リーダーの必須スキル「承認」
人財育成だけにとどまらず、人と関わる上で大事なコミュニケーションスキルのひとつ「承認」。特に経営者やリーダーからの承認は、それぞれの信頼関係の構築や勇気づけ、エンパワメントにつながるパワフルなスキルだなあと感じます。今日は、そのリーダーの必須スキル承認について綴ってまいります。
承認と承認欲求
人は誰しも認められたい、わかってほしい、大切に扱われたいという承認の欲求を持っていると言われています。心理学者のアブラハム・マズローの6段階欲求説によると
食事や睡眠などの生理的欲求(1段階)、安全でいたいという安全の欲求(2段階)、社会や何かに属していたい社会的(愛・所属)欲求(3段階)、これら基本的欲求が満たされ、感じられるようになると4段階目の承認・自己承認の欲求が生じると言われています。認められ、他の人から価値在る人だとみなされる、他の人の中で価値在る人でありたいとの欲求が生まれるのです。
生理的な欲求、安全の欲求、社会的な欲求がある程度満たされていると承認の欲求が生じるということです。
そもそもの承認の意味とは、
1.そのことが正当または事実であると認めること。
2.よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
3.国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。
かなり広範囲な意味合いがありますが、ここでは
一般社団法人個を活かす組織づくり支援協会の定義する
相手が気づかない優れた能力、資質、業績、貢献、成長、可能性などについて、その事実を本人に伝え、自覚させること
を採用し、相手が無意識にしているような、何気ない行動など「事実を言語化して伝える」ことです。という意味では、かなり広い範囲で承認することができます。
承認とほめるの違い
ちなみに、承認と似ているものに「ほめる」という行為があります。ほめるとは
人のしたこと・行いを優れていると評価して、そのことを言う。たたえる。
という意味では、優れているからほめられる。つまり、優れてない場合はほめられないということなので、イメージとしては以下の感じです。
子育てでも「ほめて育てよ」という言葉があります。仮にその行為が優れていてほめるに値すればほめますが、当たり前と思えることをほめると逆効果です。ほめないとその行為をしなくなる可能性があります。
例えば、1歳の子が初めて一人で着替えをすることができればほめますが、普通の社会人が着替えしたくらいではほめません。仮にほめたとすれば、馬鹿にしていると取られてしまいます。
つまりほめるは、それが優れているか良くないと「ほめる」ことができないので限定的なものです。
承認は3つ:存在、行動、結果
それに対して、承認はほめるを包括する広い概念となります。大きく3つ、存在承認、行動承認、結果承認です。
存在承認は、そこにいる(在る)ことそのものを承認します。存在そのものでOKをだすことです。
行動承認は、具体的に起こした行動そのものを承認します。良い結果がでるかどうかも問わず、行動を起こしたことにOKをだすことです。
結果承認は、行動した結果どうであったかを承認します。良くても悪くてもあくまで結果に対して事実を伝えOKをだすことです。
つまり承認とは、良し悪しが判断基準にはならず、その行動や変化といった事実そのものにフォーカスするので、承認できないことはほぼありません。誰にでも該当します。
まずは、存在承認を。
具体的な承認の方法ですが、特に存在承認は誰にでも該当します。例えば、あいさつをする、目をあわせる、名前を呼ぶ...たったこれだけです。
「これだけ?」と言われるかもしれませんが、出勤しても誰とも目をきかず、あいさつさえせず、名前も呼ばれない...これってかなり苦痛ですよ。
逆にいうと、リーダーとしては、メンバー一人ひとりと目をあわせる、名前を呼ぶ、あいさつする、これだけを毎日するだけで信頼関係は築けるものです。それくらい人は承認を求めており、特に組織の一員としての自分の存在価値を求めているものです。だからこそ、Twitterのいいね、やこのnoteのスキが行動を後押しするもんです。
この他にも存在承認の具体的な言葉として「ありがとう」や「助かるよ」、「いてくれてよかった」、「おつかれさん」があります。
リーダーの必須スキル、承認。この存在承認を意識的に取り入れてみて下さいね。関係性がぐっと変わってくると思いますよ。
個別セッションでは、承認の具体的な方法やトレーニングも行っています。気になる方はこちらからご相談下さい。
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