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あんさんぶるスターズ!! イベントロゴの作り方と、デザインのこだわり

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の21日目の記事です

こんにちは!
あんさんぶるスターズ!!でグラフィックデザイナーをしています、S.Tです。前回のUIに引き続き、また記事を書く機会をいただきました。

↑UIの記事はこちら。同僚から「教科書っぽすぎる」と言われたので、今回はもう少し気持ちを楽にして書かせていただきます…笑


はじめに

今回はロゴについての話です。

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「あんさんぶるスターズ!! Basic/Music」(以下・あんスタ!!)では毎月2つのアプリ内イベント/2回の新規スカウトを開催していて、
グラフィックデザインチームではイベント関連する周辺クリエイティブ(※)を若手メンバーを中心にローテーションで担当して制作しています。
※イラスト(キャラクター/背景)以外のだいたいの2Dグラフィックと思っていただければ。

イベント/スカウトには毎回違ったテーマがあり、毎回それぞれに合わせたタイトルロゴを制作しています。


今回は私が担当したイベントの中から『交差する/モーターショウ』(以下・モーターショウ)を例に、ロゴの制作についてのお話をさせていただきます。

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ではまずイベントロゴ制作の流れから。

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ロゴ制作の流れ(イベントの場合)

まずロゴを作るにはタイトルが必要ですよね。

シナリオやイラストが完成後にタイトルが正式に決まるため、必然的にイベントロゴは全体の工程の中でもほぼ最後に制作することが多いです。

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SDモーションの記事でアニメーションデザイナーのWさんが書かれてた事にも近いんですが、後半の工程の担当は他のクリエイティブを見ながら制作ができるため、イラストやシナリオ、MVに込められたこだわりを拾いながら発想を広げることができます。楽しいです。


1.構成〜ラフ制作

ロゴはそのイベントを表現する看板です。
イベントイメージの具現化とも言えます。

ですので、まずは担当するイベントのシナリオを読み込みます。
このとき、イラストの設定資料や/衣装の制作資料、関連するストーリー、MVの演出意図などもあわせて目を通して把握しておきます。
オタク特有の深読み力を身内に対して発揮していきましょう。

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このイベントは『モーターショウ』という作中イベントを通し、ユニット「流星隊」のメンバーが、先輩と自分との違い/ユニットの今後について葛藤するというようなストーリーでした。※ネタバレを含むため詳細は割愛

また、タイトルにもあるように、少しレトロな印象の自動車がモチーフとして各所に使用されていましたので、ロゴにもそのような要素を入れることにしました。

そしてこのイベントは「!!」になってから初の「2つのユニットが登場するイベント形式」(通称・ツアーイベント)だったこともあり、

● 流星隊/ALKALOID
● 南雲鉄虎/天城一彩
● ブラック/レッド

といったように『対称性』を強調したロゴにするべきだと考えました。
新しい要素(システム)が出るときは「わかりやすさ」って大事ですよね。


イベントの全体像が把握できたので、いくつかラフを制作して情報を整理していきます。(自分は手描きのスケッチから始める派なのですが、あまりにラフすぎるのでそこは端折らせてください…苦笑)

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▲構成ラフ
久々に見返してみましたが、この時点で思ったよりちゃんと最終形イメージできてますね。

この時点で構成としては「ヘッドライトとバンパーで車感を出たシンメトリーな構成に。チェッカーフラッグで2人のリーダーの対称性を表現する」という感じに決めました。


2.清書

ラフから要素を更に詰めていって、ある程度線画が整った状態がこちら。

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ある程度まで構成案のままシンメトリーで作っていたのですが、

「鉄虎と一彩の二人がメインにしては勢いとエネルギーが足りない…」

と感じたので、最初の構成案よりも少し文字に動きを出すことにしました。あくまでロゴのコンセプトである「対称性」を損なわないように気をつけながらですが。

また、背景の矢印も当初モチーフとしてはどこにもなかったのですが「このイベントを起点にいろんな方向に思いが交差するような、彼らの迷いを表現するべきでは…?」と感じ、色々な表現を試した結果、車の表現とも親和性がある矢印を追加しました。

ちなみにこの時点でまだ白黒なのは「シルエットの状態でイメージが表現できているべき」という持論に基づいてます。

ちなみに私は作字が好きなので、自分が担当したロゴは0から作りがちです(暗夜行路、ジンロウなど)。このロゴも作字していますが、既存のフォントをベースに制作してももちろん問題ありません。そのあたりは流派の違いみたいなもんです。

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D/Fや裏表の2匹の狼など小ネタもロゴに入れがち。


3.配色、効果

という感じで形が決まったので、色をつけます。

衣装にも使われている、流星隊とALKALOIDの赤/ターコイズを中心に、黒で締めています。

シナリオを強調するために、地色を黒と赤の混ざりあったグラデーションにしました。レッドとブラックの変化ですね。
イベントロゴは予告の時点でユーザーさんの目に触れるため、見た方が「あっ、これってこういうことかな?」とイベントのイメージを事前に予想して楽しんでいただければ…と考えています。

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最後に金属質なハイライト表現や、車の躍動感を出すための煙などの効果を載せて完成です。

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イベントやスカウトのテーマにもよりますが、毎回こういった感じで制作しています。
だいたい1つのロゴを作るのに半日〜長い場合は2、3日ほどかけることもあります。(このモーターショウの場合は6時間ぐらいです)

※その他キャンペーンバナーなどはもっと少ない時間で制作する場合がほとんどですが…


「イベントのロゴ1つに2,3日もかけるの!?」と思われる方もおられるかもしれませんが、そこにはちゃんと理由があります。


あんスタ!!のロゴのこだわり

私も過去にいろんなゲームを担当して来たことがあるので分かりますが、
ゲームによってはそこまでイベントロゴに力を入れない場合も多いかもしれません。

たくさんあるイベントロゴのうちの1つですし、バナーぐらいでしか使わないことも多いですし…。効率化のためにフォーマットをガチガチに決めて制作する場合もあります。
実際それによって数字に大きく影響がでるものでもないので、それは間違ったことではないと思います。

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でも、あんスタ!!のイベントはアイドルたちの活動の一部です。

推しのイベントはロゴの1つまで絶対に手を抜いてほしくない…ですよね…?少なくとも自分はそうです。そのアイドルの、今のこのイベントは一生に一度きりですから。

「!!」になってからは表現にも特に強い縛りをつくらず、よりイベントのイメージにあった表現を目指しています。

というわけで最後に、そんな「あんスタ!!」のイベントロゴにこめたこだわりをいくつかご紹介します。

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『軋轢◆内なるコンクエスト』

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2つ続けてMVや曲のイメージもハードで尖った印象で、イベントタイトルも「軋轢」と物々しい印象だったため、Breakな印象のロゴにしました。

Edenの箱イベ(※1つのユニットが主体となったイベント)がほぼ初めて、
また「AdamとEveが分裂!?」という設定を聞くだけで胸熱なイベントでしたので、ロゴでも分かりやすく表現しています。シナリオの不穏さや緊迫感などが初めて見たときに感じていただけていれば良いのですが。


『陽炎◆夏の名残とホットリミット』

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これは別のデザイナーメンバーが制作を担当したのですが、夏の暑さが残る季節に行われたCrazy:Bの箱イベでは、レンズフレアや勢いのある手書き文字で『夏の暑さ』『フェス感』を表現していただきました。

また、陽炎を過去の幻影に見立て、燐音とニキのパーソナルカラーを使って、『過去回想シーンのあのエモい空気感を表現してほしい・・・!』という気持ちで制作いただいています。

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『ハイタッチ』も同じ方が制作。
こういった手描き風のロゴは青春!って感じが強くでますよね。


『銀幕死闘の/桃源郷偶像拳』『バラエティとタッグ/ボギータイム!』

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シナリオ中に作中作のあるイベントは、それがそのままタイトルになることが多いです。そういったイベントの場合、ロゴも「映画/番組のタイトルらしさ」を重視しています。

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桃源郷偶像拳は『カンフー映画らしさ』、ボギータイムは『バラエティ番組らしさ』を感じていただけていれば嬉しいです。


こんな風に、すべてのイベント、スカウトロゴは細かいこだわりや設定をもって制作しています。本当はもっと細かい所まで語りたいのですが、それはいずれまた機会があれば…。

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あんスタのデザインチームではこれからも、イラストとシナリオを、なによりアイドルを引き立てるロゴを制作していきます。

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最後までご覧いただきありがとうございました!


12月1日から始まったこのアドベントカレンダーも残りわずかとなりましたが、ぜひ最終日までお楽しみに!

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