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尊厳(あるいは足の指)について

人間誰しも命が惜しい。されど、尊厳を損なわれたまま命だけ長引いても、生きていて苦しいことがあります。

心にとっての尊厳は、体にとって足の指のようなもの。尊厳が満たされているとき、尊厳を意識することは少ない。健康なとき、歩いていて足の指を意識することは少ないように。
しかし、足の指が捻挫していたり、まして骨折していたりすると、一歩ごとに痛みがはしることになります。何らかのダメージを受けて尊厳を大きく損なわれていると、ただ生きているだけでも苦しくなってしまう。

折れた骨も、手当てして、時間をかけて治していくこともできます。
傷ついた尊厳も、時間と手間をかけて立て直せます。

ただ、昨今はインターネットの影響か、低コストで怒りをぶつけ合い、拡散することができるようになってしまいました。
自らの痛みや怒りを、ぶつけやすい誰かにぶつけたら、一時的にはスッキリするのかもしれません。でもそれは、折れた腕を振り回して、別の誰かを殴るようなもの。そのぶん「腕」の回復は遅れます。

心の土台となる尊厳は、他人との比較ではなく、昨日の自分との比較でリハビリを続けていくことで、少しずつ立て直していけます。

海でも山でも星空でも、自然にふれてみる。
他の日は多少節約してでも、1日はおいしい飲み物や食べ物を味わう。
本・音楽・映画・ゲーム、好きな作品、素晴らしい作品を味わう。

一緒にいて気が休まる人、自分の良い部分を引き出してくれる人と会う時間を1分でも増やす。

壊れる(壊される)のは1日でも、治すには1年かかるかもしれません。
なんと理不尽な、と嘆く夜もあるでしょう。

それでもどうか、良き旅を。。


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