育成に関わる上で心がけていること
人の育成や開発に関わることを生業としていますが、時に人の育ちに関わるって甚だしいものよね、なんて感じることもあります。ご本人から育ちに関わってほしい!というリクエストがあるならまだしも、企業等からのご依頼で関わることも多いので、そういう思いがよぎるのかもしれません。その上で、育成に関わる上で心がけていることを綴ってまいります。
人はすべからく「違う」存在と受け入れる
育成に関わるというと直接的なものと間接的なものがあります。間接的なものとは育成に関する組織の仕組みづくりです。主に研修の中長期設計やキャリアアップに関することです。そして、直接的なものとして研修や個別セッションになります。その直接的な育成の上で心がけていることの一つ。
「人はすべからく違う存在である」
を意識し続けるということです。
一人ひとりみんな「違う」ということは、多くの方が「あたり前」と認識されていますが、この「違い」から様々なギャップや違和感が生みだされた時につい忘れがちになるようです。
例えば、同じ時間に同じ講義内容を聞いて、その後、講義の中での気づきをフィードバックされたにそれぞれ感じ方やフォーカスの違いに気づきますよね。伝えた側からすると、受け取ってほしい情報の大多数は同じであるように設計しますが、蓋を開けるとあれっ?なることも。
これってそもそものコミュニケーションの原則的には、受け手にあるの伝えた側ではなく聞き手がどう聞いたか、に左右されるので仕方のないことです。コミュニケーションの原則については、こちらから。
以前に伝えたから、これは前にも言ったからと伝える側の主張でしかありません。相手がどう受け取ったか、やはり「違う存在だからこそ、違うもの」と受け入れることが大前提です。
持ち味を見極める
その違う中で、それぞれに持ち味を持っています。よく強み(ストレングス)・弱み(ウィックネス)とか、長所・短所などとも言われるものです。その言葉はもちろん知っていますが、短所や弱みなどは努力次第で克服できるものだ!と信じ込んでいる時期が実はありました。育成に関わった当初は克服できないのは、努力が足りないからだって。なんともスパルタな育成者でしたよ。
時間や回数を費やしてもなかなか上達しない、覚えられない、ミスを重ねるなど。いろいろとやり方や関わり方を変えたりとアプローチしましたがなかなかうまくいかず、自分も相手もストレスフルになってしまうという。
そんな中、持ち味やストレングスという考え方に出会い、自分や相手の努力が足りなかったわけでもないことに気づくことができました。
「そもそも持ってないものがある」
持ってないものにフォーカスするよりも、持っているもの=持ち味を見極めそこを磨き、足りないもの以上の働きに変える方がお互いにとってストレスなく価値在るものになるということを。
そのために、その人の持ち味は何か?どんな状況や状態の時によりその人らしくあまり無理せずにチカラを発揮することができるか?にフォーカスする。好きなことや楽しんでやれること、目が変わること、主体的に行動することetc...を徹底的に観察し、情報収集することです。
「変化、成長する可能性がある」を信じきる
違う存在であることを受け入れて、その人の持ち味を見極める。その中で一貫して思い込んでいることが
「相手は変化、成長する可能性がある」ということを信じきる
これは絶対に譲れないことで、信念にしていることです。「相手よりも先に信じることを辞めない」という心持ちです。やっぱりダメかも、や、変わらないな、と諦めないことです。
これが仮に自分のことであれば、ある時期に諦めることもあります。それは自分で見切りや限界を決めているので、自己責任の範疇です。ただし、人の育成となるとサポートする上でその信念がないとやり通せないんですよね〜
なにせ育成は一朝一夕でできるものではそもそもないからです。
変化や成長に達するまでのゴールが設定されている場合も多く、そこまでに届かない場合も時にありますが、一生のうちのいずれかのタイミングできっとそうなることを信じて突き進む!という感じですね。実際に、「あの時の言葉がようやくわかりました!」なんて声を数年経ってから頂くことも多いもんです。だから面白いし、辞められない。人が変化するその一瞬に何らかの関わりを持てる幸せに感謝です。
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