ピッピの日常★飼い主の対応基本編
ピッピは1歳ダックスフントの男の子。6か月の時に去勢手術済み。
パパとママと10歳の女の子まりちゃんと、7歳の男の子さとる君と暮らしている。
ピッピはみんなが大好きだけど、特にパパが大好きだ。
パパは床屋さんを経営していてママもそこで働いている。
そんなピッピの日常から犬の思考や行動をみてましょう。
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朝が来た。
ママがみんなの朝食を用意し終わると、最後にピッピのご飯も用意した。
「そんなに興奮しないの!はいはい!はいどうぞ!。」
ピッピにご飯をあげてママも食事の席に着いた。
まだご飯皿をピッピの前に置いて1分も経っていないがもうピッピはご飯を食べ終わり、みんなのテーブルの横に来て吠えだした。
「ピッピうるさいよ~。」と言いながら、さとる君がパンをひとかけらピッピにあげた。
ピッピは一瞬で飲み込んだ。
「もう、またピッピにあげたの?やめてね!。」とママが注意するが、さとるくんは「わかってるよ~。」と食べながら聞き流していた。
朝食が終わってみんなが出かける支度をしていると、まりちゃんが髪に止めるリボンの付いているピンをピッピの前に落とした。
拾おうとすると、横からピッピがそのピンを加えてしまった。
「あーーー!ピッピダメーー!」と取り上げようとすると
ピッピはさっと身をかわした。
まりちゃんはピッピがピンを食べてしまわないか、お気に入りのピンが壊されないか焦りながらピッピを捕まえようとしたが、ピッピは楽しそうに逃げていく。
まりちゃんは「返して!」と言いながらピッピを追いかけたがピッピはうまく身をかわし逃げてしまう。
その時パパがピッピの前に立ちはだかり、ピッピは捕まってピンは無事まりちゃんの元へ戻ってきた。
ピッピは少しまりちゃんを見ながら走っていたが、まりちゃんは自分の身支度をしていると、すぐに止めてまりちゃんの後を追い始めた。
すぐにまりちゃんとさとる君は学校へ出かけた。
少しするとパパが車のキーを持った。
それを境にピッピは落ち着きなく動き回り、時折吠えだした。
パパが先に玄関を出た後、ママも靴を履き始めた。
吠え続けるピッピに「そんなに吠えないで!静かにしててね、それじゃ、行ってくるね。」と声をかけて出ていった。
ピッピの空間は静まり帰る。
ーー8時30分ーーー
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こんにちは。人と犬のhappylifeコーチ ドッグトレーナの齊藤です。
ワンちゃんを飼っているとよくある日常、よくあるシーンですよね。
ここでご紹介したいのは、ワンちゃんは人の行動で学習している事がとても多いと言う事です。
けれど人は、自分の行動でワンちゃんが学んでいる事に気づいていない事も多いいのです(;^ω^)
それではピッピの目線から見てみましょう。
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●みんなのご飯がテーブルに並んでみんながテーブルに座る。
もうすぐ僕のご飯も来る!早く!早く!
待ちきれなくてウハウハ。ママの声を聞くともっとウハウハしちゃうよ!
目の前にご飯が出されると、ピッピは本能のまま急いでご飯を平らげた。
もっと食べたい!。何かちょうだいよ!。ワンワン!。
何かくれた!!やった!!
朝食の後はそれぞれ出かける用意で、みんなピッピにかまう事はない。
その時、目の前に何かが落ちてきた。
●ん?なんだ?光ってる!動くかな?!パクッ。
オッと!まりちゃん、なに?なに?
なんだ?楽しい!まりちゃんと追いかけっこだ~。まりちゃんが遊んで
くれる~。わ~い。逃げよう、逃げよう!これは僕のだよー。
オッと・・・あ~パパにとられちゃった・・・
もう一度逃げてみよう!。あれ?もう誰も追いかけて来ないの?
なんだよ、何かを加えてないと遊んでくれないのか?
●パパが、カシャカシャ音がするものを持った。
あの音だ!一人になる音!
パパとママも出かけて一人きりになってしまう。嫌だ~。
ワン!ワンワン!
もっと吠えたら前みたいに、僕も一緒に連れて行ってくれるかな!?
パパは外へ出ちゃったしママが何か言ってる。
僕も連れて行ってよ~!一人は嫌だよ~!ワンワン!
ママも行っちゃった。
いつまたみんなに会えるかわからない、一人は嫌だよ。
ワンワンワン!クーンクーン。
さみしいよ~、不安だよ~、心細いよ~。
しばらく鳴いてみたけど、なにも変わらない、家をぐるぐる回ってみた。
なにも変わらない。
みんなぁ~。
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ここで出てくるピッピの学習は、わかりやすい例ですが、ご飯の出るタイミングや、人の食べ物をもらえる事、何かを加えて走れば追いかけっこで遊べる、鍵の音でもうすぐ一人きりで留守番嫌だ、吠えたら僕も連れて行ってくれるかも。
この短い話の中でもこんなに沢山、人の行動から学んでいるのです。
”しつけ”をしようとして何かを教えている時だけではなく、毎日の暮らしの中で気づかないうちに”しつけ”をしてしまっている事もあるのです。
そして前回でも述べた人の対応が良い事も悪い事も、その行動を強化しているんです。
毎日同じパターンで同じ時間にご飯を上げていれば、もうご飯がもらえると学習して、要求吠えに繋がる事もありますし
食べ物をあげれば、人は自分の食べている物をくれると学習するし
さらに吠えるようになって、うるさいから食べ物を上げてたり・・・(;'∀')
まりちゃんとの追いかけっこは、たまたま落ちてきたものを加えたら、自分に注目してくれた、さらに楽しい追いかけっこをしてくれた。
何かを加えて逃げれば、自分に注目してくれて追いかけっこという楽しい遊びができると学んだ訳です。
以前にみんなが出かけてしまう前に、吠えてみたら自分も家族と一緒に行動することが出来たので、吠えてみる。一人きりにならなくて済むかもしれないと学習したのです。
もちろん人が関わっていない学習もあります。
雨の日に散歩に行ったときに雷が鳴って怖い思いをしてから雨の日は散歩に行きたがらなくなるとか、食べ物がしまってある扉を開けようとしていたら、上から物が落ちてきて痛い思いをしたのでその場所に近寄らなくなった。
などですが、ここでは主に人の行動からの学習について話しますね。
以前自分にとって都合のいい事が起きて学んだ学習を止めさせたい時は、ノーリアクションによって消えていきます。
要求吠えも、お座りをして食べ物をくれるのを待っていても、大事なものを加えちゃってもノーリアクション。
これには罠があって、犬が期待するリアクションがなくなった場合、一時その行動が以前にもまして増える事があります。これは心理学で消去バーストといいます。
だから、「なんだ~全然行動が止まらない、むしろ前よりひどい。」と思わないでくださいね。
みなさんもいつも自動販売機でジュースを買っていて、ある日お金を入れてボタンを押してもジュースが出てこなかったら、どうしますか?
蹴とばしたり?ボタンを連打したりしますよね?。
ボタンを押して出てこないのだから、ボタンを何度も押し続けます。
これと同じで、吠えて要求しまくったり、お座りしまくったり、加えまくったり・・・ボタン連打みたいな事です(*_*)
けれど、次の日もその次の日も自動販売機でお金を入れても何も出てこなければ、もう自動販売機でジュースを買おうとは思わなくなりますよね。
その行動が消えるまでに何か月もかかることもありますが、ある時その行動は消えるので、家族全員が一貫したリアクションを取る事と根気が必要なんですね。
★時々誰かがその要求にこたえる事があれば水の泡になってしまうので、家族全員一貫したリアクションはとても大切です!。
だけど、自販機の話しで言えば、人は「じゃ、コンビニで買うからいいよ。」とジュースgetの欲求は満たせますが、ワンちゃんは欲求が満たされずストレスを感じてしまいます。
そこでプラス!
その行動を止めた時、ご褒美を上げる。
ご褒美は、褒める、おやつ、おもちゃ等わんちゃんの好きな物で。
ここでは吠えが止まった時、加えているものを出してくれた時などです。
要求吠えは要求によっていろいろ対応が違ってくるので、今回は詳しく触れませんが
食べ物を要求して吠えている時は、おやつではないご褒美で(^-^;。
興奮が増してしまったり、タイミングがずれると吠えたご褒美に直結しやすいので注意です。
さらに、食べ物が欲しくて吠えていたのなら、おとなしくリラックスしている時におやつをさりげなくあげる、遊びたかったのなら、どこかの時間で十分遊んであげるなど、そもそもの要求は良い状態の時に満たしてあげる事で改善が早くなってストレスを感じにくくなりますし、リラックス状態でいる事が良い事と学んでくれます。
人がワンちゃんの行動を間違った解釈をしてしまうと行動が悪化してしまう事もあるので、その行動は何から学習したのか、何を要求しているのか探ることが重要です!。
家族の愛情と根気も必要なのです♪
人が変われば犬も変わりますよ(*´ω`*)
それではまた!