山火事の惨劇
幼いころ、近くの山が大火事になった事があった。
消防車が来て、多くの人が必死になって消していた。
私の家にまで来るのではないか?と思っていたことを未だに覚えている。
火が襲ってくる! その体験がキリロムで実現した!
開発当初、キリロムの現状をよく知らずに生活していた私。
雨季が終わり、乾燥した日が続いていた。
ある日、車で移動していると、草むらが燃えている。
「山火事だ!」
すぐに車を止めて社長と私、カンボジア人スタッフで消火活動に奮闘した。
靴の裏、青草、山の中で使えるものは限られていた。。。。
30分後・・・・・
何とか消火に成功したが、カンボジア人スタッフは何故かニヤニヤしながら消火活動していた。
その後も車中から幾度となく山火事を見かけるが、カンボジア人スタッフは何も気にせずに通り過ぎる。
「火は危ない!火事=危険。初期消火」
初期消火と防火を徹底的に教わった元海上自衛官からすると異様な光景に思えた。
数日後。。。。。
「山火事が来たぞ。」
スタッフが慌てて事務所に入ってきて教えてくれた。
私も急いで外に出て現場に行ったが、、、
数十メートル範囲の山火事が風に乗ってまさに攻めてきていた。
とても初期消火のレベルではない。
消防車!消火栓!消火器!全ての文明の利器がない。
水はあるが、とても届かない。
色々焦りながら考えている私。
心配そうにしている私にカンボジア人スタッフが言った。
「オッパニャハー(問題ない)」
・・・・・またか!
問題ない?どうやって消すつもりだろう?と見ていたら。
スタッフやワーカーを連れてきて一斉に家の近くの草むらに火をつけた!
え!。。。。。
カンボジア人スタッフ。
「火が襲ってきたけど、こちらから火をつけて追い返したからもう大丈夫!」
1時間後
焼野原である。
・・・・
泣いた!
家が燃えずに助かった安心感。森がすべて燃えてしまったショック。
自分でも驚くほど涙か出た。。。。
スタッフに聞くと、火を付けているのは政府関係者で、毎年燃やさないと草が多くなり、大火事になるために燃やしているらしい。
しかも、住民にも知らせずに。。。。
きっと、誰かがこの火事で死んでもカンボジア政府は何の責任も取らないのだろう。。。
彼らも仕方がない。と笑っている。
それを聞くと余計に怒りと涙が止まらなかった。。。
よっぽど不思議だったのだろ。山火事を見て泣いているのが、、、、
女性スタッフがコーヒーを1杯持ってきてくれた。
「エイジ、大丈夫!」
カンボジア人スタッフと一緒に頑張りたい。本当に思った。。。。
(今はリゾート周辺は防御しており火が襲ってくることはありません。)
2013年4月頃
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