寺橋佳央

エッセイ掲載中。食べ物の話が多め。 🥢🍴🖊個人のマガジン◾︎「今週も湖でお昼ごはん」 週末に食べたご飯の話🍔 ◾︎共同運営マガジン「しりとり手帖」「MIRRORING」

寺橋佳央

エッセイ掲載中。食べ物の話が多め。 🥢🍴🖊個人のマガジン◾︎「今週も湖でお昼ごはん」 週末に食べたご飯の話🍔 ◾︎共同運営マガジン「しりとり手帖」「MIRRORING」

マガジン

  • いりえで書く

    • 57本

    間借り書房 いりえのイベント【「書くこと」に関するお喋り会】から生まれた共同マガジンです。スタイルやジャンルは人それぞれ。気負わず、無理せず、否定せず。入り江のように穏やかな場所にしていきたいです。皆さんで少しずつ作っていきましょう🌊

  • しりとり手帖

    • 36本

    しりとりをしながら、最後の音節で始まる言葉をテーマにした何かを担当メンバーが発信します。

  • エッセイいろいろ

  • MIRRORING

    • 4本

    ミラーリング 鏡に映るもの、映されたもの。両者は同じなのか。鏡からはどんな景色が見えているのか、鏡の前に立つものは鏡の奥に何を見るのか。 異なる環境に身を置く二人が毎月「対」になったテーマを綴っていく。 二人は同じ景色をみるのだろうか。

  • 変な自販機を巡りながら

    コンドーム自販機を巡りながら書くエッセイ。読んでもコンドーム自販機の事は分かりません。

最近の記事

きっかけのきっかけ 担当:寺橋佳央

 しばらくぶりの更新は、「しりとり手帖」の番外編。しりとり手帖が出来るきっかけの話です。今週と来週2週に渡ってお届けします。  12/1に開催する、文学フリマに関するお知らせもあります。どうぞ最後までお付き合いください。  しりとり手帖のメンバーは5人。その内4人は同じ大学の同級生。もう1人は彼らとは全く関係が無く、年齢も違うし、生まれ育った環境も、職場も違う。お互いを永遠に知らないままのはずだった人4と1人が、5人になったのだ。  これは、しりとり手帖が出来る前、関係

    • ただいま

       右側には淡いブルーの瀬戸内海。うっすらと潮の香り。眩しい日差し中、自転車に乗った私は坂を下り、澄んだ風を全身にいっぱい受ける。この清々しさをもう一度味わいたくて、今年もこの島にやって来た。  ここは尾道の向かいにある向島(むかいしま)。初めて尾道を訪れた時、頻繁に往復する船を見て、あの船に乗った向こうには、何があるのだろうと思っていた。好奇心が収まらず調べてみると、船は渡し船で、向島に渡していると分かった。更に向島では尾道よりもずっと近くに海が見られると知り、好奇心が期待

      • 私だけのダサかわいい

         旅のマイルールは、旅する人の数だけあると思う。快適に過ごすためのグッズを絶対に持参する、必ずここには行くなど、それぞれこだわりがあるだろう。私にもある。それは自分のお土産にダサかわいいキーホルダーを買うことだ。これがかなり難しい。  そもそも、お土産屋さんでの雑貨の扱いはとても小さい。浅草の仲見世のような観光地化した商店街や駅ナカの大きな店でないと多数置いていない。ひなびた雰囲気の店ならあるのでは?と思うかもしれないが、甘い。そのような店こそ、ご当地キャラや人気キャラのご当

        • 積読の恋人

           積読は私の恋人。白い表紙、黒い表紙、赤い表紙。更に買ってきて、また積み上げる。黄色に、緑に、ピンクの表紙。好きなものだけを集めた満足感と、いつも好きなものがある安心感が心を潤してくれる。時にはもう読んだ気になって、読書家を気取ってみたりもする。安らぎを感じたり、戯れたりする時、恋人との関係はとても良好だ。  しかしいつもそうとは限らない。私には本を読む時期と読まない時期がある。読まない時期が数か月にも及ぶと、関係は険悪になってくる。  週末、埃をかぶらぬよう掃除をし、いつに

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          1本
        • 今週も湖でお昼ごはん
          7本

        記事

          とある一日

           週末は晴れていたら、湖を目指す。お昼ご飯を食べるためだ。ご飯はいつも、途中にあるスーパーで調達。今日はおかずにメンチカツと豚の生姜焼きが入っている弁当にした。それから飲み物とおやつも買って、さあ、出発だ。  ご飯は、いつもお気に入りの場所で食べている。ちゃぷちゃぷと湖面が揺れる音が聞こえるくらいのほとり。ここからは大きな橋も見えて気持ちが良いのだ。折り畳みの椅子を広げ、弁当を頬張る。湖で食べるご飯はいつだって美味い。  味の濃い生姜焼きはご飯が進むし、メンチカツはサクサク

          とある一日

          私が音楽を聞かない理由

           AKB48、ももいろクローバーZ、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、BLANKEY JET CITY、BUMP OF CHICKEN。これは音楽にすがって生きていた頃、ウォークマンに入っていたメンバーだ。  同僚と上手くいかず、眠れない食べられない日々。それでも年齢を考えると、ここを辞めたら後が無いと必死になっていた。通勤約2時間。私は彼らの音楽に身を浸して、何とか職場にたどり着いていた。  「ヘビーローテーション」「真夏のSounds good !

          私が音楽を聞かない理由

          開け、ゴマ!

           エレベーターの中だけで何度も起きる謎の現象がある。私が、扉の向こうの人に 「乗るんですね。じゃあ扉、開けておきます」 と、アイコンタクトをしてボタンを押すと、何故か向こうの人が慌てだす。そして何故か扉も閉まるのだ。一体何が起きているのだろう。あまりに何度も起きるので、タイムリープでもしているのかと思ってしまう。この無限ループの中からは抜け出せないのか。いや、きっと抜け出す方法があるはず。だってこれは、私がエレベーターの開閉ボタンを読めないだけなのだから。  扉の向こうの人

          開け、ゴマ!

          冒険 担当:寺橋佳央

           リュックサックを背負い、口元をキュッと結び、彼方を見上げる主人公。そんな冒険への一歩を踏み出すシーンを見ると、これから良いことが起こりそうってワクワクする。冒険っていいな。そうだ、今日は冒険っぽい旅に出よう。目指すは海! 逗子海岸へ!   私はいつも使っているリュックサックを背負い、玄関の扉を開けた。  なぜ逗子なのか。それは逗子が湘南新宿ラインの終着駅だからだ。平日に見上げる駅の電光掲示板。そこで輝くオレンジ色の終着駅は、何故あんなに魅力的なのだろう。雑踏の中でいつも、

          冒険 担当:寺橋佳央

          あんこは続くよどこまでも

           もこもこした紫色の物体。所々艶やかに輝く紫色も見える。形は楕円形。今私の目の前におはぎがある。粒あんを纏った柔らかそうな見た目で、食べてと誘っている。  スーパーヤオコーのおはぎが美味いと聞き、買いに出かけた。わざわざおはぎを買いに行くなんて、子供の頃には考えられなかった。私はあんこが苦手だったのだ。その理由は甘過ぎるから。だけどケーキやチョコレートは大好き。更にたい焼きや大判焼きは食べていた。明らかに矛盾している。果たして私は、本当に甘過ぎるから苦手だったのだろうか。

          あんこは続くよどこまでも

          父性

           父が作った味噌汁を飲んだ時、出汁の味がしなかった。味噌だけをお湯に溶いた汁を飲みながら、バラエティー番組でとんちんかんな料理を作るアイドルを思い出していた。  私は父性が分からない。父は仕事が忙しくいつも不在で、甘えた記憶がない。そのまま父が嫌いになり、思春期突入。嫌いが大嫌いに変化する。理由なんてない。そしてパパだろうが、おやじだろうが呼ばないまま、今に至ってしまった。  父が嫌いだったからか、10代の頃は自分をファザコンだと思っていた。ファザコンと言っても心理学的に

          キラキラの棚

          「今日の3時から6時、高円寺で遊んでくれる人はいないか」  SNSに流れてきた友人の呟きに飛びつき、私は高円寺に向かっている。高円寺には個人経営の書店が多くあるそうで、友人の案内で巡ることになったのだ。  思えば書店に行くのは久しぶりだ。以前は大型書店によく行っていた。文庫の棚をあれも欲しい、これも欲しいと思いながら巡る。限られた予算の中で今日はどれを買おうかと、本を吟味するのは本当に楽しかった。なのに、いつの間にか行かなくなってしまった。   そのきっかけは駅ナカの書店だ

          キラキラの棚

          シャットアウト・マフィン

           他人の地元は居心地が悪い。土日のファストフード店も居心地が悪い。ここは、他人の地元の土曜日のミスド。居心地はあまり良くない。用事があって1人、他人の地元にやって来た。しかし用事まで時間があるので、昼食を摂ることにしたのだ。  入ったミスドの店内は狭く、地元民で大変混雑していた。コーヒーカップ片手に、延々とお喋りを続けられそうな高齢のご婦人二人組。時々子を叱りながらレジを待つ親と子。とっくに食べ終えた皿と共に勉強する高校生。明らかに人員不足なスタッフ。返却口に積み重なる皿とグ

          シャットアウト・マフィン

          URAMI & TSURAMI

           夏休みと聞くと夏休みの宿題を思い出し、今でもどんよりした気分になる。特出した嫌な思い出はないが、宿題の存在がいや。とにかく量が多すぎた。  国語のドリル、算数のドリル、漢字練習、自由研究、朝顔の観察、写生、読書感想文。多い、多すぎる。ドリルや漢字練習は毎日コツコツやれば、何てことはない。それは小学生の私でも分かっていた。しかし出来なかった。  ドリルは8月半ばを過ぎてからまとめてやった。ドリルにはやった日の天気を書かねばならず、適当に曇りの日を作り、あとは全部晴れにした。

          URAMI & TSURAMI

          正しい埼玉県民

           今年6月まで東京・神保町にあった期間限定書店「間借り書房 いりえ」。  ここで開催された「「書くこと」に関するお喋りする会」に参加し、そこから派生した、共同運営マガジン「いりえで書く」にも参加させていただくことになった。  このマガジンでは今のところ、月ごとのお題に沿ってメンバーが思い思いの文章を寄せることになっている。今月のお題は「自己紹介」。 今回のお題「自己紹介」には、いくつか共通の項目があるので、以下では短めにその項目に答えていく。共通項目の中の「出身地」につい

          正しい埼玉県民

          限界カレーライス

           意外なことにスーパーの惣菜コーナーでは、カレーライスはあまり見かけない。皆、あんなに大好きなのに。しかし私がいつも行くスーパーにはカレーライスが必ずある。ずっと気になっていたので、今日のお昼ごはんは、このカレーライスに決めた。  食べながら撮影のため、スプーン上で小さなカレーライスを作ろうと試みる。カレーライスはなかなか理想のルーと白飯との配分にならない。ルーが多すぎたと一口食べ、白飯に余分なルーがかかったと一口食べ・・・。  ああ、もう!撮影ばかりしていたら、味わう間も

          限界カレーライス

          ツッコミが入らない文章

          私の文章は読みやすい。 …らしい。 感想にいつもそう言われる。  このシリーズでは、そんな私が文章を生業としていない人の文章(noteやZine※)を読んで、思う事を書いて行こうと思う。 ※私が読んでいる文章は、エッセイやコラムである。小説等のフィクションはこのシリーズの対象外とする。 まずは文章への「ツッコミ」について。   読みやすい文章とは、読者からのツッコミが入らない文章だと思う。私が文章を読んでいて、いつも入れてしまうツッコミは以下の3つ。 ・誰?

          ツッコミが入らない文章