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成人の日、おめでとうございます。
今日、成人の日を迎えた君に
かつて成人の日を迎えたあなたへ
どちらかと言えば、
晴れ着で成人式の会場に行った人よりも、
会場に行けなかった人、行かなかった人へ
ちなみに私は、成人式の会場に行かなかったほうの人間です。
当時はもちろん、新型コロナウイルスなんてありません。ニュースを見ると「バブル崩壊」という言葉が並んでいました。今にして思えば、まだ宇多田ヒカルさんはデビューしておらず、音楽CDも紙の本もよく売れていた時代ですね。
ホントは、これから大人として生きていく君に、何かお役に立つことや、気の利いたことの1つも語りたい。
でも、すぐには思い浮かびません。私は特に優秀でもなければ、世間で言うところの成功者でもない。「こうすれば人生うまくいく」「人間社会なんて楽勝!」と語れるだけの実績がないのです。
いささか皮肉なことに、うまくいかなかった経験はあります。
私が成人の日を迎えた頃、日本にはまだ「引きこもり」という言葉はなかったと記憶しています(プー太郎、という言葉はありました)。
カウンセラーという言葉もまだなかったようです。心療内科、という言葉はありました(こちらは今もあります)。
今ふうに言えば、高校を卒業してから引きこもっており、成人式に出席して同年代と顔を合わせる気になりませんでした。
卒業から3年ほど引きこもったあと、なぜか1年4ヶ月ほど工事現場で働いて力尽き、さらに無職を6年5ヶ月ほど。
社会人として計9年5ヶ月のブランクがありましたが、28歳くらいから実社会に再挑戦。そこから何度か職場や職種を変えつつも切れ目なく働き続けて、今に至ります。
私が成人式の会場へ行く気になれなかったのは、個人的な事情でしかない。
けれど今年2021年は新型コロナの影響で、せっかく20歳になったのに成人式が中止、ひどい場合はドタキャンもあったと聞きます。客観的に見て、当時よりも今のほうがずっと大変ですよね。
ツイてないと思うかもしれない。時代や社会を恨むかもしれない。
今の時代や社会がこうなっているのは、新成人の君のせいではありません。
今の日本社会は右往左往というか、グダグダです。日本をこうしてしまっている大人の一員として、力不足を申し訳なく思います。
私はもう50歳が射程距離に入ってきた人間です。食品ならもう、賞味期限が迫ってきています(賞味期限を過ぎちゃったかもしれない・・)。
他人を助けるどころか、自分自身を救えたかどうか。。
マンガに出てくる天才軍師のように大局をとらえ、的確な策を提示できるとカッコいいのですが、そこまでの知性を持ち合わせてはいません。
実社会という地べたを、ほふく前進しながら、星空を見上げてきただけ。
そんな、ささやかな経験から申し上げることは・・・
思い通りにならない、予定通り進まないときから、本当の勝負が始まる。
たいていの逆境には、活路があります。
すぐに見つからなくても、活路が無いのではなく、まだ見えていないだけ。
少年少女のころに思い描いていた形とは違うかもしれないけど、生きていく道は、きっとあるから。
成人の日、おめでとうございます。
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