを作って食べるなんて、なんだか特別だね」とリリィが耳をピンと立てて言うと、ココとシカリンもうなずきます。「由流里ハウスならではの楽しみ方だよね」とココがほほ笑み、シカリンが「こういう時間があると、冬も悪くないって思えるよね」と満足そうに言いました。

寒さが厳しい季節も、由流里ハウスでは工夫と笑顔で心までポカポカに。
「やっぱりおうちが一番だね」と、リリィが耳を垂らしながらほっこり笑うと、ココとシカリンも同じくほっとした表情を浮かべました。

由流里ハウス、寒い冬でも今日も暖かい時間が流れています。

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