サブプロジェクト開発インタビューvol.4 「はじめましてマイマザー!」 編
今回のアドベントカレンダーでは、Happy Elementsが近年取り組んでいる「サブプロジェクト制度」を使い、SuperLiteアプリの開発にチャレンジしてくれたメンバーにインタビューを行いました。
第4弾は「はじめましてマイマザー!」のデザイナー職群メンバーにインタビュー!
こちらのゲームはアプリストアでの配信は行っていませんが、弊社Webサイトからプレイできるため、ぜひ一度遊んでみてください♪
ー まずはお二人の自己紹介をお願いします。
M.K.:
「あんさんぶるスターズ!!(以下あんスタ!!)」チームに所属して背景イラストを担当しています、M.K.です。社歴は5年ぐらいです。
以前は「ラストピリオド(以下ラスピリ)」チームでキャラクターイラストを制作していたのですが、ラストピリオドが終了してチームを異動することになったときに「やりたいことない?」と聞かれて、元々自主制作で風景を描いていたので、今後はそういう方向にも進みたいなと思い背景イラストの担当になりました。
A.M.:
A.M.です。「あんスタ!!」チームでグラフィックデザイナーをしています。社歴はこのインタビューの少し前で1年が経ちました。アプリ内に表示されるロゴやバナーなどのグラフィックや、3D班の方の依頼に応じてMV内のテクスチャ素材を制作しています。
ー 今回サブプロジェクトで作ったSuperLiteアプリ「はじめましてマイマザー!」がどんなゲームか、実際に作ったお二人から紹介をお願いします。
A.M.:
「見知らぬお母さんに褒めてもらうゲーム」……別の社外向けイベントでお話させてもらった際にも同じ紹介をしていたのですが、皆さんこれだけ聞いてもちょっとわからないって反応をされますね(笑)。
M.K.:
単語を組み合わせて自分が言ってほしい褒め言葉を作り、見ず知らずのお母さんにその誉め言葉を言ってもらいながら、よしよししてもらうゲーム、という感じです。
A.M.:
言葉を組み合わせて褒め言葉を作るゲームなんですが、組み合わせ方に個性が出たり、シャッフルできる回数が限られているので、中途半端な組み合わせになることもあったりして。「はじめましてマイマザー!」にはそういった「偶然から出た面白さ」みたいな狙いがありました。大喜利的というか。
M.K.:
そうして作ったちぐはぐな褒め言葉を、お母さんのかわいいスチルを背景に言ってもらえるという、そんな感じのゲームです(笑)。
ー ゲームとしては比較的シンプルなものですよね。それだけにコンセプトが光っています(笑)
A.M.:
サブプロジェクトの目的は短期間でゲームを完成させることだったので、シンプルな形になりましたが、開発期間が長ければ「クリア毎に新しい単語カードが獲得できる」「自分で好きな言葉のデッキを組んで〜」といったアイデアをチーム内で考えていました。
M.K.:
別のお母さんを用意して、お母さんごとに選べる言葉が決まっていたりして。今回作ったものはお母さんが一人、あとは主人公と妹ちゃんという風にキャラ数は絞っています。それでも、時間がない中で妹ちゃんと一緒に家に帰るという隠しルートを実装したりしました。
A.M.:
ゲーム内では特定の条件を達成すると獲得できる称号も実装されています。ここも時間があれば称号一覧を作って解説を載せたりなど、遊びの幅を広げるための案も検討していました。
ー
「ぶっ飛んだところもいいな」
ー そもそもお二人はどういった経緯で当プロジェクトに参加したのでしょう?
M.K.:
このゲームを企画されたリーダーが以前同じ『ラストピリオド』チームで働いてたので、ご縁あってといいますか、「M.K.さんのかわいい絵柄がこのプロジェクトのイメージに合う」ということで誘っていただきました。
企画書では変な設定のお母さんがいっぱい並んでて、ぶっ飛んだところが面白いなと思って参加したのですが、一方で自分が「バブみ」を理解してるのかという不安はあったんです。でもちょうど『ラスピリ』が終了して、他チームに異動して背景担当になるというタイミングだったので、キャラクターデザインはしばらくできなくなるだろうなという思いもあって参加を決めました。
A.M.:
私の場合きっかけはちょっと複雑なんですが、リーダーがこの企画をやりたいと社内へ相談した際「グラフィックデザイナーで誰かひとり参加してもらいたい」ということで、その時の私の直接の上司(かつ、このインタビューのインタビュアー)の方から私を推薦してもらった……という経緯らしいです。
私目線で言うといきなりslackのチャンネルに招待されて、周囲を取り囲まれて「やりませんか?」って言われたという感じです(笑)。
ー その時の上司である自分から補足すると、A.M.さんは当時入社半年ぐらいで、入社時から「UIをやりたい」と話されていたんですよね。
ただ、普段の仕事だと0からUIを触る機会がなかなか作れなかったので、いい機会だと思って推薦しました。
ちなみに、最初に企画書の説明を受けたときはどう感じましたか?
A.M.:
「企画を元に1ヶ月でゲームを完成させる」といった内容に魅力を感じました。何かを経験したいと思っていた頃だったので「このチャンスを逃すわけにはいかない!」という気持ちでお受けしました。
ー そこから実際に開発に参加するに当たって、最初に企画者 兼 リーダーから「こういうのが作りたい」と言われたとき、正直どう思いましたか?
A.M.:
聞いたときは「なるほどいいと思います」と素直に受け入れました(笑)。
こういった企画は個性があった方がいいのかなと思って。
M.K.:
お母さんに甘える、「バブみ」とはいったいなんなんだろうと思いました。私自身の普段の好みではどちらかというとお母さんよりは少女が好きなので、どういう風にやっていけばいいんだと思って最初は悩みましたね(笑)。
ー
「バブみ」にこだわった
ー それでは、お二人がどういうことをされたのか具体的に聞いていきたいと思います。
まず、アプリ制作において何をご担当されて、その中でどんなことにこだわりましたか?
M.K.:
私は、立ち絵やキービジュアル、スチルなどキャラクターイラスト全般と、背景を担当しました。お母さんがモチーフのゲームなので全体的に柔らかい丸みを意識して優しい感じを出しました。基本的には男性向けのゲームということで、多少エッチさを出したほうがいいのかなというのと、女性にも遊んで欲しいとのことでしたので見た人から嫌悪感を抱かれないように、どうバランスを取るかという難しさはありました。今もこれで良かったのかなと迷ってます(笑)
ー 0からアートを決める上で気をつけたことは?
M.K.:
企画者がどういうゲームを作りたいのかを重視しましたね。資料をもとにこういうイメージかなというのをプロジェクトが始まる前に、企画者にヒアリングはしました。
– A.M.さんはいかがですか?
A.M.:
私はゲーム内のUIやアニメーションを担当しました。「バブみ」にこだわった尖ったゲーム企画ではあったんですが「色んな方に遊んでほしい」という企画者の想いから優しい柔らかいデザインを心がけました。
ー アニメーションも、となると普段の業務とは違った分野ですよね。
A.M.:
サブプロジェクト制度でSuperLiteアプリを作る場合、チームメンバー4人で制作することになります。その人数やそれぞれの役割を考えると「自分しかいないのでは」と気づきました(笑)。企画兼シナリオ1人に、エンジニア1人、イラストのM.K.さんもみっちりスケジュールを取っていたので、この場合できるのは私しかいないなと。
ー 実際作ってみてどうでしたか?
A.M.:
最初は「アニメーションってどうやって作ってるんだろう?」という疑問から始まり、悩みながら新規事業をサポートしている部署の方に相談したところ、その部署のグラフィックデザイナーの方がずっと近くに座って最初から最後まで丁寧に指導していただきました。実際に作ってみたところ、なんとか形になり…「やれば作れるんだ」という自信に繋がりました。
ー ゲーム全体のUIデザイン自体も初めての経験だったと思いますが、やってみていかがでしたか?
A.M.:
こだわりを持って作ることができたかなと思っています。当たり前のことですが、心地の良い画面を意識しながら、配色やパーツのデザインにもルールを設けてデザインしていました。
作品全体のトンマナも、M.K.さんや他のメンバーと話し合いながら「こんなイメージですか?」と話し合いながら決めていきました。
ゲームとしてはそこまで大規模ではないのでデザイン自体は難しくはなかったのですが、ゲーム内の褒め言葉の文字上限といった細かい部分で手こずっていました。画面が単語カードでいっぱいに埋まってしまうと画面が狭苦しくなってしまうので、ゲームバランスの相談も含めてメインの画面が一番難しかったですね。
M.K.:
私が先にイラストを進めていたので、いろいろ提案してもらってA.M.さんがトンマナを合わせていってくれました。
ー
「何かを掴んで終わりたい」
ー 今回このプロジェクトに参加してみて、自分自身で成長したと思う部分はありますか?
A.M.:
ゲーム作りってこういうことが起きるんだ、と分かったことが大きかったです。大きなトラブルというわけではないですが、進めていく上でぶつかる問題は多いなと。開発経験豊富な人に「こんなことが起きました」という報告をしたところ、「そういったことはよく起きるよ」「あるある」と言われて(笑)
規模の小さいチームでも、そういったゲーム作りの雰囲気を感じられて良かったです。
ー いつも仕事をしているのとは違うメンバーで、進め方も違う中、初めてゲームを0から作るというのは大変でしたよね。
A.M.:
広い視野が大事だなと思いました。あとはいろんな方法を使って、頼れるときは人に頼って解決するのも大事だなと実感しましたね。
M.K.:
私はやってること自体は前のチームの時から変わらない感じだったのですが、ゲームを0から作り上げる経験を通して、成長したというより、自分の認識が変わりました。0→1でゲームを作り上げるには、コミュニケーション能力が本当に大事なんだなと。伝えたり言及したり、みんなで何かを作り上げる経験というのは、絵の技術以上に大事なんだなと感じました。
ー とはいえ限られた期間内でコミュニケーション能力が格段に上がるわけではないと思います。今回はどうやって課題を乗り越えていきましたか?
M.K.:
まずはリーダーに相談するようにしましたね。また、チーム全体で見るとA.M.さんがプロジェクトをうまく進めるために、どうにかしなきゃといろいろ意見を出してくれて、それにみんなが触発されたみたいな形でコミュニケーションが活性化されていきました。
ー なるほど。そのA.M.さん的はどういう心境でしたか?
A.M.:
まずはとにかく進めたいと思っていました。せっかく参加したからには何かを掴んで終わりたい。もともとの目標は「Unityを使えるようになる」だったのですが、そこから一歩進んで「ゲーム制作に参加したからにはゲーム制作らしい経験を積みたい」とも思っていました。
ー 当初目標だった「Unity」は実際扱ってみていかがでしたか?
A.M.:
最初は Unityでのプロジェクトの開き方もわからないといった感じだったんですが、最後は各機能を理解してアニメーションも作れるようになりました。自分で画面上にボタンを配置できるようになったので、3歩ぐらい進んだ気がします。元のプロジェクトの業務にも持ち帰ることができる、自分としてはすごい進歩なんですが、口で言うと簡単に聞こえますね(笑)。
ーそれでは最後に、サブプロジェクトに参加してみてのご感想はいかがでしたか?
M.K.:
まだまだ未熟だということがよくわかりました。
キャラクターデザインもそうですけど、自分の絵が企画の意図に合っているのか見極める力だったり、ひとりで作業を行うことも多くてコミュニケーション能力も足りないし、困ったことがたくさん起こって、、、自分はまだまだだなと。でも私個人としては参加して良かったです。
元々自信がないタイプなのですが、『ラスピリ』のときはユーザーさんから自分が描いたイラストにいい反応をもらえたり、アイディアソン(社内のデザイナー向けに行われる研鑽用のデザインコンペ)で賞を取ったりして「自分もちょっとはやれるかも」と自信を持ち始めていたんですが、今回でまた叩き落された感じですね。それでも自分の絵がゲームに表示されるのはうれしいので、それだけでも参加する価値はあるなと思います。
A.M.:
無事ゲームが完成して良かったなと思いました。
最初から最後までを通したゲーム制作を経験できて、今回参加した意味もあったなと。Unityも使えるようになって、ゲームの作り方も学べたので、後は自分が努力して目指すべき場所に向かって進むだけ!と前向きに思えるようになったことが大きな進歩です。
社内でサブプロジェクトに興味を持っているグラフィックデザイナーに向けて「Unityが使えるようになるから参加しよう」と伝えたいです。
ー M.K.さん、A.M.さん、ありがとうございました!
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