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カカリアスタジオの新卒アニメーションデザイナー2人に話を聴いてみた

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の18日目の記事です

こんにちは、Happy Elements カカリアスタジオです!

今回はこれまでの内容とは少し趣向を変え、2019年に学生アルバイトから新卒採用としてカカリアスタジオのアニメーションデザイナーになった2人に、学生アルバイトのことや、カカリアスタジオに入って感じたことなどを教えてもらいました。

カカリアスタジオの学生アルバイトって?どういう経緯でアニメーションデザイナーになったの?など、とても興味深いお話を聴くことができましたので、ぜひご覧ください。

■1人目 アニメーションデザイナー ワタルさん

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こんにちは!
Happy Elements カカリアスタジオの アニメーションデザイナー ワタルです。アルバイトからカカリアスタジオで働き始めて3年目になります。

本記事では学生さん向けという事で学生アルバイトの時期を振り返ります。私が学生時代にしたことやアルバイトを通して何を学んだか参考にしていただければと思います。

自己紹介
ワタル 職業:アニメーションデザイナー
高校ではヲタクだったのでアニメを学びたいという事でアニメを学べる環境を探し、好きなアニメ監督が卒業していたという理由で志望校を決定しました。実はこの頃から弊社タイトル「メルクストーリア」のユーザー。

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大学時代

芸大に入学したのでとにかく作画アニメーションの授業を取り、ひたすら動画用紙に向き合う日々でした。2年の頃、学校に寄せられている求人にカカリアスタジオの学生アルバイト募集を発見しましたが、その時はメルストの会社だ!と思っただけで終わっておりました。

3年の終わり頃には本格的な就活ムードになり、完全な独り立ちをしたいと思った私は作画アニメーターとは違う職でありながらアニメーションに関われる方法を探しました。

仕事を探す際に優先すべき条件を決めました。
※上から優先度が高いものになります

・仕事をして生活に困ることがない。
・アニメーションを作ることができる。
・キャラクターコンテンツに携わる。
・平和的な世界観が良い。

これらの条件にピッタリはまるものがカカリアスタジオでした。


「ポートフォリオに入れたもの(一部)」

・2016年度 卒制 作画アニメーション
・短編アニメーション
・アニメーションCM 制作 キャラクターデザイン
・2018年度 卒制 作画アニメーション

授業で一瞬Live2Dを触ったものの、やってきたことはガッツリ作画アニメーションです。ポートフォリオもこれに加えてイラストやデッサン数点なので、ゲームは一切作ったことがありません。


▼学生アルバイトで得た知見

カカリアスタジオでは学生アルバイトの求人を募集しています。新卒採用を受けるには学生アルバイト期間を経る必要があるので、その時に得た知見を紹介します。

●学生バイトで入って良かった事

【働くための知識を教わった】
ツールの使い方や仕事の進め方など、仕事としての物作りの基礎を教わりました。
【作ったものを世に出せる】
動かしたものがユーザーさんの手に届き楽しんでもらう。今はSNSで沢山の反応を見ることができ、伝わってほしいところを受け取ってくれている方や動きのどの部分が注目されているか傾向を知ることができるのでとてもありがたいです。

●学生バイトで入って苦労した事

【作ることのできる動きと作品の動きがマッチしない】
これまで独りよがりでアニメを作ってきたので他の動きに合わせた動きを作る経験がなく、動きのニュアンス合わせに苦労しました。
【タスク管理】
最初は納得する動きが作れず時間をかけてしまっていたので〆切を伸ばしてもらうことが多かったです。動きのデータが完成しないと以降のセクションが動けないので第一にデータを揃えること、次にクオリティという形が良いです。 
【メイン業務はモーションを作る】
これまで描いて動かしてきたので個人的には大きな違いでした。作画アニメーションとゲームのアニメーションの違いで、方向転換した際になかなか難しい思いをした部分です。これは動くことで楽しいと感じられれば問題ないのと、欲に関しては趣味で発散しました。

動かす素材や目的によって適したツールが変わったり、モーションに限らずエフェクトや画面演出等作る業務もあるので、ツール慣れしておく必要がある役職です。


●学生の頃やってよかったこと

【アニメを作る】
どう動けばどう見えるのか。意図した動きにするには何をすればいいのか論理的・感覚的に分かります。アニメーションの基礎知識が付いているので参考や解説等の飲み込みもしやすいです。
【メルクストーリアをプレイしていた】
選考課題の時に参考にできたのと面接の時も話題に困りませんでした。世界観が好きだったので、今後制作に関わるタイトルの世界観も自分の好みに近そうでモチベーションも心配なさそう。みたいなことも考えやすかったです。

●学生の頃やっておくべきこと

【どんなツールを使っているのか・実際に世に出ている成果物はどうか調べる】
私は前述の通り大学の講義2時間分しかLive2Dを触ったことがない上、カカリアスタジオでどのツールが使われているのか知りませんでした。パーツアニメーションの基本的な操作で躓くことが多かったです。
今ではSpriteStudioの無料版やLive2Dのトライアル版など気軽に触れるようになっているので、興味のある方は触った方が間違い無いです。
【幅広いコンテンツに触れておく】
好き嫌いで物を作る時期が学生の時なので難しいのですが、知らなければ思いつきもしないので知っている方が作れるジャンルの広さが圧倒的に広くなります。
【ゲームにおけるアニメーションというものをもっと知っておく】
動きの豪華さでメインとモブの違いをつけたりレアリティで差を出したり。作画アニメの時にはなかった考え方があるので、これがゲームのアニメーションか!となりました。

▼入社して評価された事

【積極的にコミュニケーションを取る】
業務に限らず、所属プロジェクトの世界観やキャラクターに対しても入ったばかりなので知識がありません。なので分からない事はとにかく質問する、という事は努めて行いました。
またチームメンバーを信用するのもチームメンバーに自分を信用してもらうのもお互いを知るところからなので、雑談や質問を通じてコミュニケーションを取り、次第に業務でも相談や共有しやすい環境になっていきました。
【積極的に挑戦してみる】
ツールに対する慣れというものがなく新しいツールを使うことに及び腰になるのですが、やれば慣れてくるのでやってよかったですし、他も試してみようと前向きになれました。
初めは出来ないとは言えないからやる。な気持ちでやってましたが、やり続ける事が大事ですね。

▼おまけ アニメーションについて

カカリアスタジオのアニメーションデザイナーは、SDキャラクターモーションがメインの業務になります。
私は大学で作画アニメーションを学んできましたがカカリアスタジオの業務を通して、なるほどこれがパーツアニメのキャラモーションか。となるのでキャラクターモーションを作る上で共通点と相違点を書いていこうと思います。

●作画アニメとゲームのアニメーションの共通点

【動きのリズム感】
アニメを学んだことのある人は必ず言われたであろう、気持ちの良いタイミングです。動きの緩急や詰めタメはアニメがどんな形になっても一生ついてきます。
【絵の崩し】
スライムが跳ねるとき縦横に伸縮することで柔らかさが出ます。本来の形に変形を加えることで質感を出すのもアニメーションの面白い部分です。
また、デザインのデフォルメ具合と比例して遊べる幅が広くなります。
【立体的な動き】
作画アニメでパースのかかった動きやアクションシーンなど、キャラクターが立体的に動けば魅力的だしうぉぉすげぇぇぇ!!!ってなります。パーツアニメは性質上苦手だができないことはないです。またUIによって立体的な構造を作ることができます。

●作画アニメとゲームのアニメーションの相違点

【作り方】
作画アニメは作画に限れば描けば済みます。パーツアニメはまず動かすためにデータ整理から始まります。そしてパーツの親子関係(首を傾けると頭が追従する)等の設定をした後動きをつけ始めます。動かすことに感する考え方は共通点がありますが、そもそもの作り方は全然違うものです。
【パーツアニメは可動域の制限がある】
パーツアニメはパーツを回転・移動・変形等、作画することに頼らず動きを作る技法で、使っている絵は一つなのでどうしても再現が難しい動きがあります。無理な動きをすると絵が壊れてしまうので、どうしても動ける幅に制限を受けてしまいます。

そして致命的に縦の動きが苦手です。パーツ作成時にある程度配慮はできますがそれでも違和感は拭いきれません。それこそ縦の動き用のパーツを作った方が早い!となってしまいます。が、これは個人的な目標として解決法を見つけてやります。
【動きを盛るという概念】
ソシャゲでは当然存在するレアリティ・メインキャラとモブキャラ。これらの違いを出すのに尺の長さや派手さを調整します。レアリティの高いキャラクターは付加価値をつけてユーザーさんにより魅力的に感じてもらう必要があるため、全部すごい動きにすればいいという事はありません。

なのでこの概念は言われてみたらそうだ!的な発見でした。
【作画の安定感】
パーツアニメは同じ絵を使うので作画が崩れません。どのキャラクターも統一されたデザインをそのまま動かすことができます。話数ごとに顔が違うといった作画アニメの残念な部分が存在しません。しかしこれは1コマごとに違う線が連続して映ることで感じる、これぞ作画アニメ!と言った外連味を出すことができません。

まとめ

端的に言うと、描く・描かないことで起こるメリット・デメリットが2つの違いです。アニメーションの技法や面白さはどちらも応用でき面白い部分です。

動きの自由度と言う部分でパーツの制約がある以上パーツアニメーションの方が引けを取ってしまいますが、如何に作画アニメのように見せられるか。平面の絵を立体的に見せるにはどうすればいいか。といった演出の開発をしていく面白さもパーツアニメーションの魅力です。

 職種やコンテンツとしても進歩著しい業種だと思いますので、興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?


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■2人目 アニメーションデザイナー  Clock10さん

こんにちは!
Happy Elements カカリアスタジオのアニメーションデザイナー Clock10です。

この記事ではアニメーションデザイナーの学生バイトから新卒でこの会社に入った私が、「学生の時にこれやってて良かった…!」「もっとこんな事やっとけばよかった…!」と思った事を(なるべく学生目線で)紹介しようと思います!

「アニメーションデザイナーとして働きたい!」 という方は勿論、「アニメーションに興味あるけどちゃんとやってる訳じゃない…」 という方まで参考になれば幸いです!

自己紹介
Clock10 職業:アニメーションデザイナー
高校の頃に「キャラクターの絵を描く人になりたい!」と思い立ち、志望校の中で唯一モノづくりをやれる映像系の大学へ。

▼大学時代 ~3回生春まで

映像系の大学なので、当然キャライラストの描き方なんて誰も教えてくれません。独学でイラストを描きつつ、自主制作アニメサークルの活動で背景を書いたりしてましたが、この時点でアニメーションには全く関心を持ってませんでした。

大学の講義ではCGの映像作成を習ったりしましたが、そこまで興味がなかった(あと難しかった)ので深くは学ばず…
ふわっとした目的意識はあったけど実力のない、いわゆる「クリエイター志望にありがちな、自分が働くイメージが出来ていなかったり、身につけるべきスキルが分からない状態」でした。


挫折、そして2Dアニメーションとの出会い

ゼミに入り、周囲から「進路」「就活」といった嫌な言葉が聞こえ始めます。
それと同時にゲーム会社に入った人のポートフォリオなどを見て、「自分の絵、同年代の人より下手すぎ…?」と気づきました。
これは今だから笑い話ですが、2回生冬ぐらいまでデッサンすらロクに教わらなかったので当然といえば当然ですね…!

しかしそれでも「キャラクターを作る」事を諦めたくなかった私は、「この際手段は問わずにキャラに関わるモノづくりができる様にならなければ」 とイラスト以外の道を模索し始めました。

その時出会ったのが、「ゲームの2Dアニメーション」の世界でした
キャラの動きが作れて、1から絵を描く必要がないと言うパーツアニメーションの説明を見て、直感的に 「これだ…!これならキャラを作ることに関われる…!」 と思い、アニメーションデザイナーを目指すようになりました。


▼3回生後期〜学生バイト

そこからの1年間はもう大忙し、2Dアニメーションなんてやった事も無い状況からの進路変更を何としても成功させるべく

・SpriteStudioなどの勉強会に参加
・ゼミの企画として開発元の人に来てもらい、SpriteStudioの勉強会を開催
・Spine・Live2Dの基本操作を覚える
・大学の制度を利用して、カカリアスタジオに大学まで来て貰って企業説明会を企画・開催する
・そもそもの地力をつけるために、週1ペースで近くのデッサン教室に通う
・学校のデッサン講義の講義補助に参加し、空き時間でも練習をする

…みたいな事を色々やりました。

そんな事をしていたらあっという間に4回生、ポートフォリオに乗せる作品作りをしながら遅すぎる就活をしていた所、縁あってこの会社の学生バイトとして働き、新卒として入社することに。以降はカカリアスタジオでキャラモーション・エフェクトなどを作っています。

…ご覧の通り綱渡りのような形で2Dアニメーション未経験の状況から無理やりアニメーションデザイナーになれた人間なので、失敗談なんかも含め学生の頃の話ができれば…と思います!

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学生の頃やってて良かった事

1.色んなツールを触る

カカリアスタジオのアニメーションデザイナーが使うツールは大まかに

SpriteStudio
Spine
Live2D

の3つなのですが、これに限らず 「新しいツールを使って、使い方を覚える」 経験をしておくと大きな強みになります!

私は通ってた大学の講義でUnityやAfter Effects・Mayaなどを軽く(本当に軽く)触った経験があったのですが、それがきっかけで「エリオスライジングヒーローズ」の一部ヒーローエフェクトをUnityで作成する仕事を担当させてもらい、自分の更なるスキルアップにもつながりました。

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勿論広く浅くで全部が中途半端になるのは良くないですが、普段使うツール以外で物を作る経験をしておくと 「ソフトの使い方を一通り覚えられて、新しいことを覚える素養もある」 という良いアピールになります。


■2.自分から行動してみる

「そりゃ自分で勉強会開けるような行動力ある人間に言われても…」
と言うツッコミ、

とても分かります、超わかります(多分同じことやれと言われてももうできない…)

しかし、現実的な話をするとアニメーションデザイナーという職種は需要の割にやる人(ちゃんとできる人)の数が少なくて、企業側も 「ある程度アニメーションできて意欲的な学生を呼び込みたい…!」 と考えてます。
しかし学生の方からアクションがないと、その「アニメーションができて意欲的な学生がいる」事が分かりません。時には自分自身の 「こんな事をやってる」「これをやりたい」を相手に分かる形で伝える事もある程度大事なのかな…と思いました!

ちなみに私の場合は基本口下手なので、勉強会などに参加した時は自分の作ったアニメーションを見てもらったり、企業説明会でポートフォリオ講評の時間を取って自分のポートフォリオを見てもらったりする等 「ツールを使ってアニメーションが作れる」「アニメーションを作る人になりたい」というアピールを、ここぞという時に行動で示せる ようにしてました。

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学生の頃やっておけば良かった…と後悔していること

1.いいアニメーションを沢山見る

私がアニメーションデザイナーになりたいと思った時、それまでアニメーションの事を1ミリも考えずに過ごしてきたので、「良いアニメーションとは何か」「どんなアニメーションが好きか」を見極める審美眼がありませんでした(正直今もそれで苦労してます…)

アニメ・ゲーム…ジャンルは問わず色んなものを観て、その中にある 「作り手のこだわり」(例えば大きい動きをする時は全体のシルエットが似通わないよう気をつけるとか、物の重さ・柔らかさによって動き方を変えるとか…)を見つけられる様になったら、それはアニメーションデザイナーにとって強い武器になります!

気をつけたいのは、「綺麗な作画」が必ずしも「良いアニメーション」であるとは限らない事。
「作画が綺麗」「動きが良い」「演出・画面構成が良い」など、良いと思った要素を細かく見極めると審美眼がさらに鍛えられると思います!


2.アニメーション(動き)がメインの作品を作る

ポートフォリオに乗せるための作品を作っていた時に陥りがちだったのが
「アニメーションを作らなきゃ…アッでもせっかくだしクオリティの高いキャラのテクスチャ素材を用意したい…」と素材作成の方に時間をかけてしまうパターン。

もちろん、動きを作る際 「キャラ性にあった動きを作れる」 事を表現するために相応しい素材を作ることは大事です。
しかし、企業側が見るのはキャラ性の動きも含めて 「良いアニメーション(動き)が作れるか」 なので、動きに直接関係ないテクスチャ素材の質にこだわり過ぎないようにしましょう…!

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まとめ

以上、私が2Dアニメーション未経験からアニメーションデザイナーとして働いて思った事・伝えたい事を、学生の頃の体験も交えながら紹介させていただきました!

長くなりましたが、アニメーションデザイナーに必要なのは、

①ある程度アニメーションが出来る(Spritestudio・Spineなどのツールの使い方を一通り知ってて、作り手のこだわりを込めたアニメーションが作れる)
②意欲的である(アニメーションデザイナーとして働きたいという強い意志を持ってて、それを企業にアピールできる)

の2つであるという事。

企業側も学生を呼び込む為のイベントを開催してるので、「ツールを使ってアニメーション作れる様になった!」「実際に会社のアニメーションデザイナーになって成長したい!」って学生さんは積極的に参加してみましょう!

(私は正直かなりギリギリだったので反面教師にしてください…!行動は早いほど良いですよ…!(小声)


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新卒アニメーションデザイナーのお二人のお話、いかがでしたでしょうか?

Happy Elements カカリアスタジオでは
いっしょに「熱狂的に愛されるコンテンツ」をつくっていただけるメンバーを大募集中です!

もし弊社にご興味持っていただけましたら、是非一度
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