自己覚知(じこかくち)
あなたは、自分自身のことどのくらい知ってますか?
対人援助の技術において「自分を知ること」を「自己覚知(じこかくち)」といい、職業的な自分をコントロールするために欠かせないことのひとつです。その「自己覚知」について綴ってまいります。
自己覚知とは
自分がどんなことに怒ったり、悲しんだり、イラッとしたり、どんな時に感情が揺れ動かされるのか?ということを知っていますか?
自分の感情の揺れやその背景にある価値観、何が受容できて、受容できないかなど、自分自身のことを知ることを「自己覚知」といいます。対人援助をする上ではこの自己覚知ができている、つまり自分のことを理解できることで、自分の心や身体に表れる負の変化に対する防衛反応や事前対処をとることができるようになります。そして可能な限り外的な要因に振り回されず、目の前の出来事に対し自分のエネルギーを多く投入することができるようになります。
自分のことはわからないから自分との対話をする
自分のことってわかっているつもりだけど、実はわかっていない、そう感じるのではないでしょうか?例えば、自分の正義とは何か?どんな時に不条理だと感じるのか、何が受容できて、決して受け入れられないのは何か...
私たちの脳が意識(3〜10%)よりも無意識(90〜97%)の領域が多く、顕在化しているものよりも潜在化しているものが多いという事実があります。私たちが自分自身で意識化、顕在化していることが少ないため、様々な問いを内なる自分と対話し、又は他者からのフィードバックをとおして答えを見つけながら進めていくというのが「自己覚知」のプロセスなのです。
「自己覚知」=「自分を知る」=自己理解が深まる
自分自身と対話し、深く向きあい、他者の声も受け入れながら、知っていると思っていたこと、思い込みや歪み、妄想にゆらぎを与えていきます。自分を理解していくことは、他者に関わり、他者をエンパワメントし行動を促す支援者であるためにとても重要な軸です。
自己覚知をすることで
自己覚知は、単に負の変化に対する防衛反応や事前対処をとることではなく、正の良い変化に対する反応としてコントロールすることで、自分自身のパフォーマンスをいつどんなときも最大限に発揮する状況を常につくりだせることに繋がります。
そのためには、自分の中に湧き上がる少しドロっとした感情にも向き合う場面が少なからずあるものです。人のためにといいながら自分のためにやっている自分に気づいたり、それを恥じたりと苦しむを伴う状況もあるかもしれません。そんな自分に湧き上がる気づきから逃げずに、向かい合うことが自己覚知のチャンスでもあります。一生をかけて自分を知る、自分をより理解しようとするプロセスを楽しんでみるのも面白いかもしれません。自分自身の可能性をやはり一番に信じる存在であるためにも、自己覚知はやはり永遠のテーマです。
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