サブプロジェクト開発インタビューvol.2 「DEAD & RUN」 編
今回のアドベントカレンダーでは、Happy Elementsが近年取り組んでいる「サブプロジェクト制度」を使い、SuperLiteアプリの開発にチャレンジしてくれたメンバーにインタビューを行いました。
第2弾はランアクションゲーム「DEAD & RUN」のデザイナー職群メンバーにインタビュー!
こちらのゲームは弊社Webサイトからプレイできます。ぜひ一度遊んでみてください♪
ー まずはお二人の自己紹介をお願いします。
M.K.:
「メルクストーリア」チーム所属のイラストレーターのM.K.です。社歴は9年半くらいで、今のお仕事はイラスト系全般で、進行中の別のサブプロジェクトでもアート周りのディレクションもやっています。
K.F.:
K.F.です。所属は「あんさんぶるスターズ!!(以下あんスタ!!)」チームで社歴は6年目、アニメーションデザイナーです。普段はSpriteStudioでSDアニメーションの制作を担当しています。
ー 「DEAD & RUN」がどんなゲームか、実際に制作されたお二人から紹介をお願いします。
M.K.:
一言でいうとランゲームなんですけど、他のランゲームと違う要素として死んでもボーナスがもらえるという点があります。この手のいわゆる「死にゲー」というと死は単なるゲームオーバーでマイナス要素がつきものです。ですが、このゲームではゲームオーバーがマイナス要素ではない、というところが面白いポイントかなと思ってます。
K.F.:
もうひとつ、システムとストーリーとの兼ね合いが売りですね。やられたらまたやり直してというゲーム性の仕組みと、物語を関連付けているのも売りのひとつです。
ー
「みんなで作ってる感を味わえました。」
ー それでは最初に、このプロジェクトに参加した経緯を教えてください。
M.K.:
私は新規事業をサポートする部署の方から「新企画を作るにあたってイラストレーターさんを探しているのですが、興味ありますか?」と聞かれて、「私で良ければぜひ」って感じで前向きに受けさせていただきました。以前に社内アンケートで「参加できそうなものがあれば声をかけてほしい」という風に答えていたのもあって、声をかけていただけたんだと思います。
K.F.:
僕はリーダー兼企画者の方からDMが飛んできて、「こういう企画があるんですけど、ご飯行って話聞くだけでもどうですか」という感じで誘っていただきました。というのも、そのリーダーが、以前自分が社内ブログに書いた『Unityのエフェクト制作についての記事』を見てくださっていて、「彼はUnity触れそうだぞ!」という目論見があったみたいです。(笑)
あとは「あんスタ!!」チームで面識あるエンジニアの方からも推薦いただいていたみたいなんですが、そういう事情は全く知らず急にDMが来たので、最初は不安の方が大きかったです(笑)。入社したときに一応面識はある…というぐらいの人からいきなり連絡が飛んできたので。
ー 急な連絡がきて、不安があって(笑)。
でも最終的に参加すると決めた理由はなんだったのでしょう。
K.F.:
僕自身「あんスタ!!」チームに異動してから結構時間が経っていて、そろそろ新しいことをやってみてもいいかなという時期だったので、悩みはしたもののせっかくの機会だしということで参加しました。
ー 最初に企画を説明されたときはどんな印象でしたか?
K.F.:
普段関わってるタイトルや、今まで携わってきたタイトルを踏まえると「目新しいな」という印象でした。けっこう硬派と言うか、普段見ないジャンルだったので、新しいかもって思いましたね。
M.K.:
私も内容自体はかっこよくていいなって思いました。
ただ、一ヶ月で四人体制という中でメンバーを見たときにそもそもデザイナー職が少なすぎる、かつ、限られたリソースの中でストーリーとゲームどちらも譲れないというパッションも企画書から感じていたので、正直なところ不安はありました。
ー お二人とも何かしら不安はもっていたんですね。そこからポジティブな感覚になったタイミングはどこだったのでしょう?
M.K.:
それはけっこう早いタイミングでしたね。最初の「企画について話し合うフェーズ」で抱えていた不安は解消できました。
はじめの会議の前日から自分なりの提案を考えていて、例えば「グラフィックデザイナーがいないので思い切って色味をなくしてはどうか」などを提案しました。デザインの難易度を落としつつストーリーのテイストにも合うなと思ったんです。それをぶつけてみたら肯定的な意見をいただけて。企画者であるリーダーが制作物全体の物量イメージをしっかりされている中で、更にこちらの提案も受け入れてもらえたので、「それだったら確かにいけるかも」と思えたのが安心材料になりました。
ー SuperLiteは最初にゲームを作り出す前に「話し合うフェーズ」を数日設けていますが、まさにそこで意見をすり合わせられたんですね。
K.F.:
いろいろと意見を言いやすい環境でしたね。制作中も含め、仕様面とかに関しても自分の意見をたくさん言った記憶はあります。
サウンドに関しても社内のサウンドチームに制作してもらったものに自分の意見を伝えたり、最終週のブラッシュアップの際に「こういうのがあるといいよね」という実装を、プロジェクトの締め切りと相談しながら考えたり、積極的に発言できました。
ー なるほど、制作に向けて意見を言いやすい環境が形成されていったと。実際に作っている中で印象に残ってる場面はありますか?
M.K.:
普段やっている「絵を描く」作業だけではなく、Unityを初めて触って実際にゲーム画面を作りながら進める中で、他のメンバーが作成した素材と自分の作ったもののテイストを合わせていく作業が このSuperLiteプロジェクトならではだなと思って、楽しかったです。みんなで作ってる感を味わえました。
K.F.:
僕は最終日に「魔法」がかかった瞬間の印象がすごかったですね。
エンジニアさんが「他のランゲームとかでこういう動かし方があるよね」っていうアイデアを一日で実装してくれたんですが、そのアイデアと自分で作ったアニメーションが合わさった時にプレイ感が格段に良くなったんです。こういうことってあるんだ、と。
短時間でゲーム全体で体験が良くなるっていう、魔法にかかったような体験を初めてしました。アニメーションって作ったらボタンを押して再生されるっていうギミックしかないので、そこに注力してたんですが、具体的にどういう実装、データの作り方をするかという工夫を自分の方でもやってみて。それが実を結んだので、いい経験になりました。
ー
「それぞれの強みが活かせた」
ー ここは見てほしい!というこだわったポイントはありますか?
K.F.:
僕が担当したのは操作キャラクターのアニメーションと、エフェクトなど画面演出なんですが、Unity上での画作りはこだわりました。
イラストを作っていただいて、エンジニアに実装していただいて、それらを使って具体的にどうやって画面を作っていくのかに意識を向けながら自分の入れられるこだわりを入れました。具体的にはParticle SystemっていうUnityのツールがあって、これは乱数みたいな要素でランダムに出てくるオブジェクトをシード値を使って決められるものなんですが、そのシード値がいい感じになるように細かく調整しました。
特にこだわったのはやられたときの爆発ですね。何個か違う爆発を表示してるんですが、重なったときいい感じに丸くなるようにずっとランダムな値を調整してました。最終的に良いものができて、粘り勝ちだったと思います(笑)。
M.K.:
ゲーム画面の方はみんなで作った手作り感が楽しくて、感動もひとしおでしたね。特にゲームのメイン画面で使う素材周りは、一ヶ月っていう期間を自分が沢山使ってしまったら良くないと思ってスピード感をもってやっていました。
逆に、いちばん時間をかけることができたのがタイトル画面です。タイトル画面は後工程がない分、イラストレーターのエゴの入れどころで、「イラスト力を込めてください」というリーダーからのオーダーもあって、時間をかけて作りました。だからタイトル画面が引きになったら嬉しいなと思います。
ー 4人チームという中でそれぞれが力を出し切ったという感じだったんですね。
M.K.:
元々「あんスタ!!」チームにもいたことがあるので、イラストにおける分業は経験があったんですが、SuperLiteアプリは少人数でゲーム全体を作るので他セクションとの距離感が近くて、それぞれの強みが活かせたなと思います。畑が違いすぎるからこそリスペクトしながらできてるというか。楽しかったなって思うポイントですね。
ー
ー お二人が、今回の取組で成長したなと思うところはありますか?
K.F.:
連携力は自分の中で成長したと思います。
今回のプロジェクトでいちばん学んだことが、自分が何ができて何ができないのかを他の人に共有するのって大事だなと。今回背景素材を担当してもらったM.K.さんに「Unityではこういうことができますよ」って事前に共有しなかったことは反省点です。最初から「こういう素材があるともっとスムーズにできる」ということを伝えられればよかったですね。そういうことに気づくことができたのは本当に大きいなと思います。
ー 元のチームでは規模が大きくて気づきにくいかもしれませんね。
K.F.:
この経験が活きているエピソードでいうと、「DEAD & RUN」開発と同じぐらいのタイミングで「あんスタ!!」で新しいモーションを作るというのがあって、普段のレギュレーションとは違うアイデアが出てきたんです。
その会議に呼ばれた際に自分から「こういう仕様で、こっち側ではこういうデータの作り方するけど、実装はどんな感じになりますか」という話し合いを持つことができました。「DEAD & RUN」の開発を通じて、やっぱり連携って大事だよなって再確認しながら。どうやって作られてるのかの前工程側も知っておくだけでも作業がスムーズにいきますね。
M.K.:
私もUnityとかで「何がそのソフトでできるのか」を知ってるとイラストの時短にもつながるなって思いました。
他にも個人的なイラスト面での成長でいうと、少人数の短期開発という中で、取捨選択のスキルがだいぶ上がったと思います。やりたくてもできない、他に頼れる人もいない、イラストレーターひとりという中で、常に何者かに追われている感じで前に進むしかない(笑)。その中で少しでも良いものをってなったときには、世界観に刺さりそうとかターゲット層を意識するとか、そこに集中して他はいったん忘れるという形で。結果いい感じに着地できたんじゃないかなって思います。
F.K.:
あと当事者意識はほんとに上がりましたね。普段の業務では上長がいて、その指示の下でいい物を作るということをしているんですが、自分が主体的にアニメーションの部分を管理しなきゃいけないプレッシャーはすごかった。普段はできたものを上の人にチェックしてもらえるのに、自分が責任持ってこれは良い、これはもうちょっと、と判断しなきゃいけないのは大きな経験でした。
ー
「ゲーム作りって楽しいんだな」
ー 最後に、参加してみての感想をお聞かせください。
K.F.:
月並みですけど楽しかったです。
自分は元々ゲームをチームで作ったりするのが好きな方で、大学の卒業制作とかでもやっていたんですが、今回久しぶりに「ゲームを1から作るのって楽しいな」と思いました。大変な部分もいっぱいあって、やってるときは辛いときもありますし、大変なこともあったりはする。でもそれを乗り越えて自分が責任もってチームの最終目標を達成するためにできることを増やし、連携してひとつのものを作るという達成感は、ゲーム作りでしか味わえないと思います。
M.K.:
私も被っちゃうんですけど楽しかったですね。理由は先ほど話したことがすべてで、私はゲーム作りに関わることはあっても開発のいちばん初期から参加する経験はしたことがなかったので、今回初めてちゃんと0から100まで参加して、ゲーム作りって楽しいんだなって思いましたね。
ーちなみに、社内のサブプロジェクトをやってみたいという人に一言かけるとしたら、何を伝えますか?
K.F.:
僕が思ったのは一ヶ月で確実に成長できるチャンスですね。
「DEAD & RUN」の開発が終わって一ヶ月前の自分を振り返ったときに、確かな成長を実感できました。それが一ヶ月で凝縮されて経験できるということで、とりあえずでもいいので参加してみたらと思います。いつの間にかできることが増えるというか、胆力みたいなのが増えてました。
M.K.:
サブプロジェクト、特にSuperLiteアプリ開発は怖くないよというのを伝えたいですね(笑)。すごいものを作んなきゃいけないとか、みんななんかすごいとか、プレッシャーに思う人もいると思うんですけど、個性を発揮できる場でもあると思います。イラストレーター視点で言えば、描き込んだ絵が必ずいいかというとそうではなくて インディーゲームを見てるとゆるいタッチで愛されてるゲームもある。肩の力を抜いて気軽に参加するのはありなのかなと思いました。
ー お忙しい中ありがとうございました!
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