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カンボジア的発想
非常用発電機。
名前の通り非常用の発電機ですが、森の中で生活しているこの場所に当然常用できる電気が無い為、非常用発電機は常用発電機として24時間フル稼働。
この発電機が壊れたら最後、すべての電源が消失、発電機を自分たちで直さない限り、暗闇の中生活をすることになります。
そんな非常事態を回避するべく、もう一台の発電機を購入することになった時の事です。
当初の非常用発電機は25KVA(約90Aまで使用可能)、1年中雨風にさらすわけにはいかない為に建物の中にあった。
新しく購入を考えたのは125KVA(約456Aまで使用可能)今後の人口増加も考えて少し大きめを購入。
しかし。発電機自体の大きさが約4倍になった為、建物に人力で入れる事が困難となった。。。
プノンペンから輸送してきたトラックはクレーントラック。
「まー屋根を一度外してクレーンで吊り上げて入れれば大丈夫かな?と、安易に考えていた私。
さっそくカンボジア人スタッフとミーティング。
当初、今ほどクメール語がしゃべれない私。。。
出来る限りのクメール語で提案!
「イエ!ヤネ!ハズス!クレーン!ウエ!イレル!」
ボディーランゲージの方が多かったかもしれないが、クメール人スタッフも笑顔で「OK OK! オッパニャハー!」
皆さんご存知の方も多い。この「オッパニャハー(問題ない)」
こいつが曲者で、問題ないと言いながら、問題あるじゃん!の場合が非常に多い!
しかし、この時点での私はそんなことは知らないため、「ありがとーーー!」
と自分の片言のクメール語が通じたと大喜び!
しかし、、、、、、
作業が始まると何故か建物に長い木の棒を釘で打ち付け始める。
「屋根に上がるための足場かな?」
1時間後・・・・・
屋根は取り外さずにひたすら壁を外したり木の棒を家に取り付けるスタッフ!さすがに私も心配になった!
「オッパニャハー。オッパニャハー。12時だから昼食が先だ!」
「・・・・・」
終わってないのに昼食が先なのか!と思いながらも昼食へ・・
午後1時仕事スタート!
担当スタッフが20名くらいのワーカーをゾロゾロ引き連れて来た!
担当スタッフの号令の下、ワーカーさん達が準備を始める。
「せーーーのーーーーー!」
「家がうごいたーーー!」見た瞬間の感想だ!
日本人であれば、誰も想像しない発想だろう!
「凄い」
余りにの衝撃に私は笑いが止まらない!!!
しかし、カンボジア人スタッフはどや顔で私に近づいてくる!
私は今もその顔を忘れることは出来ない!
20分後また、みんなで建物をもとの場所に戻して作業終了!
何度考えても屋根を外した方が作業が早かったと思うが、彼らの発想はとても豊かだ。
最近ではそんな常用発電機もほぼ限界が近づきつつある。
現在は急ピッチで電線を下町から引いてくる作業が進んでいる。
町からの電気の供給が整えば、色々な問題が解決され発展はさらに加速するのだろう。
昔の発展途上のサバイバル的な生活がなくなってしまって寂しい所もあるが、いまから今後の発展が楽しみだ。
2014年6月頃(たぶん・・・)